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第一章
ビャクラクさんへの夕飯づくり
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ガロの家の帰路なのに、今日はガロと話して帰るわけじゃなく、ちょっと緊張してる。なんでか知らないけどビャクラクさんが夕飯を食べに来るかららしい。なんで話し合いでそうなったんだろう?ガロが自慢した?まぁしょうがない。詳しいことはじじいの食事が終わって解放されたらなって言われちゃったし。
二人が話す内容もビャクラクさんがどんなのを食べたと聞いて、ガロが答えるようなもので、僕が魔法を見たことでその属性が使えるようになったって話はない。まぁ町中でしていいような話でもないんだろうけど。
「で、キオ君。今日は何を食べさせてくれるのかの?」
「うー、考えてません。今ガロの話してた中で食べたいものがあったら作りますけど?」
「ふむ、どれもすぐできるのかの?」
「えぇ、一応は。」
今まで作ったのはどれも難しいものじゃない。といっても元の世界では時間のかかる料理だ。この世界でならすぐできるってのは作ったからこそわかってることだ。
あ、ちょっとまった、まずいかも?ガロはあんまり食事にこだわってなかったみたいけど、ビャクラクさんは色々食べたことがあるのかもしれない。僕の料理を聞いてそんなすぐできるようなものじゃないってのがわかっちゃったかも?
「ふむ、ではガロ一押しのからあげは食べたいのぉ。それと、儂は卵がかなり好きなので、オムレツとやらも食べたいの。」
「からあげはガロがまた食べたかっただけじゃ?」
「まぁ、あながち間違っちゃいねぇよ。」
「はぁ、やっぱりね。」
はぁ、でもどうしよう?別にガロは量食べるの知ってるし2種おかずを作るのは別にいいんだけど、同じからあげを二日連続ってのはちょっと僕のポリシーというか栄養面的なものというかに反するんだけどなぁ。
「あの、からあげはなしにしませんか?もしどうしてもというなら、作り立てじゃないけど届けてもいいですし、ガロがマジックポーチを使わせてくれればすぐのを渡せます。」
「ぬ?何か今日は作りたくない理由でもあるのかの?」
おっと、毛の隙間からギラリと目が光った気がする。隠し事でもあるかどうかって目だ。そんな理由じゃないし、ちゃんと言った方がいいなこれは。
「えっと、実は夕飯は同じ肉を使ったとしても調理法を変えたり、似た調理法でも肉を変えたりして全く同じのを二日連続で出すようなことはないようにしてるんです。お昼は同じようなのしか作れないので。」
「ふむ、なるほど。キオ君のこだわりか。ならば鳥肉でなくて構わない。他の揚げ物もガロに出したのじゃろ?」
「えぇ、出しました。それでいいなら芋を揚げて・・・」
「いや、俺は肉がいい。豚肉を揚げたやつにしてくれ。」
「えぇ・・・」
「儂もできれば肉を上げたのが食べてみたいかの。芋を揚げたのもそそられるが、頼んだらキオ君が持ってきてくれるのじゃろ?」
うっ、さっき言っちゃったことだから拒否はしづらい。完全に余計なことを言っちゃったな。でも黙って鳥のからあげってのはちょっと嫌だったし、しょうがない。
「じじい、俺がポーチに入れて持っていく。キオが持ってく必要はないだろ?それに俺のポーチに入れておけば揚げたすぐと同じ状態でくえるぞ?」
「ぬ、それはそうじゃが、まぁそれでもよい。ちなみにじゃが、儂もガロと同じくらい食べるが、ガロが食材を出すのはよいのか?」
「あー、まぁそれくらいはいいさ。」
僕が届けるんじゃなくガロが届けてくれるようだ。ちょっとほっとしたけど、ガロがちょっとこっちをにらんでる。うん、ごめん。余計なこと言ったせいだって目だね、ほんと。
そんな問答もありつつ家に到着。でも作るものが決まったのはよかった。なに作るか悩みすぎて頭がパンクしなくて済む。ビャクラクさん相手だと彩りとか重視した方がいいかと思ってたけど、頼まれたんだからオムレツと豚肉揚げだ。
「ところで、出来上がったの出してそれぞれ食べますか?」
