酩酊猫のモノローグ

黒いテレキャス

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傑作韓国ドラマ「D.P. 脱走兵追跡官」感想

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韓国人に生まれなくて良かった。






それヘイト発言やん。






正確に言えば…






韓国人男子として生まれなくて良かった。








兵役があるから。














「D.P.脱走兵追跡官」




韓国ドラマ





ネトフリで配信中。最近第2シーズン公開。






韓国の陸軍憲兵の話。






まだ第1シーズンの2話までしか見てないが







傑作。






韓国の兵役については断片的知識しかなかった。







このドラマでは実情が赤裸々に描かれる。






原作は漫画だそうだが






内務班の話は実話なんだろうね。






自国の軍隊の暗部を抉るドラマ作れる韓国ってすごくない?






韓国陸軍、撮影に協力してるのかなぁ?





日本では





「あおざくら」






暗部は排除されたファンタジー。






「右向け左」







すぎむらしんいち先生の作品に外れなしだが…







原作者が元自衛隊だから生活描写リアルで、性的な問題もいじめも描かれてたけど基本コメディだし…





「ゲート」







ノーコメントにしとくわ。








千葉ちゃんが出た「戦国自衛隊」は踏み込んだ描写してたけど、ずいぶん昔の話だからなぁ…





今の日本ではドラマや映画で自衛隊出したら批判的な描写できない空気ない?






撮影に協力してもらえなくなるとか、そういう問題だけじゃないと思う。





勿論自衛隊にだって、いじめはあって自殺者が出て複数裁判になってるし五ノ井さんの件でも色々問題が明らかになった。







でも五ノ井さんなんて100パー被害者なのに何故かバッシングされた。







自衛隊に対して過保護親みたいなスタンスの謎臭団がいるんだよなぁ…






そういう愛は愛の対象にとって害悪でしかないぞ。










このドラマ見てて、ある小説を思い浮かべた。







似てる。






「人間の條件」






五味川純平先生の傑作。








全日本人必読の名作。







実際、発表当時は大ベストセラー。





映画化されこれも大ヒット、70年代まで名画座の定番人気作品だった。








別に話が似てる訳じゃない。








陸軍の内務班が描かれてるのは共通してるが、それを言いたい訳でもない。







作劇法が似てる。






酷くシビアで暗く重いテーマを扱っているが








甘い所がある。







それが悪い訳ではなく、寧ろ正しいドラマツルギーだと思う。





甘い所①







主人公の周りのキャラクター






「人間の條件」の影山少尉。







軍隊編で主人公の唯一の味方(元々友人)








「D.P」




現場レベルのナンバー2の中士(中尉相当?自衛隊の2尉?)




至極真っ当な人物






オタク一等兵




主人公より先輩、階級も一つ上。





私物の中に日本の雑誌「Newtype」がありアニメキャラ風イラストの描き手。



ある場面で漫画のセリフを引用する。




俺、それ知らんかったからググった。






「鋼の錬金術師」のセリフやった。






日本サブカルをこんな形で描く韓国ドラマ。




この一等兵さん、めっちゃいい人。後輩の失敗のせいで酷い目にあっても文句一つ言わない。(ここでハガレンのセリフが引用される)






主人公がやらかして(巻き込まれたんだが)営倉に入れられ責任を感じて食事をとるのを拒否してる時チョコパイ差し入れてくれる場面はジーンとしながらも笑える。





韓国でも「オタク」って日本語使うんだね。









2話からバディ組む事になる上等兵。






めっちゃいいキャラ。



この人の参入で生真面目な後輩と一見ちゃらんぽらんだが実はマトモで有能な先輩のバディ物になる。






この上等兵役、役者も巧いし日本語吹替えもハマってる。






新入社員にとっては最高の理想の上司だと思う。






ともあれ、この上等兵の登場でドラマがめっちゃ面白くなった。





甘い所②





カタルシスがある。





具体的には書かないが基本両作品とも重い話だがスカッとするシーンが挟まれる。




でも現実は甘くない。





軍隊という組織の最底辺の人間の周りには助けの手を差し伸べてくれる上官なんてまず現れないだろうし束の間であれ厳しい現実を吹き飛ばす痛快な出来事なども起こらない。






でも、それじゃ読者観客がついてこない。





ノンフィクションの読み手観客って限られてる。もっと多くの人に届ける為には






敢えて甘いエンタメ要素も必要。







…当たり前か。







五味川純平先生、どんな物語でもまず面白くなければいけない、って仰ってた









韓国の作り手も当然同じ事考えてるんだろう。







にしてもつくづく兵役のない国に産まれた幸せを感じさせられるドラマ。





「彼も軍隊に来なけりゃ自殺する事もなかったのに」





「そんな事言っても無意味だ」






こんなやりとりがありますけど






彼らにとっては逃げられない現実なんですね。






これだけ主人公に最初から重すぎる十字架を背負わせるドラマはちょっと無いんじゃない?







主人公は罪の意識にさいなまれている。





そこの折り合いの付け方も含めて続きが気になる。








追記



今5話まで見た。やっぱ凄いわ。あの人が実は…みたいな意外な展開もあるしバディモノとしてもめっちゃオモロイ。


基本やりきれない辛い話ばかりなんだけど…













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