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第四の石碑 ディゴバ
05話 怒り
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闇種族の中でも、ダークエルフは人間に近い。その証左として、ダークエルフと人間の間に子をなすことができる。彼らも陽種族であるフォレストエルフと人間のあいだにできた子と同様に見られる。
故にルイ・ソーンさんやヤヒロちゃんらハーフエルフは陽種族、闇種族両方から不審な目で見られてしまう。
だから、ヤヒロちゃんは僕と同じだ、と行ったんだと思う。
かつて銀獣人である僕と同じ希少種族であるフェイエルフがアレンシアに降り立った時、闇の力を受けてしまったエルフと、祝福を受けたエルフに別れたという。
それが陽種族のフォレストエルフと、闇種族のダークエルフだ。
しかし基は美男美女にして、賢く、弓矢と魔法の扱いに秀でたエルフ族なので、肌や髪の色こそ違うけれど、人間から比べると抜群の容姿を持っている。
ダークエルフは闇種族の知恵袋であり、堅い鱗に覆われたトカゲのような外見を持つログナカンや、三メルを超える巨躯で、怪力のトロルに比べると、いくらか話は通じるはずだ。
「ん……」
そんなダークエルフの女の子の意識が、戻ったようだ。
「君、だいじょうぶ?」
僕が彼女に声をかける。
「あな、たは?」
「僕はカナク、向こうにいるお転婆がユーリエ。セレンディアから旅してきた石碑巡りだよ」
次の瞬間、すこーん、となにかが後頭部を直撃した。
ユーリエのワンドだった。
「痛いっ! ちょっとユーリエ、こんなの投げて、刺さったらどうするのさ!」
「惜しかった」
「どういう意味!?」
「刺され、って祈って投げたんだけどなあ」
「祈るほどのこと!?」
「私は初めてマールに祈った」
「いや、初めてが小さすぎない!?」
「誰がお転婆よ!」
「そういうところだよ!」
「まあ酷いわ、セレンディアの司教さまに、旅の途中でカナクに、必死に拒んだのに、力ずくであんなことやこんなことをされたって――」
「すいませんでした」
腕組みするユーリエ。
すん、と頭を下げる僕。
すると横から、くすくすと笑い声がした。
「あっ、すいません。お二人は、お似合いですね」
僕とユーリエは、彼女が発したその言葉に驚いた。
「あなた、アレンシア語を?」
「はい、勉強しました。私もいつか石碑巡りをしようと思っておりましたので」
「え、えッ!?」
ダークエルフの女の子が、まだ目元に溜まっていた涙を拭って立ち上がる。
「私はネウリュミアと申します。ネウとお呼び下さい。マール聖神殿の修道士です。ディゴバ・アンダーグラウンドから、お二人を、お迎えにあがりました」
「ディゴバ・アンダーグラウンド?」
ユーリエが首をひねる。
「闇種族の間では、マールを未だに“紅の魔女”と呼び、力の象徴としてマール邪神殿を建てて崇められているんだけど、マールはその首都ディゴバに石碑を建てた。そこはディゴバ・マール聖神殿と呼ばれているんだよ」
僕が説明すると、ユーリエは逆の方向に首を捻った。
「ディゴバ・マール聖神殿? 邪神殿があるジェドの首都に、聖神殿?」
ユーリエが困惑している。
可愛い。
「まあ行けばわかると思うよ。それよりネウ、どうしてあんな姿に?」
僕の質問に、ネウは項垂れて応えた。
「あ、あはは、あたしがドジなのがいけないんです。ディゴバの聖神官さまからお二人を迎えに行くようにと頼まれたのですが、途中でログナカンらに、襲われて、しまい、まして」
「襲われるって、闇種族同士で?」
「陽種族は、陽種族同士で争わないんですか?」
ネウの言葉に、僕はぐっ、と言葉を飲み込んだ。