「儂は3人で食べたいと思って居るが、いつもはそれぞれ食べておるのか?」
「いや、いつも一緒に食ってるぞ?急になんでそうなった?」
「いや、揚げ物は一気にできるけど、オムレツはフライパン的に1つずつになっちゃうからちょっと冷めちゃうかなって。」
「少しくらいなら構わぬ。作り終えるまで待っておくぞ。」
「まぁ、俺は待つのはいつも通りだからな。」
「了解。」
どっちも時間はたいしてかからないけど、揚げ物はやっぱり揚げたてがいいだろうから先にオムレツから作っていこう。チキンオムレツとは言われなかったし、今日は普通に卵だけで作る。ガロとビャクラクさんは卵4つで大きめのフライパンで作る。
火にかけたフライパンでバターを溶かす、フライパンの表面全体にばだーがなじんだら、溶かした卵を流しいれる。卵を溶かすときに塩コショウで味付け済みだ。あとはフライパンをゆすったり木ヘラで混ぜたりしながら焼き上げていく。
いい感じに焼けて固まってきたらフライパンにくっついてる恥の部分をしっかりヘラで取りながら包んでいく。逆側も同じようにやってひっくり返すとオムレツの形になる。
ソースはブドウで作ったワインをフライパンで煮詰めたのところに、ケチャップを入れて混ぜて作ったものにした。ただのケチャップじゃちょっと寂しいからね。
次のオムレツにとりかかりながら隣でコーン油がいい感じになったので、衣付けした豚肉も挙げていく。こっちも塩コショウで軽く味付けしてあるけど、ソースはどうするかな?
「んー、良い音じゃな。王都の料理店で似たような音は聞いたが、これはもっといい音じゃ。それににおいもいい。」
「あぁ、この音、この匂い、やっぱ腹が余計に減っちまうぜ。」
ジューという音とコーン油で揚がる匂いは確かにたまらない。作ってる僕自身も思わず喉が鳴ってしまう。でもそればっかにかまってもいられない。ちゃんとオムレツも作らないと。
僕の分は卵2つだから初めに作ったのよりすぐに出来上がる。そしてビャクラクさんのを3つ目につくる。お客さんにはできるだけあったかいのをだよね。
豚肉のほうも殻っと上がって、小さいのを味見するとサクリといい歯ごたえで出来上がった。ソースは悩んでたけど、お好みでオムレツと同じのを付ける感じでってことで。
「はい、お待たせしました。豚肉揚げとオムレツです。主食はいつも通りパンだけど。」
「おぉ、待ってたぜ、さっそく食うか!」
「ほほ、ガロがそんなにがっつくとはの。」
「あ、まって。これソースね。オムレツも豚肉揚げにも合うはず。味が足りないとかお味を変えたかったらかけてね。」
「おう、わかった。いただきます。」
「ぬ、なんだそれは?」
「あー、僕の習慣なんです。それがガロに移っちゃったんですよ。いただきます。」
「ふむ、こうか?いただきます。不思議な習慣じゃな。」
僕が手を合わせたのをまねしながらいただきますというビャクラクさんを見て、別にまねしなくてもいいのにと思ったけど、興味を持っただけなんだろう。
僕はまずオムレツに手を付ける。ソースはもちろんかける。塩胡椒だけの味付けも悪くないけど、やっぱケチャップソースがあると一気においしくなるからね。
よくお店のオムレツやオムライスは一部にソースがかかってるけど、自分で別に持ってきたソースだから全体に塗るようにかけちゃってもいいんだ。そして一口。うーん、なかなかうまくできたみたいだ。おいしい。
ちらっとビャクラクさんのほうを見ると、僕とガロが食べてるのを見ていたようだ。ガロはまず揚げ肉からいってるのがまぁ予想道理だね。大皿に盛ってきちゃったけど、全部食べちゃったりはしないかな?さすがにしないか。
ビャクラクさんも手を付け始めた。まずはオムレツからのようだ。卵が好きって言ってたけど、好きなものからいくタイプってことかな?ソースはつけないで一口食べて、毛の中から驚いたような顔を見せる。
「ガロ、おぬし、毎日このレベルのを食べておるのか?」
「ん、あぁ今日のもうまいがいつもうまいぜ?」
「ふむ、そうか。」
ちらっと僕のほうを見たけど、なんていえばいいのかわからず苦笑いになってるだろうけど笑って返しておく。ビャクラクさんも笑って帰してくれたから、まぁよかったかな?
