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『八回目』と耳元で甘く囁く和真の声を最後に僕は意識を飛ばした。気づけば、母さんの内掛けを布団に横になっている。
ぴちゃ、じゅると水音が背後からして、僕の身体が氷のように固まった。
「すぐ、る…さ……。弓弦が起きる、から……これ以上は、だめ……だって」
「和真くん、……コレ、ちょうだい」
「キスだけ。これ以上は」
濃厚な口づけの水音と、いやらしい衣擦れの音が僕の耳を支配する。
僕が寝ている横で、兄さんは和真に欲情している。僕とよく似た声で、僕を愛する男にお強請りをする。
「黙って弓弦に会ったお仕置きをしている最中だよね? 弓弦には見られたくないって頑なにセックスを断って……散々、お預けにしておいて。隠れて弓弦とはセックスするとは許せない」
「ちが……話しをしたいって思って」
「話? 裏口の途中に和真くんの鞄が落ちてて、閉め切った離れから弓弦の悦ぶ声が聞こえた。これのどこが話になるの?」
バンっと何かを投げて、ぶつかる音がする。
「お仕置き。今すぐ、和真くんのコレを入れて。ねえ? 弓弦と話がしたいなら、僕の許可がいるって言ったよね? 要らないの? 許可?」
僕の耳元近くで、兄さんの呼吸が聞こえた。四つん這いになって、僕の耳元に兄さんの口がきたみたいだ。
起きてるのを悟られないように、僕は瞼を閉じたまま、寝息のような呼吸を心がける。
「和真くん、はや、く」
「優さん、もう少しこっちで」
「だめ。ここで。許可が要らないなら、和真くんのシタいところでもいいよ」
「……わかり、ました」
「んぅ、あっ……いい、はああ、んんぅ、か、ず、ま……くん、気持ちいい」
ぐちゅという挿入のときの水音と、兄さんの興奮した息遣いと甘い声が耳元でする。
やめて。なんで僕の耳に声をかけるの?
兄さんの荒い呼吸が、首すじにかかって嫌でも感じてしまう。
「ん、あっ……あっ、あ……なんで、奥まで入れないの? 弓弦が気になる?」
「弓弦の耳元で喘がれたら……起きるから」
くすくすっと兄さんが楽しそうに笑いだす。
「気づいてないの? 鈍感……弓弦ならとっくに起きてる。ね、弓弦」
そう言って兄さんが、僕の耳を舐め始めた。わざと大袈裟に水音をたててから、「弓弦にもお仕置きね。ここで和真くんの愛を見てて」と囁かれた。
「……いっ……!」
ガリっと兄さんに首筋を噛まれた。肉を食いちぎられるんじゃないか……と思うほどの痛みに僕は「ああああっ!」と雄たけびをあげていた。
思考力を奪う首の熱い痛みに、兄さんの喘ぎ声が耳元でする。
「和真くん、キスして」
兄さんの命令に、和真が振り返る兄さんの唇を奪う。僕とセックスしていたときのようなキスとは違う甘くて濃厚なキスだ。
二人の口腔内の液体が交じり合い、僕の頬に垂れてくる。
「弓弦、零さずに飲んで」
「……え?」
「大好きな和真の液体、飲めるよね?」
「優さん、それは……」
唇を離した和真の顔が歪む。
「弓弦、兄さんと和真の涎を飲めるよね?」
「……ん、ふぅ」
僕は身体を少し起こすと、兄さんの濡れた唇と顎を、舌を出して舐めた。
「そう、いい子だね。和真の味はどう?」
「和真の……おいしい。もっと、ほしい。和真、兄さんにキスして」
ニヤリと兄さんが口元を緩めて笑う。
「和真くん、キスして」
兄さんと和真がキスを始めると、僕は兄さんの顎を伝う汁を一生懸命に舐めた。
もう、何も考えたくない。
兄さんを愛する和真のおこぼれを、兄さんからもらえるなら僕はなんでもする。
「和真、もっと……ちょうだい」
僕は自ら闇に墜ちた。
兄さんの一番を譲る生活から、兄に愛の欠片を貰えるように媚びる犬に――。
和真の愛を貰えるなら、それでもいいと思ったから。
セックスを終えた兄さんに命令される。中出しした和真の精液を舐めろ、と。僕は兄さんの孔から流れる白い液をこぼさずにキレイにした。
