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3章 青春恋物語
青春恋物語3-26
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一哉side
顧問の外泊許可が出たことで
俺は七瀬の家に2.3日滞在することになった。
『(怪我した上に皆にまた迷惑かけるのか…最低だな俺…)』
そんなことを思いながら七瀬が
公園に向かっていくのを見つめていた。
七瀬の向かう先にはメンバー達がいる。
だが…メンバーのようすがおかしい。
俺『寺田先生…すいません…俺も公園に連れてってもらっていいですか?』
顧問『あぁ、わかった。待ってろ。』
先生は俺の座る席側のドアを開けて
俺に肩を貸してくれた。
俺はゆっくりと皆の元へ寄っていった
しかし…声が聞こえてきて立ち止まった。
美月『私が合宿やろうなんて言わなければ…』
瑠夏『私が…一哉に怪我を…』
将太『美月…瑠夏……まだ終わってないだろ…』
美月『え…?』
将太『俺らが3人で本戦を勝ち取る。
…そーすれば一哉は不十分じゃなくても出ることができる!』
それを聞いた瑠夏が反論する。
瑠夏『今すぐ手術できなかったらそれも叶わないんだよ!大体…一哉に頼って勝ってきた将太達が勝てるわけないじゃん…』
勇紀『山下先輩…』
蓮『でも…自分と勇紀が頑張れば勝てます!将太先輩は代役まで強くなれるんですから!!!西野先輩が怪我で苦しんでるのに元気な僕らが…諦めてたら
先輩に顔向けできません!』
瑠夏『…』
美月『蓮…』
瑠夏『私は…一哉の…一哉の夢を私は奪った…私に柔道を続ける資格なんてないよ…』
美月『瑠夏!それは違うよ…!!違うよ…』
その会話を聞いていた俺は…
悔しくてたまらなかった。
俺が動くより先に…七瀬が口を開いた。
七瀬『…皆、なんでそんな弱気なの?』
瑠夏『マネージャーにはわかんないよ…所詮…選手の気持ちなんて…』
七瀬『マネージャーだからこそいってるの。一哉は…ずっと皆と本戦に…
行きたいってずっといってたんだよ…
男子だけが大会で結果残しても意味ない…皆でいくから価値があるってずっといってたんだよ…。
だから、合宿で私や瑠夏や美月が怪我したり、倒れた時は自分のこと…全て後回しで必死に世話をしてくれた!
なのに…怪我をした一哉を見て…皆は…
私達は泣いて自分を責めることしかしてないじゃない!他にできることはないの!?泣くより先にできることがあるでしょ!?』
それを言っている時の七瀬は…
いつもの優しい七瀬ではなかった。
瑠夏『…』
泣いている瑠夏の元へ…俺は…顧問の肩を借りずに近付いた。
瑠夏『…一哉……』
美月『一哉…無理しちゃだめだよ…』
俺『泣くなよ…俺だってつらくても泣いてないんだよ?怪我して…柔道できるかわかんない状態の俺が…こんなに笑ってるのに…元気なお前らがなんで泣くんだよ…』
俺は…自分にできる精一杯の笑顔で言っていた。
それを見た七瀬は可笑しそうに
七瀬『一哉笑えてないよ…』と笑った。
俺『うるせ…皆、ありがとな…俺のためにそんな泣いてくれて…』
一同『…』
俺『将太…お前なら俺の代わりに
こいつらを本戦に連れてけるだろ?
俺がいなきゃ勝てないなんてそんな
みっともないことしないよな?』
将太『…当たり前だろ…俺がお前の分まで勝ってお前に本戦出場権くれてやるよ…』
俺『蓮、勇紀?俺や将太がこう言っても…沢木さんの言う無理を信じるのか?』
2人『…』
勇紀『俺はやりますよ…絶対勝ちます。
負けたら…俺が練習してきた意味がないですから。』
蓮『先輩…勇紀…じゃ…僕が弱いままじゃだめですね。やりますよ?当然じゃないですか。』
俺はこいつらなら大丈夫と信じている。
俺『瑠夏…怪我は瑠夏のせいじゃない。予想外の展開に落ち着いて対応できなかった…俺のミスだよ?…だから自分を責めないで?…』
『美月、美月もだよ?合宿をしなきゃよかった?…そんなことないよ。
だって…合宿のおかげで皆の意識が上がって強くなったのは確かだよね?
