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第一章
招集依頼
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まぁ行くことは確定としてどうこたえるのかと一人もんもんと考えていたら予想外のことばをビャクラクさんはいった。
「悩むところじゃのキオ君。じゃが、これはチャンスかもしれぬ。」
「チャンス、ですか?」
「そうじゃ。グランマスターはちょっとこういうあれなところもあるが、実力は折り紙付き。そしてその力の中にはあれもあるからの。」
「っ、過去視か。だがそんな許可取れるもんじゃねぇだろ。」
「キオ君の出生を聞かれれば嘘をつくわけにもいなぬ場合もある。逆に力を貸してもらい、下手にほかの者からつつかれぬように対策してもらうこともできるじゃろう。そういうことはしてくれる方じゃ。」
あれなところって言っちゃってたけど、さすがにビャクラクさんより上に立つ人みたいで信頼はあるようだ。ただカコシってなんのことだろう?これは後でガロに聞かなきゃわからないか。
「はぁ、しょうがねぇな。じゃあ転移石をくれ。」
「・・・送られてきておらぬ。」
「はぁ!?これはギルドからの正式な招集依頼じゃねぇってか?なら受ける気もねぇぞ?」
ちょっと切れ気味のガロにひるむことはなく、むしろ深くため息をつきながらビャクラクさんも困ったような表情をする。
「いや、正式な書類はあるのじゃが、なぜか転移石は送られてこなかったのじゃ。」
「ほう、じゃあ書類は見せてもらおうか。」
ガロがそういうとビャクラクさんもすぐに一枚の書類を見せる。さっき触っていた書類の下になっていたようだ。もしかして転移石が送られてこなかったのと関係があるのかな?
「なるほどな、あのグラマスのやりそうなことだ。多分向こうで渡せばいいと思ってんだろ。俺が持ってるのはほぼ確定だからな。持ってなくてもじじいから借りるなりできる。」
「そういうことじゃろうな。じゃがサブグランドマスターがそれを知ったら、どうなることやらじゃな。」
「え、サブグランドマスター?王都のギルドにはサブマスターがいるってこと?」
「そういうことだ。んでちょっと面倒ごとを起こしたりするグラマスを抑える役目でもある。書類はかなりきっちりしたものだから書いてるところは監視されてたんだろうが、送るところを見てなかったんだろうな。」
「うむ、儂からその件について書類を送ろうと思っておるが、希望はあるかの?向こうの不手際じゃからの。」
「時間がほしい。なんでかは、分かるだろ?」
「うむ。そう思うと転移石が送られてこなかったのは幸いかもしれぬな。」
今のビャクラクさんのことばでだいぶガロの怒りも収まったみたいだ。これならもうちょっとつついた質問しても平気かな?
「その、転移石が送られてくるのは普通なの?どんな依頼でも?」
「いや、そうではないんじゃが、王都からの招集依頼の場合はまず王都に行くことになる。そこで王都から歩くような依頼を追加で受けることもあるが、王都までの道を歩かせるというのはギルド本部としてよくないからと、転移石が送られてくるのじゃ。普通招集依頼されたらできるだけ素早く応じなければいけないからの。」
「ほら見ろキオ、この書類にもできうる限り早くってあるぞ。」
「あ、ほんとだ。でもこっから王都まで歩くとどのくらいかかるの?」
「ふむ、道中キャンプを張りながら移動することを考えれば、30、いや40日はかかるかの?」
「俺だけならともかく、キオも一緒じゃ50日かかるかもしれねぇな。旅慣れてるわけがないんだから。」
う、ここでも足を引っ張ちゃうわけか。でも一応テントを張ったことはかなり子供のころの林間学校である。あとスマホで調べれば、ってここは異世界か、同じてが通用するかはわからないや。そもそも歩くことを考えて時間がかかるって言ってるんだろうし。
「ふむ、では旅慣れていないGランクのパートナーを連れていく場合は50日かかったはずだったと記載しておこう。そうすれば最長50日は時間を取れるじゃろう。」
「あぁ、そうしてくれ。」
「時間が必要っていうのはやっぱ僕だよね。旅するにしても依頼受けるにしても、慣れてないことだらけだもんね。」
「そうだ、まだ魔物との実戦だって1度もしていない。まずは装備を整えるところからだな。」
魔物との実戦か、振ったのは木剣で当てたのは動かない木の的だもんな。魔法だってそうだし、ちょっと急に旅の中の実戦は不安だ。慣れておくにこしたことはない。
「うむ、じゃが今日早めておくとよい。キオ君、だいぶ体に来ておるようじゃからの。今日はそろそろ帰って安静にするとよい。明日に帰ってきた内容を伝えるからの。」
「あぁ、そうさせてもらう。帰ろうかキオ。」
「うん、ではビャクラクさん。また明日。」
「ほほ、また明日の。」
だいぶましにはなってきたけど、そういえば節々またちょっと痛い。うーん、こうならないようにするよう体を鍛えるのも必要かもしれない。
だって今後も絶対にガロとはするだろうから。狼種の姿になっていなきゃいけないからなんかじゃなく。ちょっと恥ずかしいけど、ガロとしたいからなんだもん。
そうなるとまたコブを入れたときにこうなっちゃうかもしれない。次は早くても3日後のはずだ。弛緩ジェルは日を置いた方がいいっていってたもんね。でもまずは招集依頼がどうなるかを知ってから、かな?
