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第六話『ひとつ屋根の下』
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バイト先のコンビニレジに立っているが、先程からため息が止まらない。考えるのはあのおっさんのことばかりだ。
そして僕のPS5…。
タカ「はぁ…。やっと抽選当たったのに…。高かったのになぁ…」
水島「どうしたの?大丈夫?」
そんな僕を見て、水島さんが声をかけてくれた。
水島さんは僕のバイト先の先輩だ。コンビニで働き始めてから、仕事のイロハを教えてくれた。
仕事も出来るし、何より可愛い。僕の憧れの人だ。
タカ「あ、いや!大丈夫です!すいません」
水島「何か悩んでるなら相談乗るからね」
何て良い人なんだろう。水島さんは気さくに声をかけてくれるけど、僕はいつも緊張で上手く話せない。
ドンッ
考え事をしていると目の前にカゴが置かれた。
見ると髪の毛を赤色に染めた見るからにヤンキーっぽい人が不機嫌そうにしている。
タカ「あっ、すいません」
何も悪いことはしていないのに僕は謝る。
会計を終えてヤンキーは何故か舌打ちをして店の外へ出ていった。
『舌打ちしたいのは僕の方だよ…』
そんなことを考えていると、水島さんが僕の袖を引いた。
タカ「はい?何です?」
水島「ちょっと坂崎君、あれ見て…」
見るとホームレスっぽい見たことあるおっさんがコンビニの窓をドンドンと叩いて手を振っている。
タカ「ぶふぉっ!!」
水島「え、どうしたの?!大丈夫??」
タカ「だっ、大丈夫です!」
チャラチャラチャラーン♪
聞き慣れた音が流れて自動ドアが開く。入店してきたおっさんは古くからの友人のように『よっ』と僕に挨拶をした。
水島「…知り合いの方…?」
タカ「い、いえ!!」
おっさん「おおーーい!知り合いだろうがよ!!お前さん、こんなとこで働いてたんだな!!お、可愛いオネエちゃんだな!よろしくー」
水島「あ、どうも…やっぱ知り合い?」
タカ「し、知りません…」
おっさん「おぉーーい!オジサン左脳と右脳が入れ替わっちゃったのかと思うくらいビックリしたよ!!ひとつ屋根の下で暮らした仲だろうがよ!」
水島「ご、ご家族の方ですか?」
おっさん「うん、まぁある意味家族だよね」
タカ「違うし!!もう帰ってください!!」
おっさん「あのさ、今日お前さんの家に…」
タカ「ダメです!!というかPS5を返してください!!」
二人の問答を聞いていた水島さんは、おっさんが明らかに不審者だと思ったのか警察に通報をしていた。
遠くからパトカーの音が聞こえてくるとおっさんはビクッとした。
おっさん「あ!じゃあまたな!!」
おっさんはそそくさと店外に消えた。
水島「大丈夫?」
タカ「あ、ありがとうございます。ちょっと変な人に絡まれちゃって…」
PS5返ってこなかったなぁと思いを巡らせながら僕はまたため息をついた。
つづく
そして僕のPS5…。
タカ「はぁ…。やっと抽選当たったのに…。高かったのになぁ…」
水島「どうしたの?大丈夫?」
そんな僕を見て、水島さんが声をかけてくれた。
水島さんは僕のバイト先の先輩だ。コンビニで働き始めてから、仕事のイロハを教えてくれた。
仕事も出来るし、何より可愛い。僕の憧れの人だ。
タカ「あ、いや!大丈夫です!すいません」
水島「何か悩んでるなら相談乗るからね」
何て良い人なんだろう。水島さんは気さくに声をかけてくれるけど、僕はいつも緊張で上手く話せない。
ドンッ
考え事をしていると目の前にカゴが置かれた。
見ると髪の毛を赤色に染めた見るからにヤンキーっぽい人が不機嫌そうにしている。
タカ「あっ、すいません」
何も悪いことはしていないのに僕は謝る。
会計を終えてヤンキーは何故か舌打ちをして店の外へ出ていった。
『舌打ちしたいのは僕の方だよ…』
そんなことを考えていると、水島さんが僕の袖を引いた。
タカ「はい?何です?」
水島「ちょっと坂崎君、あれ見て…」
見るとホームレスっぽい見たことあるおっさんがコンビニの窓をドンドンと叩いて手を振っている。
タカ「ぶふぉっ!!」
水島「え、どうしたの?!大丈夫??」
タカ「だっ、大丈夫です!」
チャラチャラチャラーン♪
聞き慣れた音が流れて自動ドアが開く。入店してきたおっさんは古くからの友人のように『よっ』と僕に挨拶をした。
水島「…知り合いの方…?」
タカ「い、いえ!!」
おっさん「おおーーい!知り合いだろうがよ!!お前さん、こんなとこで働いてたんだな!!お、可愛いオネエちゃんだな!よろしくー」
水島「あ、どうも…やっぱ知り合い?」
タカ「し、知りません…」
おっさん「おぉーーい!オジサン左脳と右脳が入れ替わっちゃったのかと思うくらいビックリしたよ!!ひとつ屋根の下で暮らした仲だろうがよ!」
水島「ご、ご家族の方ですか?」
おっさん「うん、まぁある意味家族だよね」
タカ「違うし!!もう帰ってください!!」
おっさん「あのさ、今日お前さんの家に…」
タカ「ダメです!!というかPS5を返してください!!」
二人の問答を聞いていた水島さんは、おっさんが明らかに不審者だと思ったのか警察に通報をしていた。
遠くからパトカーの音が聞こえてくるとおっさんはビクッとした。
おっさん「あ!じゃあまたな!!」
おっさんはそそくさと店外に消えた。
水島「大丈夫?」
タカ「あ、ありがとうございます。ちょっと変な人に絡まれちゃって…」
PS5返ってこなかったなぁと思いを巡らせながら僕はまたため息をついた。
つづく
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