良い子の為の絶望学

春川信子

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ちやほやされたい

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ちやほやされたい♡♡
日比野さんは正直に言う。
だってちやほやされたい♡♡
その姿は、可愛さの欠片もない。
欲望丸出しである。
人間には承認欲求がある。
スマホの普及につれ、我々は自分の承認欲求をいいねの数で単純に埋めることができる。
スマホはピロピロ鳴き、よく日比野さんを呼ぶ。
デジタルデトックスというのがあるらしい。
まーったく、デジタルに触れない日である。
楽である。
河原にいき、猫をみる。
猫は自由だ。
飯、交尾、寝る。
シンプル・イズ・ベスト。
ここに真の自由を見た。
しかし、邪魔してくるのが、誰かと喋りたい欲求だ。
何でもいい。
今日の夕ご飯の話がしたい。
生身の人間と会話がしたい。
日比野さんは、ふぁーっとタバコを吹かし、キャバクラに出勤する。
寂しいもの同士、夜を埋め合うために。
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