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第一章
子宝封印
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「まずガロから話されたとは思うが子宝封印を行うと1年間子宝に恵まれなくなる。つまり子ができなくなるのじゃ。」
子宝封印で子供ができなくなるってのはガロから聞いていたし、一年間ってのも確か言ってたけど、説明してって言ったから教えてくれてるんだろう。
「はい、それは聞きました。」
「うむ。正しく成功すればそれだけじゃ。ただし、失敗した場合はそれだけでは済まなくなる。」
「なるほど・・・」
よくないことが起こるのは失敗した場合ってことか。でもガロもいってたけどビャクラクさんが失敗するようなことはないとも思える。それでも一応聞いてはおきたいけどね。
「それで失敗した場合じゃが、一番最悪の場合じゃが、魔素保有量がこれ以上伸びなくなるのじゃ。」
「え、魔素保有量が伸びるって、増えるってことですか?」
「そうだ、魔素保有量は鍛えて増やすもんだ。だから初めから多いやつはそれだけ保有量の伸びもよくなる。キオの保有量はほんとにすごいもんだ。だから伸びなくなったら相当もったいないことだな。」
「もちろん儂もそれはわかっておる。そんな失敗をするつもりは毛頭ないわい。じゃが確実に完ぺきに成功させるとは儂も言えぬのじゃ。」
なるほど、魔素保有量が伸びるってのは初めて聞いたし、それが伸びなくなるかもっていうのも今聞いたところだけど、そうなることはなさそうかな?
「えっと、最悪じゃない場合でも失敗だとどんなことが起こるんですか?」
「うーむ、やはり魔素の乱れは起こる可能性があるの。」
「魔素の乱れ、ですか?」
「あぁ、その乱れによってはキオがニンゲンの姿に戻る可能性がある。じじいはそうおもってるんだよな?」
「まぁの。そして、万が一にはニンゲンの姿から変わらなくなる恐れがある。」
人間の姿に戻っちゃう可能性あるのか。というか、姿が変わらなくなる可能性もあるのか。
「それは、なんでですか?」
「あくまでもこれも仮説なんじゃが、種族変化体質の者が変化を起こすのは子をなす行為で起きる魔素融合によるものではないかと思っておる。」
魔素融合ってまた知らない単語が出てきたけど、子をなす行為っていうのでちょっと予想はできる。
「えっと、子宝封印すると子供ができなくなるってことは、その魔素融合はできなくなるんですか?」
「いや、子をなすのと魔素融合は違うものじゃ。完全に成功すればそれは封印中もできるが中途半端じゃと封印中に魔素融合もできなくなる。失敗すれば永遠にできなくなる可能性もあるのじゃ。」
予想とは違うもののようだけど、じゃあ魔素融合って何だろう?
「それだと魔素融合って何ですか?てっきり子供を作るために必要なことかと。」
「いや、それであってる。子作りに必要な中に魔素融合があるからな。だが子宝封印するのはそちらではなく基本的に他からの属性を受け付けなくするものだ。属性を混ぜることで子ができるといっただろ?」
「そういえば聞いた気がする、なるほど、そっちの封印なのね。」
ようやく何をするのかは納得できた感じがする。でも失敗すると多分魔素のほうにまで影響が行くってことか。まぁそうだったとしてもやるという意思は変わらないけどね。
「今のを聞いても封印する意思はかわらぬようじゃな。」
「はい、もちろんです。そうしないと他のことで危ないかもしれないのなら。」
「そうじゃの、ではその意思にこたえるためにもできうる限り成功させてみせる。」
「できうる限りじゃ困る。完全に成功させてくれじじい。いや、ビャクラクさん。」
ガロがビャクラクさんをビャクラクさんと静かに呼んだ。そういう風に言うのは初めて聞いたけど、その言葉には確かに信頼というか尊敬というか、そういうのが込められてたように感じる。
「・・・わかっておる。そうしたいとは思っておるのじゃ。ではキオ君、その場でいい、上の服だけ脱いで仰向けに横になってくれるかの?」
「上の服脱ぐんですね?わかりました。」
言われるままに上の服を脱いでからその場にあおむけになると、おへそのちょうど上に丸く切られた白い紙が載せられる。ちょっと見ずらいけどなんか書いてあるみたい?
