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週明けの学校に獅童宰都の姿はなく弥伊子はわかっていたけれど愕然としてしまう。はたから見ても態度にでていたのか加藤真澄や藤田飛鳥に心配されてしまった。
放課後、弥伊子は図書室を訪れた。獅童宰都の居ない図書室だ。弥伊子は獅童宰都の名前すら知らなかった頃の自分を思い出す。そう、その頃に戻るのだ。手の届かない恋は忘れて、元の自分へ戻るのだ。獅童宰都は自分のことを忘れるだろう。もしかしたら結婚相手も親に紹介されたりするのかもしれない。真澄に言われたことを思い出す。獅童宰都とは住む世界が違ったのだ。自分の領域をはみ出した、分不相応な願い。
「あれ、南洞さんじゃない」
弥伊子が目線をあげると須藤綾がいた。
「って、どうして泣きそうな顔しているの」
弥伊子は驚いて自分の顔に触れる。
「なんでもないよ、目にゴミが入っちゃって、、涙でとれるかなって」
「そ、そう、ならいいけど。そうだ、それよりも」
須藤綾は弥伊子のもとへ駆け寄ってきた。
「見てよこれ」
須藤綾が手元の端末を弥伊子へ差し出した。画面には、以前撮影したときの写真が写し出されていた。画像には獅童宰都の姿もあった。弥伊子は胸のうずきを抑える。
「この間、芸能人が紹介してくれたらしくて」
「え、どういう」
「どういうって、元々これは広告って話でしょ」
「ほら、これ閲覧数」
弥伊子は息を飲んだ。表示されている数字は弥伊子たちの学校の生徒数を遥かにしのいでいた。
「朝からすごい通知で、まだまだ伸びそう」
須藤綾は笑顔を隠しきれない様子だ。
「ほんと、すごいね」
「あれ、あんまり嬉しくない?」
「ううん、ちょっと実感が」
「まあ、映ってる姿と今のあなたじゃあね、って、あれ、いやなんでもない」
弥伊子は首をかしげる。
「ところで、南洞さん最近獅童くんとよろしくしているようじゃない」
「な、なんで」
「ふうん、やっぱり」
「え、どういう」
「私はまだ負けは認めないからね。そのうち見てなさい」
「でも、獅童くんは」
弥伊子はまた泣きそうになってくる。
「でもじゃない、今週からやっとまともに通学できるらしいし」
「え?」
弥伊子は立ち上がっている須藤綾を見上げるかたちだ。
「あら、聞いてないのね」
須藤綾は優越感を見せる。
「って、まあ私も先生から聞いたんだけどね。仕事の方が少し落ち着くらしいから、卒業へ向けてしっかり通学するようになるんだって」
「そ、その話はいつ」
「今朝よ。まあ抜け駆けするつもりはないから安心して。でもお互い何があっても恨みっこなしよ」
そこまで言うと須藤綾は図書室を去っていった。弥伊子は呆然としてしまう。すぐに獅童宰都へ連絡したかったが、自分の動揺を抑えるため家に帰ってから連絡することにした。
放課後、弥伊子は図書室を訪れた。獅童宰都の居ない図書室だ。弥伊子は獅童宰都の名前すら知らなかった頃の自分を思い出す。そう、その頃に戻るのだ。手の届かない恋は忘れて、元の自分へ戻るのだ。獅童宰都は自分のことを忘れるだろう。もしかしたら結婚相手も親に紹介されたりするのかもしれない。真澄に言われたことを思い出す。獅童宰都とは住む世界が違ったのだ。自分の領域をはみ出した、分不相応な願い。
「あれ、南洞さんじゃない」
弥伊子が目線をあげると須藤綾がいた。
「って、どうして泣きそうな顔しているの」
弥伊子は驚いて自分の顔に触れる。
「なんでもないよ、目にゴミが入っちゃって、、涙でとれるかなって」
「そ、そう、ならいいけど。そうだ、それよりも」
須藤綾は弥伊子のもとへ駆け寄ってきた。
「見てよこれ」
須藤綾が手元の端末を弥伊子へ差し出した。画面には、以前撮影したときの写真が写し出されていた。画像には獅童宰都の姿もあった。弥伊子は胸のうずきを抑える。
「この間、芸能人が紹介してくれたらしくて」
「え、どういう」
「どういうって、元々これは広告って話でしょ」
「ほら、これ閲覧数」
弥伊子は息を飲んだ。表示されている数字は弥伊子たちの学校の生徒数を遥かにしのいでいた。
「朝からすごい通知で、まだまだ伸びそう」
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「ほんと、すごいね」
「あれ、あんまり嬉しくない?」
「ううん、ちょっと実感が」
「まあ、映ってる姿と今のあなたじゃあね、って、あれ、いやなんでもない」
弥伊子は首をかしげる。
「ところで、南洞さん最近獅童くんとよろしくしているようじゃない」
「な、なんで」
「ふうん、やっぱり」
「え、どういう」
「私はまだ負けは認めないからね。そのうち見てなさい」
「でも、獅童くんは」
弥伊子はまた泣きそうになってくる。
「でもじゃない、今週からやっとまともに通学できるらしいし」
「え?」
弥伊子は立ち上がっている須藤綾を見上げるかたちだ。
「あら、聞いてないのね」
須藤綾は優越感を見せる。
「って、まあ私も先生から聞いたんだけどね。仕事の方が少し落ち着くらしいから、卒業へ向けてしっかり通学するようになるんだって」
「そ、その話はいつ」
「今朝よ。まあ抜け駆けするつもりはないから安心して。でもお互い何があっても恨みっこなしよ」
そこまで言うと須藤綾は図書室を去っていった。弥伊子は呆然としてしまう。すぐに獅童宰都へ連絡したかったが、自分の動揺を抑えるため家に帰ってから連絡することにした。
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初回公開日時 2019.01.25 22:29
初回完結日時 2019.08.16 21:21
再連載 2024.6.26~2024.7.31 完結
❦イラストは有償画像になります。
2024.7 加筆修正(eb)したものを再掲載
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