返す言葉が見つからない。
「でも、あんな姿にされるなんて……」
「闇種族の中では、ダークエルフって、性欲を発散するにはうってつけの相手であり、酷い時は、餌になることもあります。さっきはなんとか魔法で二体、倒せたんですが、他の仲間に捕まって……腕を落とされて……それから、それから……それから……うう……」
大きな瞳から、ぼろぼろと涙が溢れて零れる。
僕はネウを優しく抱き締めた。
「それ以上は言わなくていい。辛かったね。でも、もう大丈夫。君は僕らが守るから」
「うぅうううううああああああああああああん!」
ネウは僕の背中を両手で掴んで、胸の中で泣いた。
許せない。
相手が誰であろうと、こんな少女をあんな目に……いや、僕の想像を超える陵辱をしたに違いない。
刹那。左手にちくりと痛みが走った。
草人たちからの合図だ。
あの子たちはこの状況でも、僕らの周辺を見守ってくれていた。
「ユーリエぇ!」
僕が叫ぶ。
「わかってるわ! カナクはネウをよろしく。ここは私に任せて」
「え!?」
ものの数秒も経たないうちに、ネウが倒れていた草むらが動き、ずん、と重い音がした。
「ああん? 逃げたと思ったら、まーだこんなところにいたか」
そこに現れたのは、鱗の鎧に身を包まれ、両刃の剣を手にした二足歩行のトカゲ人間、ログナカンが二体。そして横にも縦にも大きく、深緑色の肌を持ち、頭髪がなく、獣の皮で作られた布を身体に巻いている闇種族トロルが一体、立っていた。
特に僕の胸に怒りを宿させたのは、トロルだ。
こいつの口からなにかが出ている。
口をもごもごと動かしていると思ったら……。
それは、細い腕だった。
間違いない、ネウの腕だ。
ざわ、と、怒りが腹の底から沸き起こる。
こいつらが……ネウを!
「さんざん気持ちいい思いをさせたやったのに、逃げるとはどういうことだぁ?」
「そうだぜ。きちんと礼をしてくれなきゃなあ」
「まあ、ダークエルフの肉は女でもあまり旨く……お、あああ!?」
口々に口汚い言葉を発するログナカンらが、ユーリエの姿を目に留めてその大きな目を見開いた。
「にに、人間の女だ!」
「しかも若い人間だ」
「焼いて良し、煮ても良し、生でもいけそうだな!」
「こんなところでご馳走に出会えるとはなあ。でかしたぞ、ダークエルフの女ぁ」
「ああ。続きはあっちの人間の女で、だな」
「おいおい、全部食うなよ?」
ログナカンらがけたけた笑い、好き勝手なことを言っている。
この僕がいるんだ。そんなことをさせるわけがない。
僕は左腕にネウを抱き締めつつ右手でワンドを構え、マナを集めた。
「あん? なんだこの小僧は」
「骨張ってるなあ。食うところがねぇじゃねぇか?」
ログナカンらは完全に僕を侮っている。
こいつらが、ネウにしたことは許せない。
ここは銀獣人の姿になってでも、ネウとユーリエを守る――
と思っていた、次の瞬間だった。
後ろから、巨大な力を感じて振り返る。
ユーリエだった。
ここに溢れている緑、青、紫、茶のマナが、急速に、しかもかなり広範囲から集められている。特に青のマナが多い。
あまりの怒りがそうさせるのだろう。
ユーリエの髪が、マナに巻き上げられて中で踊っていた。そしてワンドの先のマナが、今まで見たことがないほどの光を放った。
「あなたたちは闇種族だからね。どんなことが常識なのかはわからないけれど、ネウは泣いている。怯えている。震えている。これが当たり前とは思えない。そうよね、カナク」
眉をつり上げ、瞳には怒りの炎を宿し、その口調は微かに震えていた。
「僕もそう思うよ。こいつらは許しちゃいけない。だから僕がこいつらを――」
「言ったでしょ、この連中は私がやるわ」
「!?」
言葉にすら、力が乗っている。
