巨大昆虫観察

ごむらば

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第2章 新たなる観察

#4 パープルワーム

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その男は、この蜂の巣が作られていた古びた工場の所有者の息子。 
彼はしばらく使われていなかった父親の工場を売却するため、様子を見に来たのだった。 
工場の中に人の気配があったので、中に入り声を掛けた。

その声に反応してパープルワームが、その男の方に向きを変えて歩き出した。 
男もパープルワームに向かって歩き出した。 
勝手に工場内に侵入したことを文句言うために。 
しかし、お互いの距離が近づき、男は動揺し始める。 
それは裸の女性が向かって、きているからだった。 
男は目の前にいるパープルワームに目のやり場に困りながらも文句を言い続けたが通じない。 
それでも文句を言い続けていると、パープルワームは男に抱き、そして男の顔を自分の大きな胸にうずめた。 
そして、抱きついた腕全体から、ラップのようなものがでて二人を包んでいく。 
男は必死に離れようとするが、離れられずどんどん包まれ姿が見えなくなってしまった。 
パープルワームが繭を作っている間に、サナギはモゾモゾ移動している。 
本能的に、この場所に居続けるのは危険だと感じたのだ。 
工場を出たところで、前作の子ども達に見つかる。 
子ども達は大人に見つかるとサナギを取りあげられるとわかっていたので、サナギを袋に入れて家の倉庫に持ち帰った。 

その頃、パープルワームは工場の現所有者の男の栄養をすべて奪い繭のなかで成長し始めていた。 
成長し繭から出たものは変体しており、全身が紫色をしている。 
下半身は濃い紫色をしており、太ももの外側、ふくらはぎの内側は筋肉がむき出した繊維のように見える。 
その部分は薄い紫色と白くなっている。 
他にも胴体部分の脇腹、腕も脚のように筋肉繊維がむき出したように見える。 
腹筋は割れており乳房は大きくきれいな形をしている。

顔は人間のような顔立ちであるが、目はなく、鼻も口も穴は開いていない。
髪は紫色のロングヘアー。 
このパープルワームが変体したものは、パープルドールと呼ばれた。 
パープルドールのベースは、崎田桃子の体型に合わせて石膏で型取りしたものに、ゴムの素材を流し込み造ってある。 
ゴム素材は、少し厚めに造ってあるところと 
着易く動き易いように薄く造ってあるところがある。 
背中部分の上のほうから、頭の後ろ部分までが開けられるようになっていて、そこから入る。 
手も足も頭もすべて一体になっているが、この素材はある程度で伸びるので、崎田桃子もそれほど苦労せずに着ることができた。 
ただ、着る時はお尻が入りにくく、飛び跳ねるとインナーにピッタリした紫色のラバー衣裳をつけていたが豊満な胸が揺れる。 
その豊満な胸をパープルドールに押し込む。 
後ろのファスナーを閉めて髪をつければ完成である。 
胸もピッタリしているので、胸は少し跳ねただけでも大きく揺れる。 
衣装合わせで跳んでもらった時、パープルドールは恥ずかしそうに胸に腕を抱えるように隠したのがすごくエロさを感じた。 
パープルワームから変体の際、繭を作りその中で成長して出てくるのだが、その繭を風船のような素材で造ったのだが、撮影中トラブルが発生。 
中で手足を伸ばして破って出てくる予定だったが、 
桃子がいくら手足を伸ばしても虚しく伸びるだけで破れることはなかった。 
それどころかどこかに穴があき繭を膨らませていた空気がどんどん抜けて萎んでいく。 
繭に閉じ込められたパープルドールの形が、クッキリと浮き出てきたが、撮影は続く。
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