誰の目にも輝きを

ヨージー

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「もしもし?」
「こんばんわ南洞さん」
「獅童くんあの、」
弥伊子は言葉に詰まる。
「この間はありがとう」
獅童宰都は弥伊子の言葉に詰まった間を埋めてくれた。
「僕は、君の言葉を受けて、目が覚めたよ」
「わたしの?」
「そう、だからさ、週末ちゃんと親と向き合ってきた」
「それって」
「言いたいことは全部言ったよ」
「だ、大丈夫だったの」
「発破をかけたのは南洞さんだよ」
「ごめん」
「謝らないでよ。感謝しているんだ」
「でも」
「学校、しっかり通えることになった。少なくとも高校はね」
「それって」
「まあ、一度でどうこうなる話じゃないよ。両親も頑固だからね。でも、南洞さんのお陰で一歩前進できた」
「その、おめでとう…」
弥伊子は獅童宰都に感謝され、明日からも会うことができることに胸がいっぱいだった。
「ありがとう、南洞さんのおかげだよ」
「ご両親と話したのは獅童くんだよ」
「僕、一人だったのなら諦めてたよ。両親も僕の態度に驚いていた。見せてあげたかったよ」
「私、獅童くんに話したいことがたくさんあるの」
「僕も南洞さんに話したいことがやまほどある」
「また、明日会えますか?」
「もちろん。明日会いに行くよ」

弥伊子は電話のあと、まくらに顔をうずめて悶えた。二人で出掛けたあと、胸を占めた暗い気持ちが晴れ渡っていくのを感じた。どうしてあれだけのことを獅童宰都に言えたのかわからない。自分に自信のなかった弥伊子はいつから変われたのだろう。どうにも表現しがたい気持ちを何にぶつけたらいいのかわからない。おさまらない気持ち。弥伊子は思い付いて机の引き出しを開けた。弥伊子は引き出しのなかから真新しい手帳を取り出した。
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