二人が話す内容もビャクラクさんがどんなのを食べたと聞いて、ガロが答えるようなもので、僕が魔法を見たことでその属性が使えるようになったって話はない。まぁ町中でしていいような話でもないんだろうけど。
「で、キオ君。今日は何を食べさせてくれるのかの?」
「うー、考えてません。今ガロの話してた中で食べたいものがあったら作りますけど?」
「ふむ、どれもすぐできるのかの?」
「えぇ、一応は。」
今まで作ったのはどれも難しいものじゃない。といっても元の世界では時間のかかる料理だ。この世界でならすぐできるってのは作ったからこそわかってることだ。
あ、ちょっとまった、まずいかも?ガロはあんまり食事にこだわってなかったみたいけど、ビャクラクさんは色々食べたことがあるのかもしれない。僕の料理を聞いてそんなすぐできるようなものじゃないってのがわかっちゃったかも?
「ふむ、ではガロ一押しのからあげは食べたいのぉ。それと、儂は卵がかなり好きなので、オムレツとやらも食べたいの。」
「からあげはガロがまた食べたかっただけじゃ?」
「まぁ、あながち間違っちゃいねぇよ。」
「はぁ、やっぱりね。」
はぁ、でもどうしよう?別にガロは量食べるの知ってるし2種おかずを作るのは別にいいんだけど、同じからあげを二日連続ってのはちょっと僕のポリシーというか栄養面的なものというかに反するんだけどなぁ。
「あの、からあげはなしにしませんか?もしどうしてもというなら、作り立てじゃないけど届けてもいいですし、ガロがマジックポーチを使わせてくれればすぐのを渡せます。」
「ぬ?何か今日は作りたくない理由でもあるのかの?」
おっと、毛の隙間からギラリと目が光った気がする。隠し事でもあるかどうかって目だ。そんな理由じゃないし、ちゃんと言った方がいいなこれは。
「えっと、実は夕飯は同じ肉を使ったとしても調理法を変えたり、似た調理法でも肉を変えたりして全く同じのを二日連続で出すようなことはないようにしてるんです。お昼は同じようなのしか作れないので。」
「ふむ、なるほど。キオ君のこだわりか。ならば鳥肉でなくて構わない。他の揚げ物もガロに出したのじゃろ?」
「えぇ、出しました。それでいいなら芋を揚げて・・・」
「いや、俺は肉がいい。豚肉を揚げたやつにしてくれ。」
「えぇ・・・」
「儂もできれば肉を上げたのが食べてみたいかの。芋を揚げたのもそそられるが、頼んだらキオ君が持ってきてくれるのじゃろ?」
うっ、さっき言っちゃったことだから拒否はしづらい。完全に余計なことを言っちゃったな。でも黙って鳥のからあげってのはちょっと嫌だったし、しょうがない。
「じじい、俺がポーチに入れて持っていく。キオが持ってく必要はないだろ?それに俺のポーチに入れておけば揚げたすぐと同じ状態でくえるぞ?」
「ぬ、それはそうじゃが、まぁそれでもよい。ちなみにじゃが、儂もガロと同じくらい食べるが、ガロが食材を出すのはよいのか?」
「あー、まぁそれくらいはいいさ。」
僕が届けるんじゃなくガロが届けてくれるようだ。ちょっとほっとしたけど、ガロがちょっとこっちをにらんでる。うん、ごめん。余計なこと言ったせいだって目だね、ほんと。
そんな問答もありつつ家に到着。でも作るものが決まったのはよかった。なに作るか悩みすぎて頭がパンクしなくて済む。ビャクラクさん相手だと彩りとか重視した方がいいかと思ってたけど、頼まれたんだからオムレツと豚肉揚げだ。
「ところで、出来上がったの出してそれぞれ食べますか?」
「儂は3人で食べたいと思って居るが、いつもはそれぞれ食べておるのか?」
「いや、いつも一緒に食ってるぞ?急になんでそうなった?」
「いや、揚げ物は一気にできるけど、オムレツはフライパン的に1つずつになっちゃうからちょっと冷めちゃうかなって。」
