そこは獣人たちの世界

レクセル

文字の大きさ
162 / 303
第二章

グランドマスターの部屋へ

しおりを挟む
ちょっと足は重かったけど、ガロについて歩いたから、広い王都でもそれほどかからずガロがあれだとギルドを指さすくらいの位置まできた。一番広い大通り沿いが十字路に交わる一角にある使ってる土地的にも高さ的にも大きな建物だ。外観もかなりきれいに白で作られていて、入り口の2つの大扉が開きっぱなしという点を覗いてもまるで城のようだった。

「なんか、お城みたいだね、しかもたぶんここ王都の中心でしょ?」

「あぁ、よくわかったな、ここが中心だ。だがほんとの王城はこの大通りを北に行った一番先にあるぞ。一応うっすらと見えるだろ?」

「まぁ確かに見えてたけどね。」

王都の教会は南側、ガロの家も比較的南側にあったみたいで見えてなかったけど、ちょっと前から向かう方向にうっすら城が見えていた。あっちはほんとの城なんだろう。そうするとギルドは城塞とかそういった方がいいのかな?でも城なら真ん中にあったほうがいい気もするんだけど。

「ギルドが派遣を持つ前からなぜかあっちにあったんだよな。まぁこの王都の外の北側は広い範囲で魔物が現れない。だからこその北に陣取ったんだろうが、詳しくは俺もわからねぇな。」

「資料とか残ってないの?」

「俺は詳しく読んだことはないが、この王都のギルドならあるとは思うぞ。」

「そっか。」

多分見てなかったのはあんまり興味のないことだったんだろう。僕はそういう建国の話とかちょっと興味はあるけど、まぁ見る暇はないだろう。僕もそれより魔法訓練したいし。
それにしてもギルドを出入りする人が多い。僕たちもみんなが入っていく方の扉から流れに乗って中に入ると、外から見た通り中も広い。そして受付が20もあるのにどこも最低6人はならんでる。ガロが入ってきて並んでない人から一瞬目線が来た気もしたけど、気にせずガロが並ぶとすぐに目線もどっかにいったようだ。でも道中とは違って特に話すこともなく順番までゆっくりまっていた。

「お待たせいたしました。ガロ様ですね。こちらに出向いていただきありがとうございます。グランドマスターがお待ちです。五階までどうぞ。」

「あぁ、わかった。」

それだけで会話を済ますと入り口から見て左側の階段へ。下への階段があるからここも訓練場は地下のようだ。そのうち行くことにもなるだろうけど、今は上へ。階段が広いけど同じように上にいく人も多い。でも、こっちの階段を降りる人はいないようだ。って階段横の壁に上り用って書いてある。なるほど、入り口と同じようにわけてるのか。

2階、3階はセリーヌの町の2階と同じように会談室の集まりようで、ちらっと見ただけだけど部屋が多かった。そして4階は資料室のようですさまじい量の本棚が置かれていた。ここで読めるスペースは、なさそうだ。下で読めってことだろう。そして5階丸々とギルドマスタールーム。いや、ギルドグランドマスタールームというべきか。セリーヌの町と作りは確かに一緒なんだけど、広さが全然違うはずだ。僕は緊張しちゃうけど、ガロは気にも留めず階段すぐの部屋の扉をノックして開いた。
中はちょっと驚愕の光景だった。入って左側はビャクラクさんのところのような執務室となっているが、右半分は完全に生活スペース。とても高級そうなソファーが2つに、間に低めのテーブルはガラス製か?ダイニングテーブルもあるけど、こっちは木製だけど木の質が前面に出されてる感じだ。テーブルクロスの布も高級そうなのがわかるし、椅子だってまけないほど大きな背もたれが付いている。
高級感を前面に押し出したくつろぎ空間のソファーに透き通るようなエメラルドグリーンの鱗顔に立派な白いの髪、そして金のように美しい黄色の枝分かれした角を携えた和竜種といえる人が座っている。来てる服も高級銭湯で風呂上がりに着れる浴衣のようなのを着ている。その青が美しい緑の鱗肌を強調させるように妙にあってるし。
執務室の椅子のほうにはまさに執事服といえる真っ黒な服を纏うライオン、ここでは獅子種っていうんだっけ。誠実そうな人が座って何やら仕事をしていた。ど、どっちがグランドマスター?やっぱり座ってくつろいでる方かな?

「よく着たガロ、向かいに座るといい。おいセリス!お前も仕事中断だ、こっち座れ。」

「私の今している仕事は本来あなたの仕事なんですよ?まぁいいでしょう。これが終われば手伝っていただきますので。」

「うぇ、まじかよ、何とかしてくれよ?」

「Sランクへと昇格したガロへの招集依頼を正式に出せておらず、仕事を余計に増やしたのはどこのどなたでしたか?」

「あぁぁ!ぶり返すな!悪かった!あとで手伝う、今は座れ。」

「かしこまりました。」

だ、だれなのかわからないけど、セリスと呼ばれた人は結構気さくに話せているようだ。ガロが先導して僕たちは和竜の人の向かい側へ、セリスさんは和竜の人の隣にとかなり丁寧に座った。
座ってるからちょっとわかりづらいけど、多分ガロより大きい。ガタイがいいというよりはおそらく慎重に見合った大きさなんだろうけど、セリスさんは僕より大きいくらいだから並ぶとよくわかる。そんなことを考えていたけど、我慢できなかったかのように二カっと和竜の人が笑いこちらに指をさしてきた。

「そっちの子がキオ君か?聞いてた以上に似てるな、親子か何かか?」

「指をさすのは失礼ですよ。初対面の肩にはまず自己紹介が礼儀です。」

「おっとわりぃな。俺様、一応この王都でグランドマスターの地位についてるディバンだ。よろしく。」

「私は王都ギルドサブマスターのセリスです。よろしくお願いします。」

セリスさんの言葉で指差しはやめてくれて、代わりに自己紹介後にニカッと笑ってきた。やっぱりこの人がグランドマスターなんだ。そしてセリスさんはサブマスター王都だからそんな存在もいるのか。彼も穏やかにだが笑ってくれた。ここは僕も自己紹介で返すべきだろう。

「えっと、僕はキオです。まだ駆け出しですが、よろしくお願いします。」

「ガロが鍛えてる割には礼儀正しい子だなぁ!」

「俺が鍛えてる割にはというのは余計ですよ。俺だって丁寧にしゃべってるじゃないですか。」

おぉ、ガロがすこし丁寧口調。それだけでもこの人がどれだけえらいかってのがわかる。でもかなりしゃべりにくそうだ。

「無理に丁寧にしゃべらずとももう大丈夫ですよ。あなたはすでにSランクいくらSSランクで王都のグランドマスターとはいえ、もともと礼儀正しいとは言えない方ですからね。」

「おい、それは俺様に対して失礼すぎやしないか!?まぁ言葉を崩すのはSランクだ、もう何も問題ないだろ。」

「そうだったのか。ならしゃべりやすくはなさせてもらうぞ。」

切り替えはやっ!いや、それだけていねいにしゃべるのめんどうだったんだろうなぁ。でもだいぶ砕けて話すグランドマスターのディバンさんさえSランクだから問題ないと言っていた。つまりAランクだった時はずっとあの調子で、それを崩していいと言われもしなかったんだろう。うん、僕は丁寧にしゃべったほうがよさそうだな。というかあんま声出さないでおこう。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

ふたなり治験棟 企画12月31公開

ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。 男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!

禁断の祈祷室

土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。 アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。 それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。 救済のために神は神官を抱くのか。 それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。 神×神官の許された神秘的な夜の話。 ※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...