酩酊猫のモノローグ

黒いテレキャス

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旧制高校と帝国海軍

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酒好きです。




平日は一滴も飲まない。




休日前夜と休日だけ飲む。






大抵記憶無くなるまで。










二日酔いにはほとんどなった事ない。吐いた事もほぼ無い。朝も遅くても8時過ぎには起きる。






翌朝、何故こんな事した俺?と思う事はたまにある。






昔はなかったリスクファクターが出現。







スマホ。







泥酔してスマホは危険。






意識不明でセカイと繋がっちゃダメ!




















最近は飲んでる時はスマホ触らない。飲んでる部屋と別の部屋にチャック付きケースに入れて隔離してる。





しかし問題はスマホだけではない。





記憶無くなるまで飲むのが問題な。
















先日おそろしく凹む事をやらかしてしまって朝から自己嫌悪。







本破ってた。





床が濡れてたり(酒ひっくり返した。覚えてないけど。もったいねー…ってそこじゃない)







まだテレビ持ってた頃テレビの上に飾ってたマルシン工業製の紫電21型に接触して転落させ(覚えてないけど)バラバラになった上、尾翼は差し込み部分が折れたので瞬着で無理矢理くっ付けなきゃならなくなったりした。




映画「太平洋の翼」大好き。国内唯一の紫電21型製造メーカーの新明和工業(旧川西航空機)が復元するらしい。楽しみ。














まだ色々あるが本破ったのは初めて。





酔っ払って手にして落としそうになって端っこ掴んだら本の重みでビリッといったのだろう、覚えてないけど。






その事自体はそんなにショックではない。






俺は本は消耗品だと基本思ってて赤線引いたり折れ目付けたりするし文庫本なんか片手で丸めて読むのでちゃんと閉じなくなったりする。




で結局読み終わったら捨てる事が多い。(感想ノートは作ってる)







作者さんからすりゃふざけんなって話かもしれんが何せ本の量が多すぎて重くてかさばる。






で最近基本読んだら捨てるが例外もある。






俺基準で残すべき本ってのもある。







でよりに酔ってじゃなくてよって一番大事にしてる本を破ってしまったのでおそろしく落ち込み凹んだ。







その本とは…





「白線と短剣」昭和出版 和田良信






ここで何度も書いてるが俺の座右の書の1冊。










初版は1975年で俺は2000年代前半に古本屋でゲット。






元の持ち主が赤線引きまくってるが(俺と違って定規当てて几帳面に)それ以外の状態は良く大切に扱っていた事が伺える。





元の持ち主が貼ったレシート。この書店はもう存在しない。20年以上の時を経て俺の所に来た奇跡。それを破ってもうた。





著者は旧制一高から東京帝大、学徒出陣で海軍主計科士官。






お寺の息子さんで戦後僧侶になり後を継ぐってのは異色。






2014年に94歳で亡くなってた事をずっと後になって知った。






俺がこの本入手してから10年以上ご存命だったんだ…





ちなみに戦前ステータス高かったのは旧制高校を出てる事。それも一高から八高まであった所謂ナンバー高校。






旧制高校の記録、それも生徒レベルのってレア。





ま、全寮制男子校で上級生からいじめみたいな事あったかも知れないがそういう描写は皆無。






その年頃の少年には付き物の性にまつわるエピソードもなし。





美しき青春譚として描かれてて、旧制高校版あおざくら?







旧制高校生徒の記録自体貴重だけどね。






エリート教育の弊害選民思想的な批判もあるけどそれだけじゃないし旧制高校出身者の活躍を考えれば日本史の中の重要なパートでもある。







しかし、あまり知られる事なく歴史の流れの中に消えてゆくのか?








旧制高校生徒の学力は高かった。






英語は原書(このアホスマホ原書って一発変換できなかった)で読むレベル(それもアダム・スミスの国富論みたいな専門書も)フランス語、ドイツ語も。(トーマス・マンが人気。俺「魔の山」読んだけど日本語でも大変)






日米開戦前まではイギリス人教師による英会話の授業もあった。




一方、アメリカって識字率自体が低かった。





海軍特攻の士官はほぼ13期14期予備学生。この人たちは皆旧制高校か高等専門師範学校出身。クレイジージャップ、イエローモンキーのカミカゼとバカにされた側がインテリで対空砲で迎撃するアメリカの水兵に母国語すらろくに読み書きできなかった者が少なくなかった。





この辺の皮肉な構図は「永遠のゼロ」(あえてアレと同じタイトルにした)という短編にまとめてみました。











吉田信(まこと)さん






14期予学戦闘機専修。昭和20年5月11日第5筑波隊爆戦で特攻戦死。





特攻隊に関する記録で名前を見た事があったが著者とは一高で同じ時を過ごしていた。




ホッケー部主将で眉目秀麗の二枚目「一高の吉田」として、その界隈では有名人だったとは知らなかった。







海軍時代の話も興味深い。






昭和19年秋にまず著者が着任したのは松山の601空。マリアナ戦で壊滅的打撃を受けて再建中。601空って千葉香取基地のイメージだったけど陸揚げ再建は松山からやったんやね、知らんかった。


有名な二代目343空が編成中で紫電21型が次々空輸される描写もある。





この時期印象的なエピソードは地元の子供との触れあい。





休日に外出した時に寒い中薪用の枯れ木落葉を拾っている幼い子供二人に遭遇、それを手伝った後、持っていた羊羮を与えようとした時、著者は驚く。




その子供たちは羊羮の存在を知らず、それが何か分からなかった。




晩秋冷え込みの厳しい松山の夕暮れの中、二人が歌ってくれた「赤とんぼ」を聞きながら著者は思う。








「そうだ、この児等のためにも命を捧げるのだ」







この子供たち今生きてりゃ80半ば~90歳位。






覚えてるのかな?この時の事。








著者はその後、香取基地へ移動。





昭和20年2月、第二御盾特別攻撃隊の出撃に立ち会う事になる。






搭乗員以外の視点での記録はレア。







主計科でも一度切りの体当たり攻撃には批判的というかはっきり反対だった。







出撃前の壮行会の夜、作者は宴を離れ木陰に一人佇むベテラン偵察員原田飛曹長の姿を見かけた。





原田飛曹長が低く歌っていたのは…






「赤とんぼ」






晩秋の松山の子供たちを思い出し仏縁を感じる著者。






こういう状況でこの歌が歌われた時代もあった。






同期の主計科士官に「若い搭乗員に俺死ぬのが怖いんですって泣かれた、どうしよう?」と大粒の涙を浮かべながら打ち明けられたのもこの夜。





この名も知れぬ若い搭乗員も最期の夜で相手が兵科でないから本音を漏らせたのだろう。貴重な記録。
















この他知られざる話満載で俺はこれからもこの本を折に触れて紐解くだろう。






破った箇所(セロテープで貼り合わせた)を見る度に罪悪感を覚えながら。







これを機に断酒?









それは無いが。















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