「少しくらいなら構わぬ。作り終えるまで待っておくぞ。」
「まぁ、俺は待つのはいつも通りだからな。」
「了解。」
どっちも時間はたいしてかからないけど、揚げ物はやっぱり揚げたてがいいだろうから先にオムレツから作っていこう。チキンオムレツとは言われなかったし、今日は普通に卵だけで作る。ガロとビャクラクさんは卵4つで大きめのフライパンで作る。
火にかけたフライパンでバターを溶かす、フライパンの表面全体にばだーがなじんだら、溶かした卵を流しいれる。卵を溶かすときに塩コショウで味付け済みだ。あとはフライパンをゆすったり木ヘラで混ぜたりしながら焼き上げていく。
いい感じに焼けて固まってきたらフライパンにくっついてる恥の部分をしっかりヘラで取りながら包んでいく。逆側も同じようにやってひっくり返すとオムレツの形になる。
ソースはブドウで作ったワインをフライパンで煮詰めたのところに、ケチャップを入れて混ぜて作ったものにした。ただのケチャップじゃちょっと寂しいからね。
次のオムレツにとりかかりながら隣でコーン油がいい感じになったので、衣付けした豚肉も挙げていく。こっちも塩コショウで軽く味付けしてあるけど、ソースはどうするかな?
「んー、良い音じゃな。王都の料理店で似たような音は聞いたが、これはもっといい音じゃ。それににおいもいい。」
「あぁ、この音、この匂い、やっぱ腹が余計に減っちまうぜ。」
ジューという音とコーン油で揚がる匂いは確かにたまらない。作ってる僕自身も思わず喉が鳴ってしまう。でもそればっかにかまってもいられない。ちゃんとオムレツも作らないと。
僕の分は卵2つだから初めに作ったのよりすぐに出来上がる。そしてビャクラクさんのを3つ目につくる。お客さんにはできるだけあったかいのをだよね。
豚肉のほうも殻っと上がって、小さいのを味見するとサクリといい歯ごたえで出来上がった。ソースは悩んでたけど、お好みでオムレツと同じのを付ける感じでってことで。
「はい、お待たせしました。豚肉揚げとオムレツです。主食はいつも通りパンだけど。」
「おぉ、待ってたぜ、さっそく食うか!」
「ほほ、ガロがそんなにがっつくとはの。」
「あ、まって。これソースね。オムレツも豚肉揚げにも合うはず。味が足りないとかお味を変えたかったらかけてね。」
「おう、わかった。いただきます。」
「ぬ、なんだそれは?」
「あー、僕の習慣なんです。それがガロに移っちゃったんですよ。いただきます。」
「ふむ、こうか?いただきます。不思議な習慣じゃな。」
僕が手を合わせたのをまねしながらいただきますというビャクラクさんを見て、別にまねしなくてもいいのにと思ったけど、興味を持っただけなんだろう。
僕はまずオムレツに手を付ける。ソースはもちろんかける。塩胡椒だけの味付けも悪くないけど、やっぱケチャップソースがあると一気においしくなるからね。
よくお店のオムレツやオムライスは一部にソースがかかってるけど、自分で別に持ってきたソースだから全体に塗るようにかけちゃってもいいんだ。そして一口。うーん、なかなかうまくできたみたいだ。おいしい。
ちらっとビャクラクさんのほうを見ると、僕とガロが食べてるのを見ていたようだ。ガロはまず揚げ肉からいってるのがまぁ予想道理だね。大皿に盛ってきちゃったけど、全部食べちゃったりはしないかな?さすがにしないか。
ビャクラクさんも手を付け始めた。まずはオムレツからのようだ。卵が好きって言ってたけど、好きなものからいくタイプってことかな?ソースはつけないで一口食べて、毛の中から驚いたような顔を見せる。
「ガロ、おぬし、毎日このレベルのを食べておるのか?」
「ん、あぁ今日のもうまいがいつもうまいぜ?」
「ふむ、そうか。」
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