超能力者の異世界生活

ココてる

文字の大きさ
2 / 27
0

人の子、決断をする

しおりを挟む
ここはどこだろう。

真っ暗で何も見えない。

いや、1つだけ明るいものがある。

なんだろう、少ししか明るくないのに包み込まれるような温かさがある。

む、眩しくなってきた、、、

ま、、ぶ、し、、、、、
__________________________________________

吾輩は人間である、まだ名は無い。

何かか細くしかし温かい光に包まれているような感覚を心地よく思い始めた時、俺は初めて自分の体を見ることができた。

視界が濁っていてよく見えないけど、自分の体があるべき場所にはへその緒がついた赤ん坊の体があった。

おかしい、俺はたしかヨボヨボの年寄りになって死んだはずなのに、、、

あれ?違う。

たしか魔王の戦力を測りにダケフ山に行った時に魔王に見つかって殺されたんだっけな、、、

もしくはマシユ反応を見つけて謎の組織に誘拐されて技術を使われるくらいならと自殺したほうか、、、

よくわからないな、俺はいったいなんなんだろう。

わからない。
__________________________________________

どれくらい経ったんだろう。

外から聞こえる人間の声はおそらく俺の家族のものだろうなあ。

『今日の晩ご飯はなんなんだ?』

『パンなんてどうでしょうか、上にお肉を乗せたら美味しいと思いますよ。』

『パンか、それはいい。お前はお腹の子の分も食べなきゃいけないんだからいっぱい食べなきゃな。』

そうか、今日はパンか。

俺がこんなに大きくなっているんだから食べにくいだろうに、俺の分まで食べるなんて無理だろう。

それにしてもなんで話してることがわかるんだろう。

赤ちゃんの俺は話がわかるわけないのに。

もう自分が気持ち悪い。

なんでいろんなことを知っているのか、

なんで普通はできないことができるのか、

こんなことできなければいいのに、、、
__________________________________________

そろそろこの人のお腹の中も窮屈になってきた。

もう少しで俺が生まれる頃だろう。

俺はこのまま生まれてもいいんだろうか。

こんなできないはずのことができる化け物が、こんな普通の家庭に生まれていいんだろうか。

わからない。

俺はどうすればいいんだろう。
__________________________________________

『我が子よ、起きなさい。話があります。』

なんだろう。

いつもの外から聞こえる声とは違う、澄み渡るような声が聞こえる。

まるで本当に目の前にいるような、、、

そんな声が、、、

『我が子よ、まだ寝ているのですか。いつまで経っても、生まれ変わってもまだお寝坊さんですね。』

やっぱりだ。

どこか聞き覚えのある声が聞こえる。

『起きましたか。我が子よ、声が出せないのであれば聞くだけでもいいですから聞いてください。あなたは今、あの時の使命を果たし終えて人に生まれ変わりました。ここまでわかりますか?』

うーん、なんだろう。

生まれ変わりと聞いた時、今までの疑問が全て解消されたようなそんな気がした。

『あなたには2つの未来を選ぶことができます。1つは人として、私の加護を受けて普通の人の子として生きて行く未来。もう1つは前のように私の元に来て天族となり世界のバランスを保つ未来。どちらも正しい未来です。好きな方を選びなさい。』

どちらを選べば良いのか、どちらが正解なのかわからない。

自分は普通じゃない、それはわかっている。

そして、おそらく天族になる未来が正しいのもわかっている。

けれど、心の中では人として生きてみたいと思っている。

今まで体験したことのないような、そんな未来を望んでいる。

『そうですか、それならば楽しいと思う方にしなさい。先ほども言った通り、あなたは使命を果たして生まれ変わりました。使命を果たしたということはあなたは自由です。』

そうか、俺は自由か、、、

それじゃあ、、、

『わかりました、あなたの未来が楽しいことを祈っています。』
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

処理中です...