リアル人狼ゲーム in India

大友有無那

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第10章 ムンバイへの道(新7日目)

10ー3 サバイバル(新7日目)

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「私があの娘を逃がしました」
(……)
「ですから責任を持って娘を捕まえます」
「当たり前だっ!」
 割れるような怒鳴り声が箱の外に響いた。

(わたしを探してるんだ……)
 ダンボール四隅の隙間からわずかな光が漏れる。
 揺れる車の中レイチェルは息を詰め続けた。
(……もし見つかったら、あのお巡りさんに迷惑がかかる)
 運転席だろうか、前の方で捕まえると言ったのはあのおじさん警察官の声だ。彼は車が動く前ざっとダンボールを開けてすぐに閉め上に別の箱を乗せ、
『クリア。どこにも隠れていません』
 と周りに報告していた。
 心臓が飛び出るほど驚いたしばらく後に、本気で自分を守ろうとしているのを感じ取った。

 車は動いては止まり、またしばらく動く。自分を捜し回っていなければ先に進んでいるらしい。

「民家にでも匿われているのでは?」
「面倒だな」

 ぽつぽつ交わされる会話に鼻をすすりたくなるのを耐える。
(くしゃみ出そう)
 水を飲もうか。しかしこの揺れの中手探りで上手く飲めるだろうか。
 零れてダンボールが濡れ出したらー
 でも声が出たら確実にヤバいしー
 レイチェルは右手で自分の口を塞いだ。と今度は息苦しくて涙目になる。
(死んじゃうよ……)

 知っている。これは死ではない。
 レイチェルはあの場所で山ほどの「死」を見た。
 ダルシカ。彼女を殺したスパイ女、ラディカ、アビマニュ、
(ラジェーシュさん……)
 息苦しさに意識が遠くなる。いや眠いのかもしれない。
 駄目だ! 寝てしまったら音を立てるのを抑えられない。
 左手で探り右手首をつねる。
(まだ生きてる……わたし生きてるから……)
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