そこは獣人たちの世界

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第二章

三神の話

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何を言われるかとちょっと不安な気持ちで向かい側に座った。いまだに不満げな顔なままで、やっぱあのディバンさんとの会話内容に不満なところがあったんだろう。でも何も言ってこない、あんまりにも沈黙がきついからこっちから話した方がいいかな。

「えっと、ガロ?なんか話してたことでいやだったり不満だった部分があった?それだったらごめん。」

「ん?あぁ、違う違う。なぁキオ、そのスマホってやつで大抵のことは調べられるって言ったな?」

「え?うん、僕の世界のことなら、ね。」

「そうか。」

そういうとまたすごい険しい顔になった。もしかして考え事してる顔なのかな?いや、他の考え事の時はこんな顔じゃなかったはずだけど。

「キオ、確か前にスマホでこの世界に似たような物語があるて言ってたな?」

「え?うん、異世界っていうジャンルの物語だね。」

「ならそういう物語の中に、元の世界に戻る話もあったんじゃないか?」

「・・・まぁ、あったね。」

もしかして僕が元の世界に戻るかどうかみたいな話をしてるのかな?でもどうして急に?

「キオとしては、この世界に居続けたいのか?」

「うん、というか帰っても、ほとんどなんもないからね。」

「そうか、なら元の世界に戻りそうなことにならないように、そういう話を俺も読み込んでおきたいと思う。」

あ、そっちの方なのか。でもそれは・・・

「それは、あんまり意味ないかな。」

「っ!なんでだ?その物語を読んでいたからこそ、魔法の上達が早いと思っていたんだが。」

「うーん、それもあるかもだけど、でもそれ以上にそもそも物語だからあんまりにもいろんな話がありすぎて参考にしてたらきりがないよ。」

「そう、なのか?」

「うん。例えば神の力を借りて元の世界に戻るとか、召喚した人たちが力をまたつかって戻すとか、そういう話はよくあるけど、どっちも僕はこの世界で出会ってない。」

まぁ後者の方は僕もあんま見ない話だけど、この方がガロも納得がいくだろう。一緒に小説読むのは楽しそうだけど、なによりいちいちスクショで読むのは大変そうだ。

「なるほど、神か。そういえばキオには俺たちの神のことを話してなかったな。」

「え?うん。加護をもらえるっていうんで教会に入ったけど、あの女神像を見たくらいだね。」

「あぁ、あれが魔の女神ガルダシヒアだな。魔法関連の力を得られるとまつられている。」

「あれ、その言い方だと他の神様もいるの?」

そういえば王都の教会の奥にはちらっと見ただけだけど3体の像があったはずだ。

「あぁ、命の創神マイシャリフィと法の裁神レグテシェリアだな。」

「命はわかるけど、法?法律とかかな?」

「俺も詳しくは3神について知らないが、レグテシェリアは他二人の神をさばける立場でもあるとか聞いたな。」

「え、じゃあ一番偉いの?」

「さぁな?だが3体飾ってあるところは真ん中が創神、左が女神、右が裁神だな。」

そういえば一番左だけ女性的だったっけ。他2体は忘れちゃったな。また見に行く機会があれば見ておこう。

「だが、神については眉唾だな。確かに加護をもらえるからいないと言い切れはしないんだが、見たなんて言うやつがいても頭がくるってるか、虚言者とおもわれるだろうな。」

「うっ、なるほど。」

属性の加護は確かにもらってて、それを神のおかげとは思ってるけど、いたりするようなものじゃないってことかな。それとも加護をもらえてることすら別に神のおかげとは思ってないのかも。

「戻さないで下さいと神頼みってのはあまり意味がなさそうだな。」

「でも戻るかどうかはそんなに悩むことじゃないと思うんだけど。」

「ん?なんでだ?ふとした拍子に起こりうるかもしれないんだろ?」

「それは、そうだけど。何で起こるのかわからないことを構えてても防げるようなものじゃないし。もちろん、僕だって帰りたくはないけどさ。」

正直棍の世界のほうが楽しいし、何よりガロがいる。もう戻りたいとは一切思ってない。時計みたいにこっちにいろいろ持ち込みたい技術とかはちょっとあるけど。

「はぁ、それもそうか。キオ、今日はほんとはあの後ギルドで遠征依頼を受けてその準備のつもりだったんだが、これだけ早く帰ってこれた。」

「え?う、うん。」

「昼飯の後、いいか?」

「う、うん。」

何をと入ってこなかったけど、何をするのかは分かった。どうやら今日の話で僕が元の世界に戻りたい気持ちになったんじゃないかと悩んでたっぽい?時計の話だけでどうしてとも思ったけど、不便っていったりしてたからかな?
ガロが不安に思って僕とすることで少しでも取り除けるなら、僕は構わない。むしろ、そういうことならしたいとすら思ってしまう。

「じゃあ昼飯にしよう。作ってくれるんだろ?」

「もちろん、できる限りではね。ほんとは王都の食材見ていろいろ決めたかったんだけど。」

「それは明日のお楽しみだな。とりあえずあるもので済ませてくれ。」

「了解。」

ちょっとご飯のあとのことに思いが行きすぎちゃったけど、まずはお腹を満たさないと、ガロについていくには栄養、必要だもんね。
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