学園祭

ヨージー

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 学内は多くの学生で賑わっている。出店が通りの両側に並び、通路幅を狭めているため、よりいっそうの混み合いとなっている。一度見失った人と目標物なく巡りあえるだろうか。
「お、友也じゃん」
「幸也…!」
 友也の友人の田口幸也は、様々なサークルに所属しているため、学園祭では多忙を極めていると聞いていた。
「な…、お前。本庄さんは?」
「そう、見失って探してる。というか、本庄さんと一緒だって言ったっけ?」
 幸也は隣の瑚子と友也を交互に見た。
「はじめまして、友也の友だちの田口幸也です」
「こちらこそ、藤田瑚子です。私は貴音ちゃんの友だちだから、心配しなくて大丈夫」
 瑚子は困惑した表情の幸也に笑いかけた。
「あ、ええ、なるほど。よろしくお願いします」
「なるほどって、よく分からないけど、本庄さんを探してるんだ。見てない」
「本庄さんが一人でいるの見たら、友也に連絡してるって」
「…?そう。見てないんだな」
「残念ながら」
「んじゃ、見かけたら連絡してくれ。見つかったら幸也のとこにも行くよ」
「それはいいけど、時間帯によって居場所変わるから、事前に連絡くれな」
「りょーかい」
 友也は瑚子と一緒に幸也と別れ、捜索を続けた。
「一度見失ったところに戻りますか?」
 友也は、宛もなく学内を歩き回る捜索を取り止める提案をした。
「お、ミス研ぽい」
 瑚子はバカにしたような表情だ。
「いや、俺はそこまで入れ込んでるわけでは」
「ふふ、それは意味深」
「ええと?というより、本庄さんの奇行の始末に付き合わせてしまって…、何か予定があれば」
「いいよ、暇してたし。二人がまた会えるまで付き合ってあげる」
 二人は貴音を見失ったところまで戻ってきていた。あたりは、先ほどまでの人の多いところとは異なり、視界のきく、広間だとわかる。
「ここで見失うって、なかなかどんくさいね」
「ええ、確かに。結構あたりを見渡せますね」
「人の流れに巻き込まれちゃったのかな?」
「いえ、というよりも、もしかしたら」
 友也は数歩進んで、あたりを見まわす。広間の周囲には学部塔が並んでいる。
「建物に入ったと考えるのが自然かもしれません」
「ああ、なるほどね。ここからなら、理学部塔か、教育学部塔ならすぐ屋内に入れるね」
「二手に別れますか」
「オッケー」
「俺は…、理学部塔に入ります」
「わかったわ。見つけたら連絡して」
 友也は今日の出来事のなかから、何故か直感的に理学部塔の方に貴音がいる気がした。二手に別れて、捜索を開始した。
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