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第一章
*依存度
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おかしい、キオの焼く姿を何度も見ていたんだぞ俺は。同じくらいの時間で焼いたはずなのに焼き色が明らかに薄く、柔らかすぎた。いつもの周りは歯ごたえよく、中はふんわりとしたあのパンにならない。
仕方なくもう一度火を通したら、周りのパリっとするはずのところは完全に焦げ付いて黒く変色。白い部分もすべて茶色くなり、前に食べていた固いパンほどではないが、硬くなっていた。
意気消沈のままキオのところに持っていって謝った。せっかくキオが準備してくれていたパンを台無しにしたのだ。苦笑いながらもいいよと言ってくれたが、そのあとにちょっと困ったように続けた。
「あの、ごめんガロ。腕もまだ動かすのきついの。悪いんだけど、食べさせてくれる?」
「ん、分かった。それくらいはもちろんやるさ。」
俺が焦げた部分を落として、俺の手から食べてくれて何とも言えない高揚感があったんだが、そもそも焦げた部分を俺は切ってくるべきじゃなかったか?
包丁は、あまり得意ではないが、それくらいならさすがにできたはずだ。俺としたことが落ち込みすぎて気が回らなかった・・・せめてキオの分だけの4枚で済んでよかったと思おう。
なんとか4枚食べ終えたが、口を開けて俺があげるのを待ってるのをもっと見ていたかった。俺が腹が減っていなければゆっくりやってたところだ。
「とりあえずお腹に何か入れられてよかったよ。少し落ち着いた。」
「そうか、悪かったなほんと。体は、まだまだかかりそうだな?」
「そうだね、ごはんどうする?待てそう?」
「いや、俺もかなり空腹なんだ。とりあえずキオが動けるようになるまでのつなぎを腹に入れとく。」
「そっか、ごめんね?」
「いや、いい、俺のせいでもあるからな。」
寝室を後にして久しぶりのキッチンへ。そしてキオと会う以前やっていたように角兎の肉を取り出して、フライパンでただ丸焼きにした。もうこんなのを食べることはないと思ってたんだが、今日ばかりはしょうがない。あれだけ昨日動いて空腹感がやばい。
だけどキオの作った飯が食いたいからとりあえず一匹分だけだ。溜息気味に雑にフォークで刺してかじりつく。口の中に広がった味に、思わず兎肉を皿の上に落とした。
嘘だろ、たしかにもうキオの作ったの以外は食えないか冗談で思ってたが、ほんとにそのレベルかもしれない。いや、我慢すれば食えないわけじゃないが、なるほど、これはまずい。
キオがまずい、もういらないといったのもわかる。でも焼いちまった物はしょうがない。水片手に無理やり押し込んで腹は少し膨れたが、満足感は得られなくてむしろキオの料理がよけいに恋しくなっちまった。
ダメだこれは、確かにキオとしばらくは一緒にいるつもりだ。だがいつ何が起きるかなんてわからない。仕事の内容によっては俺一人で行かなきゃいけないこともある。
だけどもう俺はキオなしではダメにされちまった。完全にあいつに染まっちまった。たしか淫行の魔族の被害にあったやつはその経験を忘れられないほどで、性的な面での支障はあったと資料に書いてあったが、生活に支障が出るほどとは書いてなかったはずだ。
いや、淫行の魔族がニンゲンだったとは限らないし、キオが同じような力を持っているかどうかもわからねぇんだが。いや、そんなことは関係ないか。もう、戻れないところまで来てるんだ。でもいいじゃないか、キオ相手なら。
寝室に戻るとまだ体を慣らそうとしてるキオを見て、そのぎこちない動きに思わず顔がにやける。でもそれよりも話さないといけないことがあるんだが、にやけた俺を見て少しだけにらむようにしてきやがった。
「ガロ?僕が体の節々痛いの、ガロのせいなんだけど?」
「悪い悪い、つい動きがかわいくてな。」
「うぅ、そうやってすぐにかわいいって気軽に言うんだもん。」
恥ずかしがって体を動かすのをやめてしまうが、それじゃあなかなか慣れないじゃないか。
「しょうがないだろ?かわいいものはかわいいんだから。でもキオはあんまり俺にかっこいいとかは言ってくれないよな?」
「うぇ!?そ、それは、か、かっこいいと思ってるし、頼りにしてるし、その、体はこんなになっちゃったけど、気持ちよかったし・・・」
あぁ、キオも俺なしではもしかしたらもう駄目になってるのかもしれないなともだえるようにつぶやくのを見て思った。お互いがお互いを必須なら、それでいいんだ。それが恋人ってもんなはずだ。
「わかった、俺が悪かったからうずくまるな。体がほぐれてたのがまた固まるぞ?ちゃんと動いてくれねぇと、俺はとりあえず小腹満たした程度だからな?早く飯作ってくれよ?」
「あ、うん、僕も一応は食べたけど、足りないし、早く作らないとだね。」
そりゃ、そうだよな、食える部分少なかったもんな。俺のせいで。うーん、少しは俺もキオを頼るだけじゃなく勉強した方がいいかもしれねぇな。キオが俺の作ったのを食べて喜ぶ姿を見るのもいいかもしれない。
パートナー登録して1、2個依頼を受ければ少しまとまった時間も取れるはずだ。そのあたりで朝は料理を教えてもらって、昼には一緒に訓練でもして、夜にはもうこんな風にならないように、しっかりキオを行為に慣らさないとな。
仕方なくもう一度火を通したら、周りのパリっとするはずのところは完全に焦げ付いて黒く変色。白い部分もすべて茶色くなり、前に食べていた固いパンほどではないが、硬くなっていた。
意気消沈のままキオのところに持っていって謝った。せっかくキオが準備してくれていたパンを台無しにしたのだ。苦笑いながらもいいよと言ってくれたが、そのあとにちょっと困ったように続けた。
「あの、ごめんガロ。腕もまだ動かすのきついの。悪いんだけど、食べさせてくれる?」
「ん、分かった。それくらいはもちろんやるさ。」
俺が焦げた部分を落として、俺の手から食べてくれて何とも言えない高揚感があったんだが、そもそも焦げた部分を俺は切ってくるべきじゃなかったか?