「おいキオ、気になるのはわかるがしっかり寝ていろ、失敗の原因になる。目はあけてても閉じててもいいが、体を動かすな。首もしっかり床につけるんだ。」
「あ、ごめんなさい。何が書かれてるんですか?」
「書かれているのは魔方陣じゃ。これもいわゆる魔道具ということになるの。」
「魔方陣!できれば後でその魔方陣も見たいです。」
「うーむ、明日以降に余裕があればの。今日はこれが終われば帰宅するのじゃぞ?では始めるのでほんとにじっとしているのじゃ。」
「はい。」
さすがにビャクラクさんにまでそう言われちゃ、ちゃんとおとなしくしてなきゃまずい。じっと上を見てることしかできないけど、ビャクラクさんが神の上から手を当てたんじゃないかってのがわかる。
「素なるもの、至るもの、廻り廻りて色となる。他なるものとの素と素は混ざりとも、色と色との混ざりを防ぐ封印をなせ。子宝封印!」
おぉ、なんか口上があるよ!なんて思えたのもつかの間、グググっとお腹の中に何かが固まっていくような感じがしてむずむずする。でも動いちゃいけないって言われてるから、とにかく我慢!目を閉じてでもじっとするしかない。
すぐ終わるものかと思ったけど、結構長い。まだビャクラクさんの手は僕に当てられたままだし、おなかに何か固まっていく感じもなかなか収まらなかった。
ほんとに長く感じたけど、お腹の中の違和感がゆっくりと薄れていって、完全になくなるころに、ビャクラクさんの手は僕から離れていった。
「終わったのかじじい?何も変わってないように見えるが。」
「この紙をどかせばわかる。うむ、大きな失敗なくおわったようじゃの。もう見てもよいぞキオ君。」
「え?うわ、なにこれ?」
全身灰色の毛だったのに、お腹に紙が当てられていた部分だけが真っ白な毛になっちゃっていた。まぁ丸いからそれほど違和感のある感じではないけど、これも封印の影響?
「毛の色が変わるなんて初耳だぞじじい。」
「毛の色が変わることがあるが白は初めてじゃな。じゃがほかの者と同じなら一時的なもののはずじゃ、昼頃には戻るじゃろ。それ以上続くようなら明日に相談に来なさい。どのくらいの影響が出ているのかは不明じゃから、とにかく今日は家に帰ってゆっくりするとよい。」
「わかりました。」
「それと、もしかすると眠気が出るかもしれん、その場合は寝てしまうのも手じゃの。」
なんか聞いてなかった作用もあったけど、これで封印は完了のようだ。影響がどう出るかは今日一日見ないと分からないみたいだし、僕はおとなしく家に帰ることにした。
子宝封印で子供ができなくなるってのはガロから聞いていたし、一年間ってのも確か言ってたけど、説明してって言ったから教えてくれてるんだろう。
「はい、それは聞きました。」
「うむ。正しく成功すればそれだけじゃ。ただし、失敗した場合はそれだけでは済まなくなる。」
「なるほど・・・」
よくないことが起こるのは失敗した場合ってことか。でもガロもいってたけどビャクラクさんが失敗するようなことはないとも思える。それでも一応聞いてはおきたいけどね。
「それで失敗した場合じゃが、一番最悪の場合じゃが、魔素保有量がこれ以上伸びなくなるのじゃ。」
「え、魔素保有量が伸びるって、増えるってことですか?」
「そうだ、魔素保有量は鍛えて増やすもんだ。だから初めから多いやつはそれだけ保有量の伸びもよくなる。キオの保有量はほんとにすごいもんだ。だから伸びなくなったら相当もったいないことだな。」
「もちろん儂もそれはわかっておる。そんな失敗をするつもりは毛頭ないわい。じゃが確実に完ぺきに成功させるとは儂も言えぬのじゃ。」
なるほど、魔素保有量が伸びるってのは初めて聞いたし、それが伸びなくなるかもっていうのも今聞いたところだけど、そうなることはなさそうかな?
「えっと、最悪じゃない場合でも失敗だとどんなことが起こるんですか?」
「うーむ、やはり魔素の乱れは起こる可能性があるの。」
「魔素の乱れ、ですか?」
「あぁ、その乱れによってはキオがニンゲンの姿に戻る可能性がある。じじいはそうおもってるんだよな?」
「まぁの。そして、万が一にはニンゲンの姿から変わらなくなる恐れがある。」
人間の姿に戻っちゃう可能性あるのか。というか、姿が変わらなくなる可能性もあるのか。
「それは、なんでですか?」
「あくまでもこれも仮説なんじゃが、種族変化体質の者が変化を起こすのは子をなす行為で起きる魔素融合によるものではないかと思っておる。」
魔素融合ってまた知らない単語が出てきたけど、子をなす行為っていうのでちょっと予想はできる。
「えっと、子宝封印すると子供ができなくなるってことは、その魔素融合はできなくなるんですか?」
「いや、子をなすのと魔素融合は違うものじゃ。完全に成功すればそれは封印中もできるが中途半端じゃと封印中に魔素融合もできなくなる。失敗すれば永遠にできなくなる可能性もあるのじゃ。」
予想とは違うもののようだけど、じゃあ魔素融合って何だろう?
