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第一章
ガロの打ち込み修行
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息も絶え絶えに座り込む。だってガロからまさか木剣とはいえ打ち込みされるとは思ってなかったんだもん。ガロは僕が座り込んだのを見て打ち込む手をやめて剣を肩にと置いてるし。
打ち込み自体はちゃんと言われてから始まったけど、正直ガロの動きについていくのがやっとだった。これでもきっと手加減してくれてるはずだ。兎を仕留めたときはあんな早かったし。
「このくらいでへばっちまったか。いや、初めて鎧着て初めて打ち込みならこのくらいが順当か。」
「順当なら、よかったんだけど、ほんとに、うけることしか、できなかったよ。」
「そりゃ打ち込む暇を与えるつもりはなかったからな。」
打ち込んできてもいいぞ、打ち込めるものならな。といわれたけど、打ち込ませるつもりは初めからなかったってことなんだね。
「そっかぁ、打ち込めなかったから、少し気落ちしてたよ。」
「見えるくらいで打ち込んだが、きちんと剣でも受けれてたじゃないか。いった通り危ないときは装甲を厚く作ってる腕周りで防げてたしな。」
多分剣で受けれたのは7割くらい。剣を持ってない方の腕で何とか受けれたのが2割くらい。受けれてない1割の大体はお腹周りで、数えてないけど何回も当たったし、装甲のない膝元くらいの場所にも8回くらいは当てられた。
「でも装甲ないところ狙ってきたときもあったでしょ、あれは結構きついよ。」
「そうだな、鎧のない足元を狙われたときはもっと剣で受けれるようにした方がいいだろう。もっともそういう小細工をしてくるような魔物はこのあたりにはいないだろう。やってくるのは人だな。」
「人?え、ちょっとまって、普通に誰かと戦う可能性があるってこと?」
「この町は治安がいいから忘れてるかもだが、さらわれたりする可能性があることを忘れるなよ?街によってはそういう被害は普通に出てる。王都ですら滅多にないが年に2,3回は起きるからな。」
「う、気を付けます。」
人間の姿じゃなくなったからといっても、さらわれる可能性は高いみたいだ。この町は平和だからつい忘れてたけど、それでも外出る時は今のところいつもガロが一緒だもんな。多分一人で出歩かないようにって意識してやってくれてるんだろう。
「ギルドに俺が仕事の時もキオもギルドに行くからよかったが、これからは別行動になる時だってあるだろうな。俺もできればずっとついていたいんだが。」
「わかってる、ガロにだって冒険者の仕事があるもんね。僕がいない方がはかどることもあるでしょ?ランクが違いすぎるもん。」
「ん、そうだな。わかってくれてるならありがたい。」
いくらパートナーになったとはいえ、僕はまだこの世界に来てまだ何日しかたってない。何年も冒険者として仕事してきたガロとはできることも差がありすぎる。わかってることとはいえ、ガロの横に並べるほどになるのは結構遠そうだな。
そのためにはずっとへばってもいられない。息だって整ってきたし、今も少しずつ追いつけるようにがんばらないと!
「よし、それでもできるだけ僕にできること増やすためにも、がんばらなくっちゃね!」
「あぁ、その勢いだ。立てたってことはここ二日の足腰の訓練が効いてるようだな。もう一度打ち込むが、次は魔素纏いをしたまま受けるんだ。できるか?」
「え、魔素纏いをしたまま?うーん、どうだろ。」
正直魔素纏いはかなり疲れる。今の打ち込みだって相当疲れたのに行けるんだろうか?でもやって行って慣れないと、本当の戦闘に使えなきゃ意味ないんだよね。
「自信ないか?確かに魔素纏いしながらの読書でだいぶ集中力持っていかれてたもんな。」
「まぁ自身はないけど、できるだけやってみる。」
「ほぉ、それならすぐに纏え。行くぞ!」
二日間とはいえまずはすぐに纏う練習から入って読書だったから、ガロが僕に木剣を向けてきて、すぐに体全体を自分の魔素で覆うことができた。でも出来上がったと同時にガロが打ち込んできた!
一応は待っててくれたっぽい、かな?打ち込んでくる剣を見て僕もそれに剣を合わせる。カツンと木剣同士がぶつかる音が響く。すぐいガロの剣が引いて再び違うところに打ち込まれる。
僕もすぐに反応して剣で何とか受け止める。でもそこから滑り混むように剣が流れてきて、僕のおなかにと木剣が当たる。でもさっきと違ってほとんど衝撃がない。
一応さっきはほとんど痛くはないけど、当てられたって感触がすごく強かったけど、もしかして剣で受けて威力が弱まった?いや、ガロが手加減を強めにしてくれた?
