悪役義兄は愛から逃げられない ~逃げ続ける転生オメガと一途な義弟侯爵の執着~

ひなた翠

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第三章:鉄格子の内側に咲く、秘められた薔薇

愛執の牢獄

 窓に手をかけた瞬間、背後で裏口が凄まじい音を立てて破られた。

 室内へなだれ込んできた家臣たちが、逃げ道を塞ぐように立ちはだかる。ユリウスはすでに半身ほど窓の外へ身を乗り出していたが、無慈悲な力で背中を掴まれ、無様に室内へと引き戻された。

 そのまま硬い床に叩きつけられ、両腕を背後で厳しく拘束される。冷たい石畳の感触が膝に食い込み、鈍い痛みが走った。顔を上げると、十年かけて一つひとつ揃えてきた大切な蒸留瓶やガラス管が床に散乱し、軍靴に踏みにじられて木端微塵に砕け散っていた。

「大人しくしろ、この魔女め」

 家臣の一人が低く威圧的な声で言い放ち、ユリウスの肩をさらに強く押さえつける。屈辱に耐えながら膝をつかされたまま、ユリウスはゆっくりと顔を上げた。

 玄関の扉が静かに開かれ、イグニスが室内へと足を踏み入れてきた。

 間近で対峙する彼は、遠目に見たときよりも一層、見知らぬ他人のように思えた。背は高く伸び、肩幅は逞しく広がり、その立ち姿には揺るぎのない支配者の威圧感が宿っている。侯爵の軍服を隙なく纏ったその体躯は、かつての幼い少年の面影を完全に飲み込み、塗り替えていた。

 金色の瞳が、冷徹な光を湛えてまっすぐにユリウスを見下ろしている。その双眸に、かつてユリウスの膝で安らかに眠っていたあの頃の柔らかさは、微塵も残っていなかった。

「久しぶりだね、義兄さん」

 低く、感情の起伏を排した声だった。その一言が、十年というあまりに長い空白を、残酷なほどあっさりと飛び越えてくる。ユリウスは唇を震わせ、返す言葉を失った。

「何の用だ……。魔女狩りなら人違いだ。僕は――」
「しらばくれても無駄だ。怪しげな術を使い、証拠となる品を作っているのは明白だ」

 ユリウスの反論を遮り、イグニスが静かに、だが断定的に告げる。

「僕は、魔女などではない」
(……知っているはずだろう)

 十年前、あの植物園で共に過ごした日々。自分が作る香水の香りが好きだと、膝枕をせがみながら微笑んでいたではないか。香水が魔法などではなく、地道な調合によるものだと、イグニスが知らないはずがないのだ。

 だというのに、目の前の男の凍てついた顔には、そんな温かな記憶の欠片も、情愛の色も見えなかった。

 さらに口を開きかけた瞬間、背後から押さえつける家臣の力が強まり、言葉が喉の奥で潰された。膝に全体重がかかり、姿勢を保つことさえ精一杯になる。

 じっと射抜くように見下ろしてくるイグニスの視線が、冬の月よりも冷たく光る。ユリウスはそのあまりの冷気に耐えかねて目を逸らした。すると、視界の端でイグニスの眉間に微かな皺が寄るのが見えた。

 刹那、小さく舌打ちする音が響いた。

 次の瞬間、ユリウスの顎が強い力で掴み上げられ、無理やり上を向かされた。食い込む指の力は逃れようもなく強く、強制的に視線を合わせさせられる。

「この領地を統治する身として、魔女の疑いがある者は徹底的に糾明する必要がある。例えそれが身内であろうとな」
「……僕は、魔女ではないと言っている」

「証拠があると言っただろ」
「だから――っ!」

 否定しきろうとする前に、背後から激しい衝撃が走った。鈍い音が頭の中に響き渡り、世界がぐらりと傾く。膝が床を叩く高い音がして、視界が白く揺れた。

 だが直後、自分ではない男の苦悶に満ちたうめき声が耳に届いた。

 薄く目を開けると、先ほどユリウスを殴打した家臣が、床に無様に転がっていた。傍らでは、イグニスがゆっくりと腕を下ろすところだった。仮面のように無機質だったその顔が、一瞬だけ激昂に近い色に染まった気がしたが、彼はすぐに元の無表情へと戻った。

「捕らえろと命じただけだ。誰が殴っていいと言った」

 底冷えのする静かな声。倒れ込んだ家臣が「申し訳ありません!」と必死に床に額を擦り付ける。イグニスはそれを冷淡に一瞥すると、再びユリウスへと視線を戻した。

「……公爵家の長男が魔女であったなどと世間に知れては、一族の不名誉だ」

 ユリウスは朦朧とする意識の中で顔を上げた。イグニスの言葉の意味が、すぐには理解できなかった。「公爵家の長男」という、とうに捨て去ったはずの肩書きが自分を指しているのだと気づくまでに、奇妙なタイムラグが生じる。

