青春と恋の物語

NISHINO TAKUMI

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3章 青春恋物語

青春恋物語3-36

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一哉side


?『一哉…一哉…起きて…』
そう呼ばれる声で目が覚めた俺。
目を開けて時間を見ると…
8時30を過ぎていた。
?『…一哉…こっち…』
声のする方を見るとそこにいたのは…
俺『な、七瀬?なんでここに…』
七瀬『お見舞いに来たに決まってるじゃん…』
俺『だって…こんな遅い時間に…』
七瀬『迷惑だった?』
俺『いや、嬉しいけどさ…』
七瀬『ここじゃ…おじいさん達起こしちゃうし…屋上行こうよ…肩貸すからさ』
俺『あぁ…わかった』
俺は七瀬の肩を借りて屋上へ向かった。

屋上に着いてベンチに俺を座らせると
七瀬が言った。

七瀬『私…昼間これなかったからさ…
瑠夏に明日は一哉と喋れるかわからないって聞いて…今日来ちゃったの』
俺『制服ってことは…まさか学校帰り?』
七瀬『そんなわけないじゃん…
でも、出た頃には7時過ぎてたから
急いで帰って時間短縮のために着替えずに来たんだよ』
俺『あー、なるほど…そこまでして来てくれなくてもよかったのに…』
七瀬『だって…会いたいじゃん?』
俺『まあ…来てくれてありがと。
正直今になって怖くなってたんだよな
夢でもずっと手術の夢ばっか見ちゃってさ』
七瀬『そういうことやっぱりあるんだね…来てみてよかった』
そこから俺たちは他愛のない話をしばらくしていた。

俺『まだ9月はじめなのに…空気が変わりはじめてる…』
七瀬『だね…ほんと早かったな…今年の夏休みが終わるの…』
俺『こんな夏を経験するのも今年が最後だもんなぁ』
七瀬『そっか…来年はもう夏休みは
本戦に行けなければ…引退しちゃってるんだよね…そしたらこうやって皆で集まれないんだ…寂しいな…』
俺『本戦行ければいいんだけどな…
ていうか…ごめん』
七瀬『え、なにが?』
俺『俺が本戦連れてくとか偉そうに言ってたのに…他人任せになっちゃった』
七瀬『…大丈夫だよ…でも、一哉が本戦で活躍してくれなきゃ、許さないかも』
俺『できるかなぁ…元の実力の半分まで下がってたら通用しないかもなぁ…』
七瀬『…一哉は一哉の試合をすればいいんだよ。勝ちでも負けでも…勝つのが1番いいけど一哉にできる最高の試合をしてくれれば…私はそれで満足だよ』
俺『やべ…なんか怖くなってきた』
七瀬『見えないて敵に怯えてどうするの…一哉らしくないぞ?』
俺『あぁ…なんだろ…震えが止まらない…』
俺の体は無意識に震えだしてしまった。
七瀬『一哉…』
俺『怪我で弱気になってるのかもな…
そんな暇ないのに…』
七瀬『…』
俺は涙まで溢れてきてしまった。
俺『…皆には大丈夫って言ってきたけど…本当はすごい手術怖いんだ。
そんな死ぬ病気とかじゃないから大袈裟かもしれないけど…不安なんだ…
練習についていけなくなるんじゃないかとか…いろんなことが…怖くてたまらないんだ…』
七瀬『一哉…大丈夫…なんて気休め言うつもりはないんだけど…練習は私がついてる…私がしっかりサポートして
リハビリの手伝いもするから。
練習…頑張ろう?ね?』
俺『あぁ…』
七瀬『まだ怖いの?』
俺『あの合宿で…瑠夏に負けて
怖くなったんだ…試合をすることが…』
七瀬『そう…なの…?』
俺『試合をしたらまた怪我するんじゃないかとか…色んなことを考えちゃって
イメトレをしてても集中できないんだ…俺は…エース失格だよ…』
俺は夜空を見上げてそう言った。


七瀬side 

一哉が…メンバーには見せない
弱気の部分を見せてくれた。
私は意外だった。太陽みたいな一哉が
こんなに怯えていたり震えている…
こんなことが今まであっただろうか…
……いや…1度もなかった。
一哉はいつでも明るく皆を盛り上げていた。…だから余計に不安や恐怖が募っていたのもしれない…私はそう思った。
その時…また一哉が私に謝ってきた。
一哉『…ごめん…』
私『なんでまた謝るの…?』
一哉『もう1つ…俺は嘘をついた』
私『なに?』
一哉『絶対負けないって…誓っていたのに…』
私『じゃあ…ここでもう一度誓ってよ…そうすれば嘘にならないよ…
この前の誓いは忘れてあげるから…』
一哉『…七瀬…ありがとう…俺は…
もう負けないから…』
私『誓うときはやることあるよね?』
一哉『それ恒例じゃないんだけど…』
私『私は…一哉が…』
一哉『え?』
私は…思いを伝えることにした…


37話に続く
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