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6 愚かな女
【side:ライラ】
ライラ・マクドネルは子爵家の三女として生まれた。
彼女は絶世の美女というほどでは無かったものの、少し派手目な顔立ちでスタイルも良かったので、以前は婚約の打診が沢山来ていた。
だが自他共に認める面食いのライラは、どの相手も気に入らず、なかなか婚約者を決めなかった。
見目の良い男性は高位貴族に多い。
高位貴族は王族の降嫁先に選ばれる事も多く、王家の血が混じっているからだ。
しかし貧乏子爵家で、飛び抜けた美人でもないライラでは高位貴族を狙うのは難しく、それなりの相手からしか打診は来ない。
それでも根拠のない自信があったライラは諦めず、気が付けば周囲の令息は殆ど婚約済みで、このままでは結婚出来ないとようやく焦り始める。
最初の頃は、伯爵家以上とか、金持ちが良いとか、色々な条件を付けていたが、「美丈夫ならば誰でも」と、条件を緩和する。(それを緩和と呼ぶかは意見が分かれそうだが)
それでも相手が見つからず、学園の卒業を控えた頃には、もう愛妾でも良いかと思い始めた。
「オズワルド様に婚約者がいらっしゃるのはわかっているんです。
でも私、この想いを止めることが出来なくて・・・・・・」
涙目で訴えれば、そっと抱き寄せられる。
「俺も、ライラを愛してる」
ライラはオズワルドの胸に顔を埋めて、ほくそ笑んだ。
ーーーチョロい。
愛妾でも良いと割り切った途端に、引っかかったのがオズワルドだった。
オズワルドの容姿はライラのドストライクだ。
将来はセシリアと結婚して、伯爵になる予定の男。
しかもランバート伯爵家は超が付くほどの金持ちだ。
愛妾でも充分に贅沢な生活ができるだろう。
卒業パーティーの件でセシリアとオズワルドの婚約が危ぶまれた時は、少し焦ったが、確かセルヴィッチ侯爵家には、使用してない子爵位もあったはず。
それを譲ってもらって、どこか税収の良い領地でも分けて貰えば遊んで暮らせるだろうと勝手に計算していた。
「ライラ、大事な話があるから、父上に会ってもらえないか」
オズワルドからそう言われて、もしやと期待が高まる。
「ええ。喜んで伺います」
セルヴィッチ侯爵邸は想像以上に凄かった。
広く荘厳な建物。
邸の中の装飾は決して派手ではないのに、高級感が滲み出ている。
こういうのを〝品がある〟と表現するのだろう。
廊下を歩く時、キョロキョロするのを我慢するのが大変だった。
案内された応接室には、既にオズワルドの父親が待っていた。
「やあ、よく来たね」
「初めましてセルヴィッチ侯爵様。
ライラ・マクドネルと申します。
お招き頂きありがとうございます」
ぎこちないカテーシーで挨拶をした。
侯爵の向かいのソファーを勧められて、オズワルドと並んで腰を下ろす。
「実は、この度オズワルドをセルヴィッチ侯爵家の後継に指名することが決まってね。
ライラ嬢にはオズワルドと結婚して、侯爵家を支えてもらいたいんだ」
自分に都合が良すぎる展開に、ライラは一瞬本気で夢ではないかと疑った。
ーーー侯爵夫人になれるのね!!
舞い上がっているライラは、侯爵の目が笑っていない事にも、隣でオズワルドが蒼白になっている事にも気付かなかった。
ライラ・マクドネルは子爵家の三女として生まれた。
彼女は絶世の美女というほどでは無かったものの、少し派手目な顔立ちでスタイルも良かったので、以前は婚約の打診が沢山来ていた。
だが自他共に認める面食いのライラは、どの相手も気に入らず、なかなか婚約者を決めなかった。
見目の良い男性は高位貴族に多い。
高位貴族は王族の降嫁先に選ばれる事も多く、王家の血が混じっているからだ。
しかし貧乏子爵家で、飛び抜けた美人でもないライラでは高位貴族を狙うのは難しく、それなりの相手からしか打診は来ない。
それでも根拠のない自信があったライラは諦めず、気が付けば周囲の令息は殆ど婚約済みで、このままでは結婚出来ないとようやく焦り始める。
最初の頃は、伯爵家以上とか、金持ちが良いとか、色々な条件を付けていたが、「美丈夫ならば誰でも」と、条件を緩和する。(それを緩和と呼ぶかは意見が分かれそうだが)
それでも相手が見つからず、学園の卒業を控えた頃には、もう愛妾でも良いかと思い始めた。
「オズワルド様に婚約者がいらっしゃるのはわかっているんです。
でも私、この想いを止めることが出来なくて・・・・・・」
涙目で訴えれば、そっと抱き寄せられる。
「俺も、ライラを愛してる」
ライラはオズワルドの胸に顔を埋めて、ほくそ笑んだ。
ーーーチョロい。
愛妾でも良いと割り切った途端に、引っかかったのがオズワルドだった。
オズワルドの容姿はライラのドストライクだ。
将来はセシリアと結婚して、伯爵になる予定の男。
しかもランバート伯爵家は超が付くほどの金持ちだ。
愛妾でも充分に贅沢な生活ができるだろう。
卒業パーティーの件でセシリアとオズワルドの婚約が危ぶまれた時は、少し焦ったが、確かセルヴィッチ侯爵家には、使用してない子爵位もあったはず。
それを譲ってもらって、どこか税収の良い領地でも分けて貰えば遊んで暮らせるだろうと勝手に計算していた。
「ライラ、大事な話があるから、父上に会ってもらえないか」
オズワルドからそう言われて、もしやと期待が高まる。
「ええ。喜んで伺います」
セルヴィッチ侯爵邸は想像以上に凄かった。
広く荘厳な建物。
邸の中の装飾は決して派手ではないのに、高級感が滲み出ている。
こういうのを〝品がある〟と表現するのだろう。
廊下を歩く時、キョロキョロするのを我慢するのが大変だった。
案内された応接室には、既にオズワルドの父親が待っていた。
「やあ、よく来たね」
「初めましてセルヴィッチ侯爵様。
ライラ・マクドネルと申します。
お招き頂きありがとうございます」
ぎこちないカテーシーで挨拶をした。
侯爵の向かいのソファーを勧められて、オズワルドと並んで腰を下ろす。
「実は、この度オズワルドをセルヴィッチ侯爵家の後継に指名することが決まってね。
ライラ嬢にはオズワルドと結婚して、侯爵家を支えてもらいたいんだ」
自分に都合が良すぎる展開に、ライラは一瞬本気で夢ではないかと疑った。
ーーー侯爵夫人になれるのね!!
舞い上がっているライラは、侯爵の目が笑っていない事にも、隣でオズワルドが蒼白になっている事にも気付かなかった。
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