酩酊猫のモノローグ

黒いテレキャス

文字の大きさ
258 / 279

千玄室さんと特攻隊

しおりを挟む
千玄室さんが亡くなった。




102歳。亡くなる2ヶ月前のインタビューをYoutubeで見たが、背筋は伸び眼光炯々。言語明瞭、理路整然とした話ぶり。あんなオーバー100歳はあの方くらいだろう。





お茶の世界でのトップだが醸し出す雰囲気は老剣豪、古武士の風格。内面が滲み出てる。





個人的には千玄室さんと言えば元特攻隊員。いわゆる学徒出陣の14期予備学生。8月14日、日本の一番長い日の1日前に亡くなったってのは単なる偶然だろうが、そこに何か因縁意味を見いだそうとしてしまう。





ちなみに源田実の死去は8月15日。兵科予備学生出身で海軍士官だった東宝の職人監督、松林宗恵も同日に亡くなった。(年は違う)











千玄室さんは同志社大学の学生の時、学生航空連盟に所属、操縦訓練を受けていたので飛行科予備学生に採用されて土浦の基礎教程を終えた後の操偵判定でも自分は操縦員(パイロットね。陸軍では操縦者)だと思ってたら、まさかの偵察員(主に航法ナビゲーションを担当。操縦はしない。某雑誌の記事に桜花の発案者とされる太田正一の事を偵察機のパイロットって書いてあった。ライターが偵察員って言葉の意味知らんかったんや…)





分隊長に抗議に行ったら、答えは…







骨相で決まったから。














大日本帝国海軍航空隊が搭乗員の適性試験に骨相を採用してたって事あんま知られてないんじゃない?





骨相も統計学の一つだって山本五十六が支持したとか言われてるけど前近代的、非科学的な感じがする、個人的には。実際、事故による殉職多かったし、骨相で偵察員になった人が戦後、名パイロットになったケースもあるらしいし。












14期予備学生は19年5月から飛行訓練が始まり実用機による延長教育終了後、千玄室さんが着任したのは徳島航空隊。そこで編成された白菊特攻隊に編入。






白菊。実用機ではなく練習機。





綺麗な名前だが飛行機史上ワースト3に入る不細工な機体(私見)









元々低速の白菊に爆装、最高速度は100ノット程度(約180キロ)。特攻機を迎撃する艦載機F6Fの最高速度は300ノット以上(約600キロ)F4Uは更に速い。




あまりにもスピードが遅いので米軍の無線で「駆逐艦より遅く飛ぶ事のできる日本の新兵器に攻撃されている」とジョークのネタにされていたという説もある(当時の米軍駆逐艦の最大速度は30ノット。翼面過重が低く空力特性も良い零戦21型でも着陸失速速度は68ノットくらい。白菊が低速と言っても、それより遅い事はない)













速度が遅すぎて白昼強襲は無理。夜間攻撃しかない。




短期間の猛訓練で夜間飛行をこなせるようになった搭乗員だから通常攻撃で良いのでは?とならないのが大日本帝国。規定路線は変わらない。













千玄室さんは幸い出撃待機中に敗戦。体験者が語る話は小林よしのりの描く美談とは異なる。








特攻隊員と一口に言っても乙飛甲飛予科練出身者と予備学生では特攻に対する考えは違うし(元々海軍の軍人だった丙飛の人達も又違う。この甲乙丙という無神経なネーミングがトラブルの種となった)士官でも海兵出身と予備学生では異なる。無論個人差もある。確かに言えるのは、若者が自らを爆弾と化すような「状況」は異常。決して、それは美談ではない。







我々後世の人間がすべきは、悲壮かつ美しい物語に浸る事ではなく、可能なかぎり一人一人の特攻隊員がどのような過程を経て出撃させられ死んでいったのかを知る事。





史料文献は沢山ある。玉石混淆だが。歴史本すべてに言える事だがタイトルに「本当」とか「真実」ってワードが入ってるのは基本避けるべき(例外もあるが)













昭和20年5月夜陰に乗じ敵艦を目指す白菊。25番(250キロ爆弾)は当初機内に板を敷いて固縛する予定だったが結局翼下に懸吊したのか?塗装も迷彩と言われるが詳細は不明。










しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

アルファポリスとカクヨムってどっちが稼げるの?

無責任
エッセイ・ノンフィクション
基本的にはアルファポリスとカクヨムで執筆活動をしています。 どっちが稼げるのだろう? いろんな方の想いがあるのかと・・・。 2021年4月からカクヨムで、2021年5月からアルファポリスで執筆を開始しました。 あくまで、僕の場合ですが、実データを元に・・・。

アルファポリスの禁止事項追加の件

黒いテレキャス
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスガイドライン禁止事項が追加されるんでガクブル

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

投稿インセンティブで月額23万円を稼いだ方法。

克全
エッセイ・ノンフィクション
「カクヨム」にも投稿しています。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

アルファポリスのポイントとスコア、インセンティブを考える

まめたろう
エッセイ・ノンフィクション
アルファポリスのポイントとスコア、インセンティブを考えていきます。 どのような仕組みなのか? 勉強した結果や実践して確認した結果などについて紹介します。 私が書いている主な小説は以下の通り。こちらからのポイント、スコア、インセンティブだと思っていただければと思います(追加の可能性あり)。 今日もダンジョンでレベルアップ! https://www.alphapolis.co.jp/novel/979192886/698023188

処理中です...