そこは獣人たちの世界

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第一章

パートナー登録へ

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起きてから何とか体を動かそうと頑張って、ようやくましになってきた。日の傾き具合から見ると多分いつもの朝ご飯とお昼ご飯の間くらいの時間だ。こりゃだいぶかかっちゃったな。
もしかしたら弛緩ジェルの効果のせいもあったのかも?でも寝れば消えるって聞いてたんだけどな。ただ、まだちょっと体は痛いので動きはゆっくりな感じだ。
待ってましたと言わんばかりにガロが飯を作ってくれるかといってきたので、とりあえず残ってるパンを焼いて上げたらやっぱうめぇとちょっと感動気味に手早く食べつくしてしまった。
確か少しお腹に入れておくとか言ってキッチンいったはずだけど、ちゃんと食べれなかったか、そのときなんかあったのかな?
僕はからどの動きもゆっくりにもそもそ食べたからだいぶ食べ終わるのが遅れちゃった。これからギルドに向かってそのあとすぐ戻ってきても、多分お昼になるだろうな。でもいつも通り歩けないからさらに遅くなる可能性もあるか。

「ねぇガロ、この後やっぱギルド行くの?多分帰ってくるの遅くなっちゃうと思うんだけど。」

「だろうな。体もまだ本調子じゃねぇだろ?向こうでもパートナー登録して這い終わりってわけにはいかないかもだしなぁ。でもパートナー登録は今日やっちまった方が絶対いい。」

「うーん、そっか、分かった。それじゃあ帰ってきてからだとお昼遅くなっちゃいそうだね、作っていく?」

「いや、帰ってきてから食おう。今食べたからさすがに少し遅くなるくらいは平気だ。夜になることはねぇだろうしな。」

「そう?それなら平気かな。じゃあ早く出ようか、歩くの遅くなると思うし。」

「そうだな。」

特に家から出る準備なんてないからご飯の片づけを終えたらすぐに出れるわけだけど、案の定ギルドにつくまで歩くのがちょっときつかった。歩き方もどこなく変な感じになっちゃって、気のせいだったかもしれないけど周りから見られてる気がしてならなかった。
ギルドでもパートナー登録の件をガロが受付で話したらビャクラクさんのところに行くように案内された。家よりちょっと高めの階段が、またきついんだよ、うん。

「遅かったの、何かあったのか?」

「いや、特に何かってわけじゃないが、ちょっとな・・・」

「すいません、僕がちょっと、体が痛くて歩くのが遅くて。」

「体が痛い?大丈夫かの?まさか子宝封印の影響とかではないじゃろうな?」

「いえ、その、違います。」

「違う?なぜ違うと言い切れる?なにか痛くなる原因がわかっているのかの?」

そりゃわかってるけど、どうこたえるべきかとちょっと困ったようにガロを見ると、あきらめたような顔をして溜息気味に答えた。

「いや、キオの体が痛いのは俺のせいなんだ。ちょっとやり過ぎたってやつだ。キオを責めないでやってくれ。」

「ちょっとやりすぎ?お主それはまさか、そういうことか、なら聞かなかったことにするとしよう。儂もいつでも暇ではないのだがの。」

「あぁ、分かってる、だからさっさと済ませていいぞ。」

たしかにビャクラクさんの机は書類まみれだ。この町のギルドの一番上に立つものとしていろいろ大変なんだよね、なのにあんなに訓練手伝ってもらっちゃったし、なんかお礼した方がいいかもしれないな。

「うむ、ではこの書類にお互いサインしてくれ。きちんと真名まで書くのじゃぞ?」

「あれ、マナってあんまり人に教えたりしない方がいいんじゃ?」

「さすがにパートナー同士はお互いの真名を知らなければいけない。だからこそ滅多のことではパートナー登録など行わぬのじゃ。書き終えたらもう一度丸めてお互い渡しあうので、儂は真名を見ることはない。」

「そうなんですか、なら安心ですね。」

ちゃんとそのあたりは考えられた書類なんだろう。丸めてる資料を持とうとしたらガロ委が2個ともとっちゃったけど。

「キオ、まだ広げるなよ?いう前に広げそうだったし、一応俺が持っとく。じじい、終わったら顔出しした方がいいか?必要なければパートナー登録したことを下で見せてもいいんだが。」

「いや、儂がそれもやろう。」

「そうか、じゃあキオ、下の部屋に行くぞ。」

「え、下の部屋?ここでやらないの?」

「おいおい、今じじいは真名は見ないって言っただろ、書いてる所見せたら意味がないじゃねぇか。ほらいくぞ。」

それだけ言うとガロがガシっと手をつかんでなぜか引っ張ってくる。慌ててビャクラクさんのほうに振り返って声をかけておく。

「えっと、またあとできます!」

「うむ、まぁ儂が後で来るように言ったんだがの。」

そう返されながらマスタールームを後にして、引っ張られたまま二階の小部屋の一つにと入る。どうして引っ張られたんだろ、というかまだ手をつかまれたままだし。あと、体の節々また余計に痛くなっちゃったし。

「えっと、どうしたのガロ?また余計に体痛くなっちゃったんだけど?」

「いや、悪い。早くパートナー登録したくてつい、な。」

「そ、そう、まぁそれならしょうがない、かな?じゃあさっそくやろうか。」

それだけだったのとちょっと聞きたくなるような答えだったけど、すっとすぐに巻かれた申請書を渡してきたし、早くパートナーになりたいって気持ちは本当だろう。
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