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ここは存在する"メリディ" の最上国 "トランペリド"
そこで少女はいつものように"メリディ" を眺めていた
「ねえ、君はどうしていつも"メリディ"を見てるの?」
いつもと違ったのは少年が話しかけてきたこと。
ずっと階段を見続けている自分を馬鹿にする訳ではなく、ただ純粋に理由が知りたいと語りかける瞳に少女も答えた
「……私は知りたいの。
下の国々のことや地上のこと、他種族の姿にこの世界の形。
知りたいことで溢れてる。
貴方は不思議じゃないの?ここが天上であると伝えられているけれど、下からみたこの国がどういう風に見えるか。
何も分からないまま本の話を丸呑みにして疑問に思わずに終わりたくないの、だから私は"メリディ"を見てるの」
どこか遠くを見つめるように話す少女に少年は呆けた顔をしたけれど、すぐに気を取り戻して少し興奮したように話しかけてきた
「そんなこと考えたことなかった!
俺、今までずっと毎日同じような日々を繰り返すばかりだったから!」
"トランペリド"はよくも悪くも平和。とても平凡で豊かで何もない。
毎日同じ時間に起きてご飯を食べて家のために手伝いをして、興味がある子は勉学を学ぶ。
時間が空いた時は手伝いで貯めたお小遣いで店で甘味などの娯楽物を買う。
そんな変わらない日々を繰り返すのが彼らの普通
「私は成人したら絶対に"メリディ" を降りて世界を見に行く、そして地上に立つ。」
そう強く宣言した少女に、少年は目を輝かせた。
「お、俺も連れてって!
俺だって世界を見れるなら行きたい!」
体全体で意思表示をするかのように必死になっている少年に、そんな反応をしたのが初めてだった少女は笑みをこぼした
「……貴方は馬鹿女の空想、絵空事だなんて言わないのね。いつかみれたらいいな…。
ねえ、名前なんていうの?」
「俺は タクト よろしく!絶対見るんだって、俺と行くんだから!」
「私はコア。うん、行こう」
出会った2人は約束をした。
お互い今が12歳、三年後のこの日またここで会おう。そして世界を一緒に見に行く約束を………
三年後
「コア、忘れてないよなー…」
身長も昔より遥かにのび、オレンジに近い茶髪と深緑の瞳、顔立ちも整った少年タクトが"メリディ"に座って少女コアをぼんやりと待っていた。
かれこれ数時間は待った身としては、暇で退屈でしょうがなかった。
そんな時、遠くから人が走る足音が聞こえてきた。
大量に。
「タクトッ!!」
その先頭を走るのはコアで、青みがかった白銀の長い髪に青の瞳、昔より背はのび美しく育っていた。
だが、それよりも気になるのはその後ろを走るたくさんの人々だった。
「え、なに。どういうこと?え?」
混乱した頭で上手く考えることができず、近づいてくる集団を見ることしかタクトにはできなかった
「お嬢様ーーーー!地上になんて向かおうとしないでくださいーーー!」
「跡取りは貴方しかいないのですーー!」
そんな叫び声が集団の中から聞こえ、混乱した頭も少し冷えた。
その冷えた頭ででた答えは少々不味いもので
「も、もしかして………領主の娘!?」
領主が一人娘である子供を溺愛しているのは有名な話で、タクトは冷や汗が止まらなかった
「そうよ!でも、私は世界をもっとこの目でみたいの、広げたいの!」
もう目の前に集団が迫ってどうしようかと考えようとしたとき、首のほうがグンッと引っ張られタクトはそのまま"メリディ" の階段のほうへ傾いた
「へ?」
「行こう!!」
コアに服の襟首をがっしりと掴まれ、2人はそのまま"メリディ"を下っていった
「お嬢様ーーーー!」
声が上から聞こえるが、そんなものは知らないと言わんばかりにコアは無視していった
「ちょっ!ちょっともう離して!」
「あ、掴みっぱなしだったよね。ごめん」
こんな始まりになるとは予測もしていなかったけれど、2人の少年少女の世界を知るための旅が始まった
そこで少女はいつものように"メリディ" を眺めていた
「ねえ、君はどうしていつも"メリディ"を見てるの?」
いつもと違ったのは少年が話しかけてきたこと。
ずっと階段を見続けている自分を馬鹿にする訳ではなく、ただ純粋に理由が知りたいと語りかける瞳に少女も答えた
「……私は知りたいの。
下の国々のことや地上のこと、他種族の姿にこの世界の形。
知りたいことで溢れてる。
貴方は不思議じゃないの?ここが天上であると伝えられているけれど、下からみたこの国がどういう風に見えるか。
何も分からないまま本の話を丸呑みにして疑問に思わずに終わりたくないの、だから私は"メリディ"を見てるの」
どこか遠くを見つめるように話す少女に少年は呆けた顔をしたけれど、すぐに気を取り戻して少し興奮したように話しかけてきた
「そんなこと考えたことなかった!