2人は…俺がいない男子が本戦でるのに
2人とも揃ってる女子は観客席にいたいの?』
美月『…観客席?そんなの必要ないじゃん』
俺『え?』
美月『私達は本戦にでる。当たり前でしょ?私と瑠夏が逃すわけないじゃん…ね…瑠夏!』
瑠夏『…一哉…ごめん。私達が諦めたらそれこそ夢を奪っちゃうよね…。
私達は本戦を男女揃って勝ち取る。
だから…一哉も怪我を1早く治してね?』
俺『あぁ。当たり前だ。
こんな怪我すぐにでも治すよ。
しばらく…部活は休むけど練習しててくれよな。必ず治してそこに戻るから。』
将太『おう!西野…帰ってきてもお前の場所は俺がもらうから居場所ないかもしれないぞ』
俺『お前なんか片足使えなくても勝てるからそれは…心配してない』
将太『あ…あぁ!?』
美月『よし…皆泣くのはおわりだよ。
行くよ!インターハイ本戦!!!』
一同『おう!!!』
皆の元気が…笑顔が戻った。
『(皆ごめん…絶対戻るからな…)』
俺は心でそう誓った。
27話へつづく
顧問の外泊許可が出たことで
俺は七瀬の家に2.3日滞在することになった。
『(怪我した上に皆にまた迷惑かけるのか…最低だな俺…)』
そんなことを思いながら七瀬が
公園に向かっていくのを見つめていた。
七瀬の向かう先にはメンバー達がいる。
だが…メンバーのようすがおかしい。
俺『寺田先生…すいません…俺も公園に連れてってもらっていいですか?』
顧問『あぁ、わかった。待ってろ。』
先生は俺の座る席側のドアを開けて
俺に肩を貸してくれた。
俺はゆっくりと皆の元へ寄っていった
しかし…声が聞こえてきて立ち止まった。
美月『私が合宿やろうなんて言わなければ…』
瑠夏『私が…一哉に怪我を…』
将太『美月…瑠夏……まだ終わってないだろ…』
美月『え…?』
将太『俺らが3人で本戦を勝ち取る。
…そーすれば一哉は不十分じゃなくても出ることができる!』
それを聞いた瑠夏が反論する。
瑠夏『今すぐ手術できなかったらそれも叶わないんだよ!大体…一哉に頼って勝ってきた将太達が勝てるわけないじゃん…』
勇紀『山下先輩…』
蓮『でも…自分と勇紀が頑張れば勝てます!将太先輩は代役まで強くなれるんですから!!!西野先輩が怪我で苦しんでるのに元気な僕らが…諦めてたら
先輩に顔向けできません!』
瑠夏『…』
美月『蓮…』
瑠夏『私は…一哉の…一哉の夢を私は奪った…私に柔道を続ける資格なんてないよ…』
美月『瑠夏!それは違うよ…!!違うよ…』
その会話を聞いていた俺は…
悔しくてたまらなかった。
俺が動くより先に…七瀬が口を開いた。
七瀬『…皆、なんでそんな弱気なの?』
瑠夏『マネージャーにはわかんないよ…所詮…選手の気持ちなんて…』
七瀬『マネージャーだからこそいってるの。一哉は…ずっと皆と本戦に…
行きたいってずっといってたんだよ…
男子だけが大会で結果残しても意味ない…皆でいくから価値があるってずっといってたんだよ…。
だから、合宿で私や瑠夏や美月が怪我したり、倒れた時は自分のこと…全て後回しで必死に世話をしてくれた!
なのに…怪我をした一哉を見て…皆は…
私達は泣いて自分を責めることしかしてないじゃない!他にできることはないの!?泣くより先にできることがあるでしょ!?』
それを言っている時の七瀬は…
いつもの優しい七瀬ではなかった。
瑠夏『…』
泣いている瑠夏の元へ…俺は…顧問の肩を借りずに近付いた。
瑠夏『…一哉……』
美月『一哉…無理しちゃだめだよ…』
俺『泣くなよ…俺だってつらくても泣いてないんだよ?怪我して…柔道できるかわかんない状態の俺が…こんなに笑ってるのに…元気なお前らがなんで泣くんだよ…』
俺は…自分にできる精一杯の笑顔で言っていた。
それを見た七瀬は可笑しそうに
七瀬『一哉笑えてないよ…』と笑った。
俺『うるせ…皆、ありがとな…俺のためにそんな泣いてくれて…』
一同『…』
俺『将太…お前なら俺の代わりに
こいつらを本戦に連れてけるだろ?
俺がいなきゃ勝てないなんてそんな
みっともないことしないよな?』
将太『…当たり前だろ…俺がお前の分まで勝ってお前に本戦出場権くれてやるよ…』
俺『蓮、勇紀?俺や将太がこう言っても…沢木さんの言う無理を信じるのか?』
2人『…』
勇紀『俺はやりますよ…絶対勝ちます。
負けたら…俺が練習してきた意味がないですから。』
蓮『先輩…勇紀…じゃ…僕が弱いままじゃだめですね。やりますよ?当然じゃないですか。』
俺はこいつらなら大丈夫と信じている。
俺『瑠夏…怪我は瑠夏のせいじゃない。予想外の展開に落ち着いて対応できなかった…俺のミスだよ?…だから自分を責めないで?…』
『美月、美月もだよ?合宿をしなきゃよかった?…そんなことないよ。
だって…合宿のおかげで皆の意識が上がって強くなったのは確かだよね?
2人は…俺がいない男子が本戦でるのに
2人とも揃ってる女子は観客席にいたいの?』
美月『…観客席?そんなの必要ないじゃん』
俺『え?』
美月『私達は本戦にでる。当たり前でしょ?私と瑠夏が逃すわけないじゃん…ね…瑠夏!』
瑠夏『…一哉…ごめん。私達が諦めたらそれこそ夢を奪っちゃうよね…。
私達は本戦を男女揃って勝ち取る。
だから…一哉も怪我を1早く治してね?』
俺『あぁ。当たり前だ。
こんな怪我すぐにでも治すよ。
しばらく…部活は休むけど練習しててくれよな。必ず治してそこに戻るから。』
将太『おう!西野…帰ってきてもお前の場所は俺がもらうから居場所ないかもしれないぞ』
俺『お前なんか片足使えなくても勝てるからそれは…心配してない』
将太『あ…あぁ!?』
美月『よし…皆泣くのはおわりだよ。
行くよ!インターハイ本戦!!!』
一同『おう!!!』
皆の元気が…笑顔が戻った。
『(皆ごめん…絶対戻るからな…)』
俺は心でそう誓った。
27話へつづく
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