リアル人狼ゲーム in India

大友有無那

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第4章 繰り返しへようこそ(新1日目)

4ー3 見ている人は

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「今回のプレイヤーたちはなかなか盛り上げてくれるな」
 男性チーフは腕を組んで悠然と微笑んだ。視線少し向こうのモニター画面をそれとなく眺めている。
「真に迫った演技が実に上手い」


 ギニは動けなかった。
 チーフの話したヒンディー語はわからなかったが、余裕を見せた笑みとゆったりとした動きに、身動きどころか音ひとつ許さない圧迫感があった。
 たまった唾を呑み込むのも恐く舌を丸めて抑える。周りの同僚たちも誰ひとり動かない。
 モニターのチャットボックスに流れた文が自動でオリヤー語に翻訳された。
『今回のプレイヤーたちはなかなか盛り上げてくれるー』
 これが今チーフの話したことなのだろう。
 心臓に氷を突き刺されたように冷えて凍り付く。

 ヘッドセットの音声はプレイヤー三人目の途中で聞こえなくなった。チャットにはそのまま業務を続けろとの指示が流れ、ギニはただ画面を見つめた。
 上を向いて訴えた最初のふたりが話したのはおそらく南の方の言葉とヒンディー語、その後途中で切られたのがベンガル語だ。
 ギニの言葉、オリッサ州公用語のオリヤー語はベンガル語と親しい。
 だから、わかってしまった。

 アッサム語を話す子もいたはずだがやはりある程度ならベンガル語を理解出来るだろう。

『誘拐された』
『監禁』『殺人』
『警察へ』
『助けを』

 鼓動がうるさい。
 詰まった息を目に付かぬように静かに小さく長く吐く。
(これは演技のはず演技のはず演技のはず)
 だってこれはリアリティショーだけどリアリティーショーって何だっけ?
 どうしていいかわからずモニターの中のチャンドリカに目を落とす。
 担当業務だからチャンドリカチーフを「監視」することは問題ないはずだ。

『二十二時になりました。会議の時間です。「プレイヤー」は直ちに席に着いてくださいー』
 いつもの十時の録音音声が流される。ヒンディーも英語も言っている意味はわからない。だが今までは思わなかった禍々しさをギニは感じた。
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