俺、今までずっと毎日同じような日々を繰り返すばかりだったから!」
"トランペリド"はよくも悪くも平和。とても平凡で豊かで何もない。
毎日同じ時間に起きてご飯を食べて家のために手伝いをして、興味がある子は勉学を学ぶ。
時間が空いた時は手伝いで貯めたお小遣いで店で甘味などの娯楽物を買う。
そんな変わらない日々を繰り返すのが彼らの普通
「私は成人したら絶対に"メリディ" を降りて世界を見に行く、そして地上に立つ。」
そう強く宣言した少女に、少年は目を輝かせた。
「お、俺も連れてって!
俺だって世界を見れるなら行きたい!」
体全体で意思表示をするかのように必死になっている少年に、そんな反応をしたのが初めてだった少女は笑みをこぼした
「……貴方は馬鹿女の空想、絵空事だなんて言わないのね。いつかみれたらいいな…。
ねえ、名前なんていうの?」
「俺は タクト よろしく!絶対見るんだって、俺と行くんだから!」
「私はコア。うん、行こう」
出会った2人は約束をした。
お互い今が12歳、三年後のこの日またここで会おう。そして世界を一緒に見に行く約束を………
三年後
「コア、忘れてないよなー…」
身長も昔より遥かにのび、オレンジに近い茶髪と深緑の瞳、顔立ちも整った少年タクトが"メリディ"に座って少女コアをぼんやりと待っていた。
かれこれ数時間は待った身としては、暇で退屈でしょうがなかった。
そんな時、遠くから人が走る足音が聞こえてきた。
大量に。
「タクトッ!!」
その先頭を走るのはコアで、青みがかった白銀の長い髪に青の瞳、昔より背はのび美しく育っていた。
だが、それよりも気になるのはその後ろを走るたくさんの人々だった。
「え、なに。どういうこと?え?」
混乱した頭で上手く考えることができず、近づいてくる集団を見ることしかタクトにはできなかった
「お嬢様ーーーー!地上になんて向かおうとしないでくださいーーー!」
「跡取りは貴方しかいないのですーー!」
そんな叫び声が集団の中から聞こえ、混乱した頭も少し冷えた。
その冷えた頭ででた答えは少々不味いもので
「も、もしかして………領主の娘!?」
領主が一人娘である子供を溺愛しているのは有名な話で、タクトは冷や汗が止まらなかった
「そうよ!でも、私は世界をもっとこの目でみたいの、広げたいの!」
もう目の前に集団が迫ってどうしようかと考えようとしたとき、首のほうがグンッと引っ張られタクトはそのまま"メリディ" の階段のほうへ傾いた
「へ?」
「行こう!!」
コアに服の襟首をがっしりと掴まれ、2人はそのまま"メリディ"を下っていった
「お嬢様ーーーー!」
声が上から聞こえるが、そんなものは知らないと言わんばかりにコアは無視していった
「ちょっ!ちょっともう離して!」
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