僕にはわかる。マナの力が、ワンドの先端で圧縮、錬成され、凄まじい力を放っていて、それが術者であるユーリエにまで及んでいた。
これが最年少天才魔導士ユーリエの、本気なんだ。
僕は二人の草人とともに胸の中のネウをぎゅっと抱き、ユーリエから距離を取った。
故にルイ・ソーンさんやヤヒロちゃんらハーフエルフは陽種族、闇種族両方から不審な目で見られてしまう。
だから、ヤヒロちゃんは僕と同じだ、と行ったんだと思う。
かつて銀獣人である僕と同じ希少種族であるフェイエルフがアレンシアに降り立った時、闇の力を受けてしまったエルフと、祝福を受けたエルフに別れたという。
それが陽種族のフォレストエルフと、闇種族のダークエルフだ。
しかし基は美男美女にして、賢く、弓矢と魔法の扱いに秀でたエルフ族なので、肌や髪の色こそ違うけれど、人間から比べると抜群の容姿を持っている。
ダークエルフは闇種族の知恵袋であり、堅い鱗に覆われたトカゲのような外見を持つログナカンや、三メルを超える巨躯で、怪力のトロルに比べると、いくらか話は通じるはずだ。
「ん……」
そんなダークエルフの女の子の意識が、戻ったようだ。
「君、だいじょうぶ?」
僕が彼女に声をかける。
「あな、たは?」
「僕はカナク、向こうにいるお転婆がユーリエ。セレンディアから旅してきた石碑巡りだよ」
次の瞬間、すこーん、となにかが後頭部を直撃した。
ユーリエのワンドだった。
「痛いっ! ちょっとユーリエ、こんなの投げて、刺さったらどうするのさ!」
「惜しかった」
「どういう意味!?」
「刺され、って祈って投げたんだけどなあ」
「祈るほどのこと!?」
「私は初めてマールに祈った」
「いや、初めてが小さすぎない!?」
「誰がお転婆よ!」
「そういうところだよ!」
「まあ酷いわ、セレンディアの司教さまに、旅の途中でカナクに、必死に拒んだのに、力ずくであんなことやこんなことをされたって――」
「すいませんでした」
腕組みするユーリエ。
すん、と頭を下げる僕。
すると横から、くすくすと笑い声がした。
「あっ、すいません。お二人は、お似合いですね」
僕とユーリエは、彼女が発したその言葉に驚いた。
「あなた、アレンシア語を?」
「はい、勉強しました。私もいつか石碑巡りをしようと思っておりましたので」
「え、えッ!?」
ダークエルフの女の子が、まだ目元に溜まっていた涙を拭って立ち上がる。
「私はネウリュミアと申します。ネウとお呼び下さい。マール聖神殿の修道士です。ディゴバ・アンダーグラウンドから、お二人を、お迎えにあがりました」
「ディゴバ・アンダーグラウンド?」
ユーリエが首をひねる。
「闇種族の間では、マールを未だに“紅の魔女”と呼び、力の象徴としてマール邪神殿を建てて崇められているんだけど、マールはその首都ディゴバに石碑を建てた。そこはディゴバ・マール聖神殿と呼ばれているんだよ」
僕が説明すると、ユーリエは逆の方向に首を捻った。
「ディゴバ・マール聖神殿? 邪神殿があるジェドの首都に、聖神殿?」
ユーリエが困惑している。
可愛い。
「まあ行けばわかると思うよ。それよりネウ、どうしてあんな姿に?」
僕の質問に、ネウは項垂れて応えた。
「あ、あはは、あたしがドジなのがいけないんです。ディゴバの聖神官さまからお二人を迎えに行くようにと頼まれたのですが、途中でログナカンらに、襲われて、しまい、まして」
「襲われるって、闇種族同士で?」
「陽種族は、陽種族同士で争わないんですか?」
ネウの言葉に、僕はぐっ、と言葉を飲み込んだ。
返す言葉が見つからない。
「でも、あんな姿にされるなんて……」
「闇種族の中では、ダークエルフって、性欲を発散するにはうってつけの相手であり、酷い時は、餌になることもあります。さっきはなんとか魔法で二体、倒せたんですが、他の仲間に捕まって……腕を落とされて……それから、それから……それから……うう……」