「悩むところじゃのキオ君。じゃが、これはチャンスかもしれぬ。」
「チャンス、ですか?」
「そうじゃ。グランマスターはちょっとこういうあれなところもあるが、実力は折り紙付き。そしてその力の中にはあれもあるからの。」
「っ、過去視か。だがそんな許可取れるもんじゃねぇだろ。」
「キオ君の出生を聞かれれば嘘をつくわけにもいなぬ場合もある。逆に力を貸してもらい、下手にほかの者からつつかれぬように対策してもらうこともできるじゃろう。そういうことはしてくれる方じゃ。」
あれなところって言っちゃってたけど、さすがにビャクラクさんより上に立つ人みたいで信頼はあるようだ。ただカコシってなんのことだろう?これは後でガロに聞かなきゃわからないか。
「はぁ、しょうがねぇな。じゃあ転移石をくれ。」
「・・・送られてきておらぬ。」
「はぁ!?これはギルドからの正式な招集依頼じゃねぇってか?なら受ける気もねぇぞ?」
ちょっと切れ気味のガロにひるむことはなく、むしろ深くため息をつきながらビャクラクさんも困ったような表情をする。
「いや、正式な書類はあるのじゃが、なぜか転移石は送られてこなかったのじゃ。」
「ほう、じゃあ書類は見せてもらおうか。」
ガロがそういうとビャクラクさんもすぐに一枚の書類を見せる。さっき触っていた書類の下になっていたようだ。もしかして転移石が送られてこなかったのと関係があるのかな?
「なるほどな、あのグラマスのやりそうなことだ。多分向こうで渡せばいいと思ってんだろ。俺が持ってるのはほぼ確定だからな。持ってなくてもじじいから借りるなりできる。」
「そういうことじゃろうな。じゃがサブグランドマスターがそれを知ったら、どうなることやらじゃな。」
「え、サブグランドマスター?王都のギルドにはサブマスターがいるってこと?」
「そういうことだ。んでちょっと面倒ごとを起こしたりするグラマスを抑える役目でもある。書類はかなりきっちりしたものだから書いてるところは監視されてたんだろうが、送るところを見てなかったんだろうな。」
「うむ、儂からその件について書類を送ろうと思っておるが、希望はあるかの?向こうの不手際じゃからの。」
「時間がほしい。なんでかは、分かるだろ?」
「うむ。そう思うと転移石が送られてこなかったのは幸いかもしれぬな。」
今のビャクラクさんのことばでだいぶガロの怒りも収まったみたいだ。これならもうちょっとつついた質問しても平気かな?
「その、転移石が送られてくるのは普通なの?どんな依頼でも?」
「いや、そうではないんじゃが、王都からの招集依頼の場合はまず王都に行くことになる。そこで王都から歩くような依頼を追加で受けることもあるが、王都までの道を歩かせるというのはギルド本部としてよくないからと、転移石が送られてくるのじゃ。普通招集依頼されたらできるだけ素早く応じなければいけないからの。」
「ほら見ろキオ、この書類にもできうる限り早くってあるぞ。」
「あ、ほんとだ。でもこっから王都まで歩くとどのくらいかかるの?」
「ふむ、道中キャンプを張りながら移動することを考えれば、30、いや40日はかかるかの?」
「俺だけならともかく、キオも一緒じゃ50日かかるかもしれねぇな。旅慣れてるわけがないんだから。」
う、ここでも足を引っ張ちゃうわけか。でも一応テントを張ったことはかなり子供のころの林間学校である。あとスマホで調べれば、ってここは異世界か、同じてが通用するかはわからないや。そもそも歩くことを考えて時間がかかるって言ってるんだろうし。
「ふむ、では旅慣れていないGランクのパートナーを連れていく場合は50日かかったはずだったと記載しておこう。そうすれば最長50日は時間を取れるじゃろう。」
「あぁ、そうしてくれ。」
「時間が必要っていうのはやっぱ僕だよね。旅するにしても依頼受けるにしても、慣れてないことだらけだもんね。」
「そうだ、まだ魔物との実戦だって1度もしていない。まずは装備を整えるところからだな。」
魔物との実戦か、振ったのは木剣で当てたのは動かない木の的だもんな。魔法だってそうだし、ちょっと急に旅の中の実戦は不安だ。慣れておくにこしたことはない。
「うむ、じゃが今日早めておくとよい。キオ君、だいぶ体に来ておるようじゃからの。今日はそろそろ帰って安静にするとよい。明日に帰ってきた内容を伝えるからの。」
「あぁ、そうさせてもらう。帰ろうかキオ。」
「うん、ではビャクラクさん。また明日。」
「ほほ、また明日の。」
だいぶましにはなってきたけど、そういえば節々またちょっと痛い。うーん、こうならないようにするよう体を鍛えるのも必要かもしれない。
だって今後も絶対にガロとはするだろうから。狼種の姿になっていなきゃいけないからなんかじゃなく。ちょっと恥ずかしいけど、ガロとしたいからなんだもん。
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