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第九章:青い鳥は鳥籠から飛び立った
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「おまえは、呆れるくらいに淫乱だよな」
「……、……は、い」
「好きな奴がいながら、嫌だって思っていながら、こうして身体ひらいちゃうんだもんな」
「そう、です……俺は……」
「でもな……それでも」
「――あぁっ!?」
エリスはラズワードの後孔に指を突っ込んだ。突然されたものだからラズワードは大きな声をあげ、それっきり止めることができないとでも言うように声をあげ続ける。掻き回すように、激しく指をピストンし、何度も何度も指の腹で一番敏感な部分を擦り上げた。
「ひゃぁッ!あ!うぅっ!」
「……お前の目は綺麗だ」
「あっ!あっ!あっ!」
「お前は強い、俺を守った時のあの目の光は本物だ」
ラズワードのたちあがったモノを掴んで激しく擦ってやる。内側からソレを刺激してやるように、ナカにいれた指で肉壁をぐいぐいと押し上げた。
「その目が好きだよ。俺は、お前の全てのなかで、一番。このエッロい身体も、怖いくらい綺麗な顔も全部好きだけど、俺はお前の目が一番好きだ」
「はぁっ……! えり、す……さま……! でも、俺……!」
「わかってるよ。おまえはハルが好きで……その強さも、ハルのために使いたいんだろ?」
ラズワードの限界を感じ、エリスは手の動きを早める。
「ごめんな……でも、俺昔からその目に惹かれていたんだ。これからおまえに手を出さないって保証はできない」
「……むか、しって……う、ぁ……!」
「ごめん、好きだ……ラズワード・ベル・ワイルディング、お前が好きだ」
「……、なま、え……――ああッ……!」
ラズワードが精を吐き出した瞬間に、エリスはラズワードを抱きしめた。はあはあと息を荒げながら泣くラズワードをあやすように背中を撫でてやる。
自分を戒めるように泣いて、ごめんなさいと、エリスに訴えかけるようにぎゅうっと拳を握るラズワードが愛しくて、エリスはそっと彼のこめかみに口付ける。貴方の想いには応えられないと、そんな風に瞳を歪めたその表情さえも酷く甘ったるく、エリスはふっと微笑んだ。
「お前と同じ目を持った人を……俺は前に好きだった。おまえは……知っているだろ、「ワイルディング」なら」
「……、エリス、さま……?」
「アザレア」
「……え」
「アザレア・ベル・ワイルディング。お前の姉さん」
「……!」
ひゅ、とラズワードの息を呑む音が聞こえ、エリスはラズワードの首元に顔を埋める。
「俺は……姉さんの代わりですか……? それは、だめです……! 俺はあの人とは違う……! あんなに、美しくありません……!」
「目が、同じなんだ。……そうじゃねえよ、俺がお前を好きなのはアザレアにお前が似ているからじゃない。アザレアも、お前も同じ目を持っていた。俺はその目に惹かれた。俺は、強い人が好きなんだ」
「ちがう……俺は、姉さんみたいに……」
「……綺麗だよ。ラズワード。お前は強い、俺はだからお前が好きだ。大丈夫、お前は……ハルの傍にいてもいいんだ」
「――……ッ」
――青い鳥よ、おまえは飛ぶために翼をもっている。
なんて美しき青い羽、しかし羽ばたかなければそれは価値がない。
おまえは飛ぶために生まれたのだ、飛んでいる姿こそが美しい。
青い鳥よ、いつか空の香りを私に届けておくれ。
「鳥は……飛ぶことで自分の存在を証明すると……歌われて……」
「……ん?」
小さく呟くラズワードの言葉にエリスは頭の中がはてなでいっぱいになる。それでも、静かにラズワードの瞳を見つめ、その言葉をしっかりと聞いた。
「俺の証明は……こうして、淫欲に溺れること……でも、それはハル様の望む飛び方ではなくて」
ぽた、と涙がシーツにシミをつくる。
「……もし、本当に俺が強さをもったなら……そうやって、飛べたなら……俺は、ハル様に……」
――空の香りを届けられますか……?
最後の言葉はかすれてよく聞こえなかったが。なんだかその表情が怖いくらいに美しくて、エリスは静かにラズワードの唇に自分のものを重ねた。
「ああ……おまえはきっとどこへでも飛べるよ。……おまえの翼は、美しい」
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