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第4章 繰り返しへようこそ(新1日目)
4ー2 監視人
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(チャンドリカチーフ! ハリーチーフ!)
モニター内に写る姿に震えた。
腕章11番、水色の鳥のアイコンでここでの名前は「ギニ」、オリッサ州出身。
今日の監視担当プレイヤーにチャンドリカが入っていた。
とても恐い上司を「監視」するなど落ち着かない。仕事なのに、してはいけないことのようだ。後ずさりして逃げたい。
自分なら同僚にずっとカメラで追っかけて見られるなど耐えられないがチーフは凄い。清廉潔白で自信がある人だからだろう。腹をくくってモニターを見る。自分が見落としてチーフが怪我をするようなことがあったら大変だと気を引き締め直す。
第三回プロジェクトは第二ステージに入った。
損傷があった建物から場を移し、退場した十一人のプレイヤーを入れ替えてリアリティーショーを継続したと言う。
『君たちの間で、本当に人が殺されているなど馬鹿げた噂があると聞いた。度々言うがこれはとても失礼なことだ』
業務開始前に監視センターの責任者、通称「ボス」より異例の訓話があった。
『いくら説明しても理解出来ない者がいる。なので今回はチーフのうちのふたりが自らショーに参加することになった』
大変だな、と思った。
いくら何でも殺人を「売る」会社などないだろう。そのはずだ。
夜の恐いシーンは見たことはないが、就寝時間直前の暴力シーンは何度も見た。確かに殺されるように見えるが小さなモニターの中ではよくわからない、と自分に言い聞かせている。
『殺人の可能性のある場所に大事なスタッフを送り込む訳はないだろう? くだらないゴシップを広げていた者、恥を知りなさい!』
声の迫力に皆顔を伏せる。
自分たち監視人ならともかく、ヒンディー語も英語も自在でパソコンを使いこなすチーフが使い捨てられるはずはない。
(だから、信じていい)
外資系企業との一大プロジェクト、特別なリアリティーショーの監視員という仕事を。
相変わらずショーの進行はよくわからない。
「プレイヤー」は最後まで残ったらたくさん賞金がもらえるのだろうか。負けた人も、それまでの頑張り賃くらいは払われるのだろうか。特別な役がある人は手当が多いのか。
(殺され役の人はめちゃくちゃ賞金高かったりして!)
チーフふたりはこのショーについて良く知っている。最後まで残るだろう。
元々お給料は高いだろうに賞金までもらえるならうらやましい。
(でも二十四時間ずっと休みなしだもんね)
それならまあ妥当か。
この騒ぎからすると、つい先日辞めた蛙アイコンの子は本当は首だったに違いない。上の人の前で何か漏らしたのだろうか。おとなしい子に見えたのに。
彼女は自分とは反対の凄く西の方から来ていた。
印象に残っていたのはよく自分の腕章アイコンを見ていたからだ。きっと鳥が好きなのだろう。実は自分は蛙の方が好きだ。村の田んぼで遊んだことを思い出せる。
(アイコン、交換出来れば良かったのにな……)
これほど早くいなくなってしまうならチーフにお願いしてみれば良かった。とモニターを見て、やっぱり恐いから無理だとギニは顔に出さず苦笑した。
モニター内に写る姿に震えた。
腕章11番、水色の鳥のアイコンでここでの名前は「ギニ」、オリッサ州出身。
今日の監視担当プレイヤーにチャンドリカが入っていた。
とても恐い上司を「監視」するなど落ち着かない。仕事なのに、してはいけないことのようだ。後ずさりして逃げたい。
自分なら同僚にずっとカメラで追っかけて見られるなど耐えられないがチーフは凄い。清廉潔白で自信がある人だからだろう。腹をくくってモニターを見る。自分が見落としてチーフが怪我をするようなことがあったら大変だと気を引き締め直す。
第三回プロジェクトは第二ステージに入った。
損傷があった建物から場を移し、退場した十一人のプレイヤーを入れ替えてリアリティーショーを継続したと言う。
『君たちの間で、本当に人が殺されているなど馬鹿げた噂があると聞いた。度々言うがこれはとても失礼なことだ』
業務開始前に監視センターの責任者、通称「ボス」より異例の訓話があった。
『いくら説明しても理解出来ない者がいる。なので今回はチーフのうちのふたりが自らショーに参加することになった』
大変だな、と思った。
いくら何でも殺人を「売る」会社などないだろう。そのはずだ。
夜の恐いシーンは見たことはないが、就寝時間直前の暴力シーンは何度も見た。確かに殺されるように見えるが小さなモニターの中ではよくわからない、と自分に言い聞かせている。
『殺人の可能性のある場所に大事なスタッフを送り込む訳はないだろう? くだらないゴシップを広げていた者、恥を知りなさい!』
声の迫力に皆顔を伏せる。
自分たち監視人ならともかく、ヒンディー語も英語も自在でパソコンを使いこなすチーフが使い捨てられるはずはない。
(だから、信じていい)
外資系企業との一大プロジェクト、特別なリアリティーショーの監視員という仕事を。
相変わらずショーの進行はよくわからない。
「プレイヤー」は最後まで残ったらたくさん賞金がもらえるのだろうか。負けた人も、それまでの頑張り賃くらいは払われるのだろうか。特別な役がある人は手当が多いのか。
(殺され役の人はめちゃくちゃ賞金高かったりして!)
チーフふたりはこのショーについて良く知っている。最後まで残るだろう。
元々お給料は高いだろうに賞金までもらえるならうらやましい。
(でも二十四時間ずっと休みなしだもんね)
それならまあ妥当か。
この騒ぎからすると、つい先日辞めた蛙アイコンの子は本当は首だったに違いない。上の人の前で何か漏らしたのだろうか。おとなしい子に見えたのに。
彼女は自分とは反対の凄く西の方から来ていた。
印象に残っていたのはよく自分の腕章アイコンを見ていたからだ。きっと鳥が好きなのだろう。実は自分は蛙の方が好きだ。村の田んぼで遊んだことを思い出せる。
(アイコン、交換出来れば良かったのにな……)
これほど早くいなくなってしまうならチーフにお願いしてみれば良かった。とモニターを見て、やっぱり恐いから無理だとギニは顔に出さず苦笑した。
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