超能力者の異世界生活

ココてる

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リョウ、生まれてすぐに親と話をする

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吾輩は人間である。

名前はリョウという。

俺はチコユニ国のツコヒルにあるオルソニ村に生まれた。

俺の両親の身分は、母親が農民で父親が村兵なので、当然貴族では無い。

だから家名を持っていない。

ちなみにこの国の身分は多く、一番下は奴隷、その上は下人、その上は農民でその上は商人、その上は村兵、その上は国兵でその上は貴族、そして一番上は国王という、まあどこにでもありそうなものだ。

「母様、僕を産んでくれてありがとう。この世に生を受ける事が出来てとても嬉しいよ。」

俺が感謝の気持ちを伝えると、さっきまで泣いて喜んでいた両親は何かに驚いて、ピクリとも動かなくなった。

俺変なこと言ったかなー?

産んでもらったんだから感謝するのは普通かと思ったんだけど、間違ってたかなー?

2人が白目を剥いてる気がする。

これは気絶してるんじゃ、、、

「あのー、母様?父様?大丈夫ですか?あのー?母様?父様?」

これはダメだ。

なぜかはわからないけど、2人して急に気絶してしまった。

これ以上はどうしようもできなさそうだ。

そういえばさっきから想像以上に頭が重い。

赤ちゃんってこんなに大変だったのか。

知らなかった、とりあえず今は、、眠気に誘われるとしよう、、、

おやすみ、、、、

__________________________________________

「んん、んんんんーーー。ん?」

俺は急な眠気から覚め、俺のことを産んでくれた両親のことを探すと、二人はどこかに出かけてしまったようだった。

「あの2人が生まれたばかりで何もできない俺を置いていくわけが無いもんな。きっとすぐ帰ってくるだろう。うん、そうに違いない。」

ガチャ

ほら、やっぱり帰ってきた。

「おかえりー、って母様、その後ろにいる人だれー?神官様?」

俺が帰ってきた2人におかえりを行った時、2人は落ちものが落ちたような顔をし、後ろにいる男の人は目に見えるぐらい分かりやすくびっくりした顔をした。

「ねえ、言ったとおりでしょう?神官様、私たちの子供が生まれてすぐに『産んでくれてありがとう』と言ってきたんです。これは大昔から伝わる伝説通りではありませんか?」

「うーーむ、確かにその説が一番説明をしやすいな。とりあえず、神託を受けてみよう。我々が判断することでは無いようだな。」

どうやら、俺はチコユニに大昔から伝わる伝説と同じことをしたらしく、神様に神託で本当に伝説をなぞるものなのかを聞くらしい。

「さあ、リョウ。今から神殿に行こう。」

うーん、生まれたばかりであまり動きたく無いけど、父様が言うから仕方が無いか。

「分かりました、父様。神殿に行くということは着替えて行った方が良いのでしょうか?」

「そ、そうだな。神殿に行くからには神聖な格好をしなければいけないが、お前はまだ生まれてすぐだし、服を用意していなかった。今回はそのままでも許していただけるだろう。」

「分かりました、父様。」

人生初の神殿だからか、少しワクワクしてきたなー。

神殿ってことは、神様に会いに行くのかな?

それなら、失礼の無いように気を引き締めて行こう。

こうして俺は生まれて2日目に今後の人生を一変させる出来事が起きた。
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