「義兄さんはこの先一生、屋敷の外に出ることを禁じる。二度と、俺の目の届かない場所へは行かせない」
「――え……?」

 一生、という言葉が、重い鉛のように頭の中に沈んでいく。

 魔女狩りはただの口実だったのか。それとも、本気で自分を魔女だと断じているのか。どちらにせよ、突きつけられた「終身監禁」という宣告の重さは変わらない。膝のズキズキとした痛みが、その言葉の残酷さを鮮明に浮き彫りにしていた。

 イグニスが一歩、前へと踏み出した。膝をついたままのユリウスの前で優雅に腰を折り、耳元へと唇を近づけてくる。視界を覆う艶やかな黒髪と、耳元を掠める熱い吐息。家臣たちの存在が、その瞬間だけ遠い世界の出来事のように感じられた。

「義兄さん。……もう二度と、逃がさないから」

 その囁きは、驚くほど静かで、どこか慈しむような響きさえ含んでいた。

 反射的に顔を向けると、至近距離でイグニスが微笑んでいた。それは決してかつての柔らかな笑みではなく、獲物を完全に追い詰めたことを確信した、静謐で恐ろしい笑みだった。

 ユリウスの背筋を、真冬の夜風のような寒気が走り抜ける。何かを言い返さなければならないという焦燥と、あまりの威圧感に声が出ないという絶望が同時に押し寄せ、ただ酸素を求めて口端を震わせることしかできなかった。

 イグニスがゆっくりと身体を起こした。僅かに乱れた軍服の襟元を、指先で丁寧に、完璧なまでに整える。そして、後ろに控えていた家臣たちへ、短く指示を投げた。

「連れて行け」


     ◇◇◇


 レイド侯爵家の屋敷は、驚くほどに十年前の記憶のままだった。

 重厚な正門を通り、細かな砂利を踏みしめて玄関へと続く道を歩かされながら、ユリウスは左右に広がる庭園に目を向けた。かつて慈しんだ植物園の温室の硝子が、午後の斜光を跳ね返して白く冷たく光っている。

 ラベンダーが群生していた場所には、今は別の低木が整然と植えられていた。誰かが絶えず手を入れ、守り続けてきたことが一目で分かる。あの朝、引き出しの奥に残してきた鍵を、誰かが使ったのだろうか。庭の木々は色づき始め、秋の風が砂利の上を渡っては、枯れ葉を一枚、また一枚と静かに揺らしていた。

 屋敷の奥へと連れ込まれ、高い天井の廊下を歩かされる。

 石造りの壁、冬の気配を孕んだ冷たい空気。記憶にあるよりも、建物が少しだけ狭く感じられた。この十年の間にユリウスの身体が成長したのか、それともかつて抱いていた巨大な恐怖が、現実の姿となって縮小したのか、判断はつかなかった。

 すれ違う使用人たちが、深々と頭を下げる。見知らぬ顔ばかりなのは、十年という月日が彼らを入れ替えさせたからだろう。

 案内されたのは、かつてユリウスが私室として使っていた部屋だった。
 扉が開かれ、中へ踏み出した瞬間、ユリウスの足が凍りついた。

 調度品の配置、文机の角度、棚の並び。それどころか、窓辺を飾るカーテンの色までもが、あの日と全く変わっていない。埃一つ落ちていない室内は、この部屋が十年間、持ち主の帰りを待つかのように定期的に掃除され、維持されてきたことを無言で物語っていた。

 棚の上には、ユリウスが置いていった小瓶がそのまま並んでいる。蓋を閉ざしたままの、空の瓶が三本。

 捨てられることもなく、時を止めたままここに存在し続けていたという事実に、得体の知れない熱がじわりと胸の奥に染み込んでいく。

 だが、室内を見回していたユリウスの視線は、ある異変に釘付けになった。
 窓の向こう側に、鈍い光を放つ黒い鉄格子が嵌められていたのだ。

 以前はなかったはずの、冷酷な鉄の棒。格子越しに見える庭の青空は、細い長方形に無惨に区切られている。

(……牢だ)

 ここは、部屋の形をした牢獄なのだ。懐かしい調度品も、大切に保管されていた小瓶も、すべてはこの鉄格子を正当化するための装飾に過ぎない。この空間に凝縮された、執拗なまでの執念。ユリウスは奇妙な浮遊感を覚えた。

 背後で扉が閉まり、重々しい錠の落ちる音が室内に響き渡る。

 ユリウスは吸い寄せられるように窓辺へ寄り、鉄格子に手を触れた。指先から伝わる金属の冷たさは、容赦なく現実を突きつけてくる。格子の向こうで、色づいた木の葉が風に遊んでいた。