大きな瞳から、ぼろぼろと涙が溢れて零れる。
僕はネウを優しく抱き締めた。
「それ以上は言わなくていい。辛かったね。でも、もう大丈夫。君は僕らが守るから」
「うぅうううううああああああああああああん!」
ネウは僕の背中を両手で掴んで、胸の中で泣いた。
許せない。
相手が誰であろうと、こんな少女をあんな目に……いや、僕の想像を超える陵辱をしたに違いない。
刹那。左手にちくりと痛みが走った。
草人たちからの合図だ。
あの子たちはこの状況でも、僕らの周辺を見守ってくれていた。
「ユーリエぇ!」
僕が叫ぶ。
「わかってるわ! カナクはネウをよろしく。ここは私に任せて」
「え!?」
ものの数秒も経たないうちに、ネウが倒れていた草むらが動き、ずん、と重い音がした。
「ああん? 逃げたと思ったら、まーだこんなところにいたか」
そこに現れたのは、鱗の鎧に身を包まれ、両刃の剣を手にした二足歩行のトカゲ人間、ログナカンが二体。そして横にも縦にも大きく、深緑色の肌を持ち、頭髪がなく、獣の皮で作られた布を身体に巻いている闇種族トロルが一体、立っていた。
特に僕の胸に怒りを宿させたのは、トロルだ。
こいつの口からなにかが出ている。
口をもごもごと動かしていると思ったら……。
それは、細い腕だった。
間違いない、ネウの腕だ。
ざわ、と、怒りが腹の底から沸き起こる。
こいつらが……ネウを!
「さんざん気持ちいい思いをさせたやったのに、逃げるとはどういうことだぁ?」
「そうだぜ。きちんと礼をしてくれなきゃなあ」
「まあ、ダークエルフの肉は女でもあまり旨く……お、あああ!?」
口々に口汚い言葉を発するログナカンらが、ユーリエの姿を目に留めてその大きな目を見開いた。
「にに、人間の女だ!」
「しかも若い人間だ」
「焼いて良し、煮ても良し、生でもいけそうだな!」
「こんなところでご馳走に出会えるとはなあ。でかしたぞ、ダークエルフの女ぁ」
「ああ。続きはあっちの人間の女で、だな」
「おいおい、全部食うなよ?」
ログナカンらがけたけた笑い、好き勝手なことを言っている。
この僕がいるんだ。そんなことをさせるわけがない。
僕は左腕にネウを抱き締めつつ右手でワンドを構え、マナを集めた。
「あん? なんだこの小僧は」
「骨張ってるなあ。食うところがねぇじゃねぇか?」
ログナカンらは完全に僕を侮っている。
こいつらが、ネウにしたことは許せない。
ここは銀獣人の姿になってでも、ネウとユーリエを守る――
と思っていた、次の瞬間だった。
後ろから、巨大な力を感じて振り返る。
ユーリエだった。
ここに溢れている緑、青、紫、茶のマナが、急速に、しかもかなり広範囲から集められている。特に青のマナが多い。
あまりの怒りがそうさせるのだろう。
ユーリエの髪が、マナに巻き上げられて中で踊っていた。そしてワンドの先のマナが、今まで見たことがないほどの光を放った。
「あなたたちは闇種族だからね。どんなことが常識なのかはわからないけれど、ネウは泣いている。怯えている。震えている。これが当たり前とは思えない。そうよね、カナク」
眉をつり上げ、瞳には怒りの炎を宿し、その口調は微かに震えていた。
「僕もそう思うよ。こいつらは許しちゃいけない。だから僕がこいつらを――」
「言ったでしょ、この連中は私がやるわ」
「!?」
言葉にすら、力が乗っている。
僕にはわかる。マナの力が、ワンドの先端で圧縮、錬成され、凄まじい力を放っていて、それが術者であるユーリエにまで及んでいた。
これが最年少天才魔導士ユーリエの、本気なんだ。
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