異世界逝きて、掌からは菓子が出る

ヤマナカさん

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導入【異世界に逝く】

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××02年夏、日本某所。

  望月 徹(もちづき とおる)はバイト先が珍しく繁盛したことにより残業を強いられ、いつもとは違い夜の街を自宅へ向かい歩いていた。

急な団体客への対応や、店長の誤発注の処理、シフトの人間の無断欠勤、ゲロ吐いた客の後始末、今日だけで今までのアルバイト中に考えていた起こって欲しくない出来事を全網羅した気がする。


「はぁ、疲れた....もうすぐにでも休みたい」


  徹の足取りは重く、残業中にあれだけ焦がれた帰路も億劫であるように感じられる程で、帰りたいけど動きたくないそんな気持ちでいっぱいだった。

  ちょうど目の前にコンビニと公園を見つけたので帰る前に人心地つこうとコンビニに入り、お気に入りのお菓子とペットボトルの紅茶を買って公園のベンチに腰掛けた。

背もたれに体を預けてお菓子と紅茶を口に放り込むと少しだけ落ち着いた気がして自然と口から息を吐いた。


「あ゛ぁ゛....生き返る~」


 見上げれば星空が.....街中なので見えるわけもないが、余裕が出来た徹には暗い空も満天の星空に見えなくもなかった。
 「宇宙に比べれば今日の出来事なんてゴミだな」的なこと考えるくらいにはメンタルの回復ができた。
いや、んな訳あるか。めっちゃムカつく

余計なことを考えたせいで更に疲れた気がして伸び、欠伸、だらけるの3コンボを決め、
そのまま特に何をする訳でもなくしばらくボーッと空を見上げていた。

さて、ダラダラとバイト戦士の帰り道を描写してみたがこの話は異世界転生ものである。
例に漏れず彼にも不幸が訪れるのであった。

徹はやけに煌めく星空にふと違和感を覚えた。


「.......なんか、でかくなってないか?」


目を凝らしてみると確かに煌めきは徐々に大きくなっていき違和感は実感に変わった、煌めく物体は正しく鉄骨であった。

隣の工事中のビルの屋上でクレーンかなにかで吊られてたんだか保管されていたんだか、よく分からない鉄骨数本が、徹の頭上目掛けて降り注いだ。


「あ」


気付けても反応できるはずもなく、鉄骨は徹の頭部を砕き、貫き呆気なくあまりにも雑な終わりを迎えた。
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