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144話 男の夢
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荷物を預けるためにロビーに入ると、明らかにほかのお客とは違う待遇を受けた。
慣れた手振りでそれを受け流した有咲は、カードキーを受け取ると軽い話を終え、こちらに戻って来る。
「ほい、男子部屋のキーは響っちに渡しとくねー」
「っちぇー、こんなに女子に囲まれてるのにまた響と二人きりかよー」
響は有咲と同じ呆れた目をしながらカードキーを受けとった。
女性陣は二、三で別れるらしく、二人部屋は透子と有咲が挙手をした。
「なら私たちは三人部屋だねっ」
「っおぉ、お友達とのお泊まり!林間学校に次いで二回目だ!」
三人がほのぼのとした会話をしている中、隣に居る佑馬は肩をチョイチョイと叩いてくる。
その顔は何かを企んでいる顔だった。
「…なぁ響さんよぉ、今有咲さんから聞いたんだけどよぉ」
有咲の顔を見ると『言わなきゃ良かった』と思っていそうな顔をしながら、おでこに手を当てていた。
「有咲さん…いや、有咲様のご好意でもう一つ部屋を取っているらしいっ!そこは、大部屋でみんなが余裕で入れるぐらいの間取りなんだとよっ」
「…つまり?」
佑馬は周りを確認した後、耳元で囁いてくる。
「…男子禁制の女子の聖域に混ざることが出来るかもしれないっ」
佑馬の考えを簡単に言うならば『男女が共に一夜を明かすことができる』ということだろう。
そんな経験普通の学生生活を送っていたら、まず有り得ない。
だがしかし、それがこの旅行中に叶うかもしれない。
「…留める口実は?」
「…付け入るようで悪いが、天使さんを使おう」
確かに、美神はみんなで遊ぶことに憧れがあると言っていた。
動悸は不純ではあるが目的は同じ。後で美神をこちら側に引き入れよう。
「そこの男子二人ー?鼻の下伸ばしてなんのお話?」
「っ兎佐美さん!?なんでもないなんでもない!」
「同意見だ」
『ふーん』と嘘をついていることがバレていそうなジト目で見つめられたが、それ以上は追求されることは無かった。
「響さんっ美神さんが『大部屋でみんなとゲームがしたい』との事なんですが、私も皆さんと遊びたいと思っていて…お二人はどうですか?」
「さすが菖蒲だ。俺が考えていたことを先取りしてくれる。もちろん参加させてもらう」
思わぬ協力者のおかげもあり、響と佑馬の男たちの夢は目前となった。
「ふぅ、ここの温泉は気持ちがいいな」
「そうだな」
温泉に肩まで浸かる響たちだが、そんな素直な感想だけを考えているはずがない。
こんな使い方はしたくないが、林間学校の時に一度使っている。天賦の才を最大限に生かし、女性陣が露天風呂に移るタイミングを測る。
「っそれじゃ、露天風呂行ってみよっかな」
「透子殿!我もお供させていただく!」
その二人につられ、ほかの女性陣も露天風呂へ向かった。
「佑馬時間だ」
「おう、お前と親友で良かったよ」
拳を付き合わせながら、全裸のまま外へ向かう。
慣れた手振りでそれを受け流した有咲は、カードキーを受け取ると軽い話を終え、こちらに戻って来る。
「ほい、男子部屋のキーは響っちに渡しとくねー」
「っちぇー、こんなに女子に囲まれてるのにまた響と二人きりかよー」
響は有咲と同じ呆れた目をしながらカードキーを受けとった。
女性陣は二、三で別れるらしく、二人部屋は透子と有咲が挙手をした。
「なら私たちは三人部屋だねっ」
「っおぉ、お友達とのお泊まり!林間学校に次いで二回目だ!」
三人がほのぼのとした会話をしている中、隣に居る佑馬は肩をチョイチョイと叩いてくる。
その顔は何かを企んでいる顔だった。
「…なぁ響さんよぉ、今有咲さんから聞いたんだけどよぉ」
有咲の顔を見ると『言わなきゃ良かった』と思っていそうな顔をしながら、おでこに手を当てていた。
「有咲さん…いや、有咲様のご好意でもう一つ部屋を取っているらしいっ!そこは、大部屋でみんなが余裕で入れるぐらいの間取りなんだとよっ」
「…つまり?」
佑馬は周りを確認した後、耳元で囁いてくる。
「…男子禁制の女子の聖域に混ざることが出来るかもしれないっ」
佑馬の考えを簡単に言うならば『男女が共に一夜を明かすことができる』ということだろう。
そんな経験普通の学生生活を送っていたら、まず有り得ない。
だがしかし、それがこの旅行中に叶うかもしれない。
「…留める口実は?」
「…付け入るようで悪いが、天使さんを使おう」
確かに、美神はみんなで遊ぶことに憧れがあると言っていた。
動悸は不純ではあるが目的は同じ。後で美神をこちら側に引き入れよう。
「そこの男子二人ー?鼻の下伸ばしてなんのお話?」
「っ兎佐美さん!?なんでもないなんでもない!」
「同意見だ」
『ふーん』と嘘をついていることがバレていそうなジト目で見つめられたが、それ以上は追求されることは無かった。
「響さんっ美神さんが『大部屋でみんなとゲームがしたい』との事なんですが、私も皆さんと遊びたいと思っていて…お二人はどうですか?」
「さすが菖蒲だ。俺が考えていたことを先取りしてくれる。もちろん参加させてもらう」
思わぬ協力者のおかげもあり、響と佑馬の男たちの夢は目前となった。
「ふぅ、ここの温泉は気持ちがいいな」
「そうだな」
温泉に肩まで浸かる響たちだが、そんな素直な感想だけを考えているはずがない。
こんな使い方はしたくないが、林間学校の時に一度使っている。天賦の才を最大限に生かし、女性陣が露天風呂に移るタイミングを測る。
「っそれじゃ、露天風呂行ってみよっかな」
「透子殿!我もお供させていただく!」
その二人につられ、ほかの女性陣も露天風呂へ向かった。
「佑馬時間だ」
「おう、お前と親友で良かったよ」
拳を付き合わせながら、全裸のまま外へ向かう。
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