「感触が変だったか?魔素纏いのおかげだな。さっきと同じくらいの勢いで打ち込んだぞ。痛みは全くなかっただろ?」
「うん、さっきはちょっと衝撃があったけど、今のはほぼなかった。」
「もっと強い魔素纏いを使えれば相手の鉄剣を素手で防げたりもするくらいだ。今のままじゃ木剣でももっと強く当てたら、皮鎧の上からでも打撲後はできるだろうがな。」
「うっ、そこまではやらないでよ?」
「やらないさ。キオの体にそういう後をつけたくは、ない。」
ん、なんかちょっと言葉に詰まったような?ガロがなぜか剣の手を引いてちょっと考えこんじゃった。
「・・・いや、悪い。ちょっとキオに俺がつけた跡を残すってのも悪くないかもと思っちまった。」
「ちょ!え!?」
「剣でつけると痛すぎるかもだからやらないが、そういうプレイも今日はいいかもな?」
さすがに今剣でつけるって言いだしたりはしなかったけど、ただでさえ夜が激しいだろうことは確定なのに、そんなの許可できないよ。
「ぼ、僕は痛いのは勘弁・・・」
「ならここから30発撃ち込むすべて剣か上体だけで受け切って見せろ。一発でも足元に当たったら・・・いや、10発以上当たったら夜は本気で覚悟してもらうってのはどうだ?」
「ちょ、それ、まさか、本気?」
「冗談を言ってるように見えるか?構えろ。」
「う、ぼ、僕も意地でも受け切って見せる!」
ガロの目は本気だ。獲物を見る目だったもん。どんな手を使ってでも足元狙いの剣ははじかないと!さすがに無理やりかがんだりすれば、30発中10発も当てられないだろ。
そう思っていたんだけど、足元を狙うかに見せて上体に来た剣をそらそうとして、そのままわざとそらされて足元に当てられたり、剣をそらすのに集中しすぎて魔素纏いが切れてると指摘されて、もう一度纏ってヨシッと構えたのに当てられたりと、結局12発も当てられて散々な結果になってしまった。
打ち込み自体はちゃんと言われてから始まったけど、正直ガロの動きについていくのがやっとだった。これでもきっと手加減してくれてるはずだ。兎を仕留めたときはあんな早かったし。
「このくらいでへばっちまったか。いや、初めて鎧着て初めて打ち込みならこのくらいが順当か。」
「順当なら、よかったんだけど、ほんとに、うけることしか、できなかったよ。」
「そりゃ打ち込む暇を与えるつもりはなかったからな。」
打ち込んできてもいいぞ、打ち込めるものならな。といわれたけど、打ち込ませるつもりは初めからなかったってことなんだね。
「そっかぁ、打ち込めなかったから、少し気落ちしてたよ。」
「見えるくらいで打ち込んだが、きちんと剣でも受けれてたじゃないか。いった通り危ないときは装甲を厚く作ってる腕周りで防げてたしな。」
多分剣で受けれたのは7割くらい。剣を持ってない方の腕で何とか受けれたのが2割くらい。受けれてない1割の大体はお腹周りで、数えてないけど何回も当たったし、装甲のない膝元くらいの場所にも8回くらいは当てられた。
「でも装甲ないところ狙ってきたときもあったでしょ、あれは結構きついよ。」
「そうだな、鎧のない足元を狙われたときはもっと剣で受けれるようにした方がいいだろう。もっともそういう小細工をしてくるような魔物はこのあたりにはいないだろう。やってくるのは人だな。」
「人?え、ちょっとまって、普通に誰かと戦う可能性があるってこと?」
「この町は治安がいいから忘れてるかもだが、さらわれたりする可能性があることを忘れるなよ?街によってはそういう被害は普通に出てる。王都ですら滅多にないが年に2,3回は起きるからな。」
「う、気を付けます。」
人間の姿じゃなくなったからといっても、さらわれる可能性は高いみたいだ。この町は平和だからつい忘れてたけど、それでも外出る時は今のところいつもガロが一緒だもんな。多分一人で出歩かないようにって意識してやってくれてるんだろう。
「ギルドに俺が仕事の時もキオもギルドに行くからよかったが、これからは別行動になる時だってあるだろうな。俺もできればずっとついていたいんだが。」
「わかってる、ガロにだって冒険者の仕事があるもんね。僕がいない方がはかどることもあるでしょ?ランクが違いすぎるもん。」
「ん、そうだな。わかってくれてるならありがたい。」
いくらパートナーになったとはいえ、僕はまだこの世界に来てまだ何日しかたってない。何年も冒険者として仕事してきたガロとはできることも差がありすぎる。わかってることとはいえ、ガロの横に並べるほどになるのは結構遠そうだな。
そのためにはずっとへばってもいられない。息だって整ってきたし、今も少しずつ追いつけるようにがんばらないと!
