誰の目にも輝きを

ヨージー

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 公演は無事に終了した。観客は喜んで拍手してくれた。片付けには弥伊子も演劇部の人に混じって手伝いをした。ファミレスでの打ち上げ。弥伊子は芦屋恭子とも、藤田飛鳥とも、獅童宰都とも席が遠かった。須藤綾が獅童宰都の席に突き進んでいくのも見守ることしかできなかった。加藤真澄が田代啓司を慰めている。いつの間に親しくなったのだろう。二人は、公演を見にきてくれていた。真澄からは話の流れからやんわりと察したようで肩をたたかれ労いの言葉をかけられた。
「弥伊子の作る物語なんだから、結末も弥伊子が変えられる」
弥伊子は部長から次回作の話を依頼され、苦笑いでしのいだ。また、書くことができるのだろうか。
 二次会は人数も多かったので各々で決めることとなった。何人かがグループを作っていく。弥伊子もどこかに混ざろうと視線を泳がせていると、腕をつかまれた。
「見つけた」
獅童宰都だった。
 二人でこっそり集団から離れた。弥伊子は獅童宰都にどこへ向かうのか聞かなかった。
「ここは?」
「みてごらん」
弥伊子が獅童宰都に手を引かれるままに進み出ると、学校に夕日があたっていた。
「ここはね、僕が学校に来れない間に隙をみて来ていたんだ」
「ここへ?」
辺りは特に学校が見える以外に何もなかった。獅童宰都はベンチに腰かけた。弥伊子も隣へかける。
「僕は学校へ行きたかった」
弥伊子は静かに獅童宰都へ視線を向ける。
「その夢は君が叶えてくれた」
獅童宰都が弥伊子に視線を向ける。二人の視線が重なった。
「僕はずっと恭子に憧れていた」
弥伊子は息を飲む。
「恭子はなんでも自分で頑張った。かっこいいよね」
弥伊子は無言で頷く。
「きっとこれが恋なんだって思っていた」
弥伊子は頭のなかが真っ白になる。
「でも、南洞さんと居るとき、話をしているとき、とっても楽しいんだ。笑って応えてくれる南洞さんが居てくれる」
獅童宰都が言葉に詰まる。
「藤田に言われたんだ」
「え?」
「藤田が南洞さんと居るとき、僕は落ち着かなかった。言い表せない、その、嫉妬した」
弥伊子はどう応えていいのかわからない。
「僕は恋がどんなものなのか考えた」
獅童宰都が唾を飲む。ふっと小さく息をはいた。
「僕は愛する人っていうのは、なんというか、もう体を切り離せない、混ざっているような存在なんだと思う。だから、離れたら心が痛むし、落ち着かない。僕にとっては南洞さんがそういう存在なんだって思うんだ」
「私なの?」
「そう、獅童宰都は南洞弥伊子を愛してます」
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