包丁は、あまり得意ではないが、それくらいならさすがにできたはずだ。俺としたことが落ち込みすぎて気が回らなかった・・・せめてキオの分だけの4枚で済んでよかったと思おう。
なんとか4枚食べ終えたが、口を開けて俺があげるのを待ってるのをもっと見ていたかった。俺が腹が減っていなければゆっくりやってたところだ。
「とりあえずお腹に何か入れられてよかったよ。少し落ち着いた。」
「そうか、悪かったなほんと。体は、まだまだかかりそうだな?」
「そうだね、ごはんどうする?待てそう?」
「いや、俺もかなり空腹なんだ。とりあえずキオが動けるようになるまでのつなぎを腹に入れとく。」
「そっか、ごめんね?」
「いや、いい、俺のせいでもあるからな。」
寝室を後にして久しぶりのキッチンへ。そしてキオと会う以前やっていたように角兎の肉を取り出して、フライパンでただ丸焼きにした。もうこんなのを食べることはないと思ってたんだが、今日ばかりはしょうがない。あれだけ昨日動いて空腹感がやばい。
だけどキオの作った飯が食いたいからとりあえず一匹分だけだ。溜息気味に雑にフォークで刺してかじりつく。口の中に広がった味に、思わず兎肉を皿の上に落とした。
嘘だろ、たしかにもうキオの作ったの以外は食えないか冗談で思ってたが、ほんとにそのレベルかもしれない。いや、我慢すれば食えないわけじゃないが、なるほど、これはまずい。
キオがまずい、もういらないといったのもわかる。でも焼いちまった物はしょうがない。水片手に無理やり押し込んで腹は少し膨れたが、満足感は得られなくてむしろキオの料理がよけいに恋しくなっちまった。
ダメだこれは、確かにキオとしばらくは一緒にいるつもりだ。だがいつ何が起きるかなんてわからない。仕事の内容によっては俺一人で行かなきゃいけないこともある。
だけどもう俺はキオなしではダメにされちまった。完全にあいつに染まっちまった。たしか淫行の魔族の被害にあったやつはその経験を忘れられないほどで、性的な面での支障はあったと資料に書いてあったが、生活に支障が出るほどとは書いてなかったはずだ。
いや、淫行の魔族がニンゲンだったとは限らないし、キオが同じような力を持っているかどうかもわからねぇんだが。いや、そんなことは関係ないか。もう、戻れないところまで来てるんだ。でもいいじゃないか、キオ相手なら。
寝室に戻るとまだ体を慣らそうとしてるキオを見て、そのぎこちない動きに思わず顔がにやける。でもそれよりも話さないといけないことがあるんだが、にやけた俺を見て少しだけにらむようにしてきやがった。
「ガロ?僕が体の節々痛いの、ガロのせいなんだけど?」
「悪い悪い、つい動きがかわいくてな。」
「うぅ、そうやってすぐにかわいいって気軽に言うんだもん。」
恥ずかしがって体を動かすのをやめてしまうが、それじゃあなかなか慣れないじゃないか。
「しょうがないだろ?かわいいものはかわいいんだから。でもキオはあんまり俺にかっこいいとかは言ってくれないよな?」
「うぇ!?そ、それは、か、かっこいいと思ってるし、頼りにしてるし、その、体はこんなになっちゃったけど、気持ちよかったし・・・」
あぁ、キオも俺なしではもしかしたらもう駄目になってるのかもしれないなともだえるようにつぶやくのを見て思った。お互いがお互いを必須なら、それでいいんだ。それが恋人ってもんなはずだ。
「わかった、俺が悪かったからうずくまるな。体がほぐれてたのがまた固まるぞ?ちゃんと動いてくれねぇと、俺はとりあえず小腹満たした程度だからな?早く飯作ってくれよ?」
「あ、うん、僕も一応は食べたけど、足りないし、早く作らないとだね。」
そりゃ、そうだよな、食える部分少なかったもんな。俺のせいで。うーん、少しは俺もキオを頼るだけじゃなく勉強した方がいいかもしれねぇな。キオが俺の作ったのを食べて喜ぶ姿を見るのもいいかもしれない。
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