現世転生 -異世界から来た魔法使い-

瓢箪独楽

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プロローグ2

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「異世界ねぇ……」
 夕食を済ませた俺は自室のベッドに仰向けに寝転び、ぼけーっと天井を見つめながら呟いた。そして目を瞑り、ある記憶を呼び戻す。

     *

「あ、ガラフくん。君の願い叶えてあげるねー」
 この声…… どこのじじいだ。
「じじいって、君も人の事言えないよね」
 む、私の心を読んだのか。
「そうでーす! そして君の疑問に簡単に答えてあげると……」
 やけに賑やかな奴だな。
「儂が神じゃ…… みたいな?」
 神…… だと?
「そうそう神様なのよ。で、その神様が君の願いを叶えに来ちゃった…… てへっ」
 イラっ
「何故私の願いを叶える。生物が死ぬ時、あんたは毎度毎度その願いを叶えているのか?」
「今神様相手にイラっとしたよね? まぁいいけど。全員じゃないない。たまたまってやつ。君の世界で前回願いを叶えてから、九が九十九個並ぶ人数の人が死んじゃったのよ。で、その次が君だっただけ」
 ただの偶然……
「そういう事! すんごいまぐれでキリ番踏んじゃったってやつ?」
 キリ……?
「ああ、気にしない気にしない。ってなわけで、君のそのすんごい魔力を封印して、別の世界にドーンするね!」
 ドーン?
「あ、今回特別に願いを叶えるんだから、次の人生では目一杯良い事しないと地獄行きだからね。しかも普通の地獄より何倍もキツい所」
 え?
「あ、ごめん。ちょっとキャッチはいったからまたねー。それじゃぁ、はいドーン!」
「なっ!? ちょっと待て! 地獄って何だっ! というかドーンってな────」

     *

「ドーンじゃねぇよ! あ……」
 思い出し憤怒で無意識に枕を壁に投げつけていた。どさりと落ちた枕が無性に腹立たしく、俺は小さく舌打ちをした。
 暫く壁際の枕とにらめっこしていると、ンー ンー とスマホが震え出した。画面にはやっぱり正司の文字。俺はゆっくりとスマホを持ち上げ、親指をスライドする。

 ……

 …………

 ………………

 そう、俺は出なかった! 例えそれが意味のない事だと分かっていても、何となく一度目は出たくなかった!
 しかし、とういうかやはりというか、十秒も経たないうちに二度目の着信が。俺は渋々さっきとは逆に親指をスライドさせる。
「ただいま電話に出られない事もないですが、何となく面倒くさいので出ない事にします。ピーという発信音の後に、今までの人生で一番恥ずかしかった事と、その恥ずかしさを拭いさる対応策をお話しください。ファー」
「ピーじゃねぇのかよ!」
 律儀に最後まで聞いた上で、よどみのないツッコミを入れてくれる正司。ああ、やっぱりこいつの空気はしっくりくる。
「ははっ、悪かったよ。で何の用だ?」
「ったく、いきなりツッこませるなよな。で、用件って程でもないんだけど、ちょっと小腹がすいたからコンビニでもいかねぇか?」
 コンビニか。特にする事もないし行っても良…… あ、そういえば借りてた二本の映画のブルーレイが明日返却だったっけか。
「悪いな、ちょっと用があるから一人で行ってきてくれ。なんだったら俺の為にカリカリ梅を買ってきてくれても――」
「それは無い。わかった、じゃぁちょっくら行ってくるわ。また学校で」
 俺が「おう」と返事をする前に正司は通話を切っていた。せっかちなやつだ。
 幼馴染との何でもない日常にクスっと笑いながら、さっき思い出した映画のブルーレイを手に取る。
「アイツもアクション映画が好きだったっけか。面白かったら明日にでも教えてやるかな」
 そんな独り言を言いながら、俺はリモコンの再生ボタンを押した。



 映画はこんな言葉から始まった。

『日常はどうしようもなく日常だが、その日常はどうしようもなく幸せである』


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