「よし、それでもできるだけ僕にできること増やすためにも、がんばらなくっちゃね!」
「あぁ、その勢いだ。立てたってことはここ二日の足腰の訓練が効いてるようだな。もう一度打ち込むが、次は魔素纏いをしたまま受けるんだ。できるか?」
「え、魔素纏いをしたまま?うーん、どうだろ。」
正直魔素纏いはかなり疲れる。今の打ち込みだって相当疲れたのに行けるんだろうか?でもやって行って慣れないと、本当の戦闘に使えなきゃ意味ないんだよね。
「自信ないか?確かに魔素纏いしながらの読書でだいぶ集中力持っていかれてたもんな。」
「まぁ自身はないけど、できるだけやってみる。」
「ほぉ、それならすぐに纏え。行くぞ!」
二日間とはいえまずはすぐに纏う練習から入って読書だったから、ガロが僕に木剣を向けてきて、すぐに体全体を自分の魔素で覆うことができた。でも出来上がったと同時にガロが打ち込んできた!
一応は待っててくれたっぽい、かな?打ち込んでくる剣を見て僕もそれに剣を合わせる。カツンと木剣同士がぶつかる音が響く。すぐいガロの剣が引いて再び違うところに打ち込まれる。
僕もすぐに反応して剣で何とか受け止める。でもそこから滑り混むように剣が流れてきて、僕のおなかにと木剣が当たる。でもさっきと違ってほとんど衝撃がない。
一応さっきはほとんど痛くはないけど、当てられたって感触がすごく強かったけど、もしかして剣で受けて威力が弱まった?いや、ガロが手加減を強めにしてくれた?
「感触が変だったか?魔素纏いのおかげだな。さっきと同じくらいの勢いで打ち込んだぞ。痛みは全くなかっただろ?」
「うん、さっきはちょっと衝撃があったけど、今のはほぼなかった。」
「もっと強い魔素纏いを使えれば相手の鉄剣を素手で防げたりもするくらいだ。今のままじゃ木剣でももっと強く当てたら、皮鎧の上からでも打撲後はできるだろうがな。」
「うっ、そこまではやらないでよ?」
「やらないさ。キオの体にそういう後をつけたくは、ない。」
ん、なんかちょっと言葉に詰まったような?ガロがなぜか剣の手を引いてちょっと考えこんじゃった。
「・・・いや、悪い。ちょっとキオに俺がつけた跡を残すってのも悪くないかもと思っちまった。」
「ちょ!え!?」
「剣でつけると痛すぎるかもだからやらないが、そういうプレイも今日はいいかもな?」
さすがに今剣でつけるって言いだしたりはしなかったけど、ただでさえ夜が激しいだろうことは確定なのに、そんなの許可できないよ。
「ぼ、僕は痛いのは勘弁・・・」
「ならここから30発撃ち込むすべて剣か上体だけで受け切って見せろ。一発でも足元に当たったら・・・いや、10発以上当たったら夜は本気で覚悟してもらうってのはどうだ?」
「ちょ、それ、まさか、本気?」
「冗談を言ってるように見えるか?構えろ。」
「う、ぼ、僕も意地でも受け切って見せる!」
ガロの目は本気だ。獲物を見る目だったもん。どんな手を使ってでも足元狙いの剣ははじかないと!さすがに無理やりかがんだりすれば、30発中10発も当てられないだろ。
そう思っていたんだけど、足元を狙うかに見せて上体に来た剣をそらそうとして、そのままわざとそらされて足元に当てられたり、剣をそらすのに集中しすぎて魔素纏いが切れてると指摘されて、もう一度纏ってヨシッと構えたのに当てられたりと、結局12発も当てられて散々な結果になってしまった。
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