ぴちゃ、じゅると水音が背後からして、僕の身体が氷のように固まった。
「すぐ、る…さ……。弓弦が起きる、から……これ以上は、だめ……だって」
「和真くん、……コレ、ちょうだい」
「キスだけ。これ以上は」
濃厚な口づけの水音と、いやらしい衣擦れの音が僕の耳を支配する。
僕が寝ている横で、兄さんは和真に欲情している。僕とよく似た声で、僕を愛する男にお強請りをする。
「黙って弓弦に会ったお仕置きをしている最中だよね? 弓弦には見られたくないって頑なにセックスを断って……散々、お預けにしておいて。隠れて弓弦とはセックスするとは許せない」
「ちが……話しをしたいって思って」
「話? 裏口の途中に和真くんの鞄が落ちてて、閉め切った離れから弓弦の悦ぶ声が聞こえた。これのどこが話になるの?」
バンっと何かを投げて、ぶつかる音がする。
「お仕置き。今すぐ、和真くんのコレを入れて。ねえ? 弓弦と話がしたいなら、僕の許可がいるって言ったよね? 要らないの? 許可?」
僕の耳元近くで、兄さんの呼吸が聞こえた。四つん這いになって、僕の耳元に兄さんの口がきたみたいだ。
起きてるのを悟られないように、僕は瞼を閉じたまま、寝息のような呼吸を心がける。
「和真くん、はや、く」
「優さん、もう少しこっちで」
「だめ。ここで。許可が要らないなら、和真くんのシタいところでもいいよ」
「……わかり、ました」
「んぅ、あっ……いい、はああ、んんぅ、か、ず、ま……くん、気持ちいい」
ぐちゅという挿入のときの水音と、兄さんの興奮した息遣いと甘い声が耳元でする。
やめて。なんで僕の耳に声をかけるの?
兄さんの荒い呼吸が、首すじにかかって嫌でも感じてしまう。
「ん、あっ……あっ、あ……なんで、奥まで入れないの? 弓弦が気になる?」
「弓弦の耳元で喘がれたら……起きるから」
くすくすっと兄さんが楽しそうに笑いだす。
「気づいてないの? 鈍感……弓弦ならとっくに起きてる。ね、弓弦」
そう言って兄さんが、僕の耳を舐め始めた。わざと大袈裟に水音をたててから、「弓弦にもお仕置きね。ここで和真くんの愛を見てて」と囁かれた。
「……いっ……!」
ガリっと兄さんに首筋を噛まれた。肉を食いちぎられるんじゃないか……と思うほどの痛みに僕は「ああああっ!」と雄たけびをあげていた。
思考力を奪う首の熱い痛みに、兄さんの喘ぎ声が耳元でする。
「和真くん、キスして」
兄さんの命令に、和真が振り返る兄さんの唇を奪う。僕とセックスしていたときのようなキスとは違う甘くて濃厚なキスだ。
二人の口腔内の液体が交じり合い、僕の頬に垂れてくる。
「弓弦、零さずに飲んで」
「……え?」
「大好きな和真の液体、飲めるよね?」
「優さん、それは……」
唇を離した和真の顔が歪む。
「弓弦、兄さんと和真の涎を飲めるよね?」
「……ん、ふぅ」
僕は身体を少し起こすと、兄さんの濡れた唇と顎を、舌を出して舐めた。
「そう、いい子だね。和真の味はどう?」
「和真の……おいしい。もっと、ほしい。和真、兄さんにキスして」
ニヤリと兄さんが口元を緩めて笑う。
「和真くん、キスして」
兄さんと和真がキスを始めると、僕は兄さんの顎を伝う汁を一生懸命に舐めた。
もう、何も考えたくない。
兄さんを愛する和真のおこぼれを、兄さんからもらえるなら僕はなんでもする。
「和真、もっと……ちょうだい」
僕は自ら闇に墜ちた。
兄さんの一番を譲る生活から、兄に愛の欠片を貰えるように媚びる犬に――。
和真の愛を貰えるなら、それでもいいと思ったから。
セックスを終えた兄さんに命令される。中出しした和真の精液を舐めろ、と。僕は兄さんの孔から流れる白い液をこぼさずにキレイにした。
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