 独房へ送られる未来を避けようとして屋敷を飛び出したはずなのに、戻ってきた場所には、より強固な檻が用意されていた。耳元で囁かれたあの声が、今も鼓膜を震わせている。

「逃がさない」

 その言葉が、鉄格子の冷たさと混ざり合い、腕を伝って全身へと広がっていく。部屋を満たす沈黙が、一層深くなった。

 夕暮れの茜色が格子越しに差し込み、床に鉄格子の細長い影を等間隔に描いている。

 あの日置き去りにした義弟が、この十年間、絶望的な熱量で自分を探し続けていた。その事実と、今しがた告げられた宣言が、胸の中で静かに、そして重く重なり合う。

 ユリウスはそれを論理的な思考として結びつけることを拒むように、ただ床に伸びる格子の影を凝視していた。屋敷の夜が刻一刻と深まる中、鉄の冷たさを手のひらに感じながら、彼はそこに立ち尽くし続けた。

 窓の外が深い夕闇に呑み込まれ始めた頃、再び扉の鍵が外れる鋭い音がした。

 ベッドに腰を下ろしていたユリウスが顔を上げると、そこには夕食の盆を手にしたイグニスが立っていた。昼間と変わらぬ隙のない軍服姿。一分の乱れもない襟や袖口を見て、ユリウスは不意に、かつての記憶を呼び覚まされた。

『今日からイグニスは侯爵家の子だ。服の乱れに気を付けるように』

(……そんな言葉を、まだ守っているのか)

 注意した本人が逃亡生活でくたびれた服を纏っているというのに、教えられた側がそれを完璧に体現している皮肉。何とも言えない奇妙な感慨が胸を衝いた。

 イグニスは無言のまま、テーブルの上に盆を置いた。ユリウスは重い沈黙を破り、口を開く。

「……僕は、魔女ではない」
「知っている」

 迷いのない、即答だった。ユリウスは数秒の間を置き、絞り出すように続けた。

「なら、どうして魔女狩りなどという名目で僕を捕らえた。あんな大掛かりな真似までして……」
「そうでもしなければ、兄さんは決してここへは戻らないだろう?」

 イグニスがベッドの端に、静かな動作で腰を下ろした。
 ユリウスとの間に一定の距離を保ちながらも、その金色の瞳は逃れようもなくこちらを射抜いている。

「兄さんが、この屋敷を出ようと画策していたのは知っていた。俺が眠っていると思って、独り言を漏らしていたからね」

 剣術の稽古に疲れ、膝枕でまどろんでいたあの午後の光景が脳裏を過る。

 どうしても腕を離そうとせず、甘えていたあの日。あの時からすでに、彼はすべてを聞いていたのか。背筋に冷たい震えが走った。

「あれは……もっと、ずっと先のことだと思っていたんだ」
「けれど、兄さんはあの日、唐突にいなくなった」

 正確には追い出されたのだが、幼いイグニスにとって、理由はどうあれ「ユリウスが消えた」という事実に変わりはないのだろう。ユリウスは小さく溜息を吐き、視線を落とした。

「……それは、悪かったと思っている」
「本当に悪いと思っているのなら。これからはずっと、俺の傍にいて」

「それは無理だ」
「なぜ」

「ここは、君の屋敷だ。イグニス。君がいずれ結婚し、新しい家族ができれば、僕のような余所者がいつまでも居座るわけにはいかないだろう」
「結婚など、しない」

 イグニスがぴしゃりと言い切った。

 不機嫌そうに、僅かに口角を下げた彼は、そのまま一歩詰め寄るようにしてユリウスをベッドへと押し倒した。
 視界が反転し、仰向けになったユリウスの上に、軍服を纏った重い体躯が覆いかぶさる。

「この屋敷で、義兄さんと二人、永遠に暮らすんだ。誰にも邪魔はさせない」
「何を、言って……っ」
「今夜、義兄さんを抱くよ」

 耳元で、甘く、けれど拒絶を許さない温度で囁かれた。

 ユリウスが衝撃に言葉を失っている間に、イグニスは事も無げに身体を起こし、立ち上がった。軍服の襟元を僅かに指で整えると、テーブルの盆へと視線を向ける。

「夕食、ちゃんと食べて。冷めないうちに」
 それだけを言い残し、彼は部屋を後にした。

 扉が閉まり、再び重苦しい錠の音が部屋に響く。

 ユリウスはベッドの上で、しばらくの間、指一本動かすことができなかった。盆の上の料理からは細い湯気が立ち上り、青白い夕闇の中に溶けて消えていく。

「今夜」という言葉の残響が、いつまでも耳の奥で、警鐘のように鳴り響いていた。
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