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第7章 混乱へようこそ(新4日目)
7ー6 幕間 ムンバイ 嵐の前
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<ムンバイ市内 某社応接室>
「おれが知りたいのは、こいつが消えたのが組織絡みかどうか。それだけだ」
警部が示したスマホ画面を睨んで頭目は言った。
組織が理由ならサラージは今頃殺されているか、半殺しになっているかだ。
自分がオーナーの表の会社、サラージが警備員を勤めていたここに懇意な警官を呼び出した。
この地域は長年ふたつの組織が締めている。
下っ端同士の小競り合いはあれど、向こうやヤク・こちらは拐かしなど分担は明確で外部勢力ー南部野郎やロシアンマフィアの殴り込みには協力して叩き出す。
それでこの街は一応の平穏を保ってきた。
「こいつはただの使いっ走りだ」
組織のことは何も知らない。一方様子見の殺しにはいい。いくらでも逃げが効く。
「警部殿。この件ではこちらとそっちの利害は一致する。そう思って持ちかけた」
抗争が始まれば街は十年以上ぶりの大荒れとなる。
「……今のところ見つかった証拠はふたつだけだ」
スマホ画面の静止画は夕方四時台、高級ショッピングモールの監視カメラで、二十分後の五時過ぎ、駅の監視カメラに姿を残したのが最後だ。
「……帰るルートだ。おもちゃ屋だな」
「?」
「下げている袋だ」
市内にいくつも店舗がある大きなチェーン店の模様が手提げに見てとれた。
「弟が言った通りゲームを買って戻る予定だったんだろう……何だ、あんたらこの情報は掴んでなかったのか?」
慌てる警部を尻目に頭目は悠然と足を組んだ。
(抗争となれば面倒だ。武器はどこから集めるー)
こいつらに気付かれずにー
「おれが知りたいのは、こいつが消えたのが組織絡みかどうか。それだけだ」
警部が示したスマホ画面を睨んで頭目は言った。
組織が理由ならサラージは今頃殺されているか、半殺しになっているかだ。
自分がオーナーの表の会社、サラージが警備員を勤めていたここに懇意な警官を呼び出した。
この地域は長年ふたつの組織が締めている。
下っ端同士の小競り合いはあれど、向こうやヤク・こちらは拐かしなど分担は明確で外部勢力ー南部野郎やロシアンマフィアの殴り込みには協力して叩き出す。
それでこの街は一応の平穏を保ってきた。
「こいつはただの使いっ走りだ」
組織のことは何も知らない。一方様子見の殺しにはいい。いくらでも逃げが効く。
「警部殿。この件ではこちらとそっちの利害は一致する。そう思って持ちかけた」
抗争が始まれば街は十年以上ぶりの大荒れとなる。
「……今のところ見つかった証拠はふたつだけだ」
スマホ画面の静止画は夕方四時台、高級ショッピングモールの監視カメラで、二十分後の五時過ぎ、駅の監視カメラに姿を残したのが最後だ。
「……帰るルートだ。おもちゃ屋だな」
「?」
「下げている袋だ」
市内にいくつも店舗がある大きなチェーン店の模様が手提げに見てとれた。
「弟が言った通りゲームを買って戻る予定だったんだろう……何だ、あんたらこの情報は掴んでなかったのか?」
慌てる警部を尻目に頭目は悠然と足を組んだ。
(抗争となれば面倒だ。武器はどこから集めるー)
こいつらに気付かれずにー
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