「それだと魔素融合って何ですか?てっきり子供を作るために必要なことかと。」
「いや、それであってる。子作りに必要な中に魔素融合があるからな。だが子宝封印するのはそちらではなく基本的に他からの属性を受け付けなくするものだ。属性を混ぜることで子ができるといっただろ?」
「そういえば聞いた気がする、なるほど、そっちの封印なのね。」
ようやく何をするのかは納得できた感じがする。でも失敗すると多分魔素のほうにまで影響が行くってことか。まぁそうだったとしてもやるという意思は変わらないけどね。
「今のを聞いても封印する意思はかわらぬようじゃな。」
「はい、もちろんです。そうしないと他のことで危ないかもしれないのなら。」
「そうじゃの、ではその意思にこたえるためにもできうる限り成功させてみせる。」
「できうる限りじゃ困る。完全に成功させてくれじじい。いや、ビャクラクさん。」
ガロがビャクラクさんをビャクラクさんと静かに呼んだ。そういう風に言うのは初めて聞いたけど、その言葉には確かに信頼というか尊敬というか、そういうのが込められてたように感じる。
「・・・わかっておる。そうしたいとは思っておるのじゃ。ではキオ君、その場でいい、上の服だけ脱いで仰向けに横になってくれるかの?」
「上の服脱ぐんですね?わかりました。」
言われるままに上の服を脱いでからその場にあおむけになると、おへそのちょうど上に丸く切られた白い紙が載せられる。ちょっと見ずらいけどなんか書いてあるみたい?
「おいキオ、気になるのはわかるがしっかり寝ていろ、失敗の原因になる。目はあけてても閉じててもいいが、体を動かすな。首もしっかり床につけるんだ。」
「あ、ごめんなさい。何が書かれてるんですか?」
「書かれているのは魔方陣じゃ。これもいわゆる魔道具ということになるの。」
「魔方陣!できれば後でその魔方陣も見たいです。」
「うーむ、明日以降に余裕があればの。今日はこれが終われば帰宅するのじゃぞ?では始めるのでほんとにじっとしているのじゃ。」
「はい。」
さすがにビャクラクさんにまでそう言われちゃ、ちゃんとおとなしくしてなきゃまずい。じっと上を見てることしかできないけど、ビャクラクさんが神の上から手を当てたんじゃないかってのがわかる。
「素なるもの、至るもの、廻り廻りて色となる。他なるものとの素と素は混ざりとも、色と色との混ざりを防ぐ封印をなせ。子宝封印!」
おぉ、なんか口上があるよ!なんて思えたのもつかの間、グググっとお腹の中に何かが固まっていくような感じがしてむずむずする。でも動いちゃいけないって言われてるから、とにかく我慢!目を閉じてでもじっとするしかない。
すぐ終わるものかと思ったけど、結構長い。まだビャクラクさんの手は僕に当てられたままだし、おなかに何か固まっていく感じもなかなか収まらなかった。
ほんとに長く感じたけど、お腹の中の違和感がゆっくりと薄れていって、完全になくなるころに、ビャクラクさんの手は僕から離れていった。
「終わったのかじじい?何も変わってないように見えるが。」
「この紙をどかせばわかる。うむ、大きな失敗なくおわったようじゃの。もう見てもよいぞキオ君。」
「え?うわ、なにこれ?」
全身灰色の毛だったのに、お腹に紙が当てられていた部分だけが真っ白な毛になっちゃっていた。まぁ丸いからそれほど違和感のある感じではないけど、これも封印の影響?
「毛の色が変わるなんて初耳だぞじじい。」
「毛の色が変わることがあるが白は初めてじゃな。じゃがほかの者と同じなら一時的なもののはずじゃ、昼頃には戻るじゃろ。それ以上続くようなら明日に相談に来なさい。どのくらいの影響が出ているのかは不明じゃから、とにかく今日は家に帰ってゆっくりするとよい。」
「わかりました。」
「それと、もしかすると眠気が出るかもしれん、その場合は寝てしまうのも手じゃの。」
なんか聞いてなかった作用もあったけど、これで封印は完了のようだ。影響がどう出るかは今日一日見ないと分からないみたいだし、僕はおとなしく家に帰ることにした。
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