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第二章
時計の図写し
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写真騒ぎもひと段落したので、目的の時計の構造をスマホで調べてみる。えっと、なにこれ?手巻き式、自動巻き式、クオーツ式?この電波時計はさすがに無理だろう。いや、魔道具としてなら作れるのか?
とにかくこれを見せれないと口では説明できるとは到底思えない。僕のスマホは音量のボタンと電源のボタンしかないシンプルなものだけど、音量を下げるボタンと電源ボタンの同時押しでスクリーンショットが取れたはずだ。
試してみると、ちゃんとスクリーンショットが取れた。でも文字と画像の関係で3回くらいに分けないと全部見せれないな。あ、その前にこれが見れるのかどうかだな。とったスクショの画面は何も触らなければといって切り替わらない。まずはガロに確認してもらおう。
「ガロ、これは見れる?」
「っ!なんだこれは!?設計図、か?これがとけいとかいうやつか。」
「あ、見れるの?文字は読める?」
「あぁ、ちゃんと読めるぞ。こんなことができたのか。」
「さっき思いついた感じだけどね。」
「どれ、見せてみろ!」
ディバンさんが早く早くという感じで身を乗り出そうとしてきたので抑えるセリスさんもちょっと大変そうだ。手早くディバンさんたちのほうにも向けて見せてあげる。
「っ!これは、すごいですね。その魔道具はこういう設計図も映し出せるのですか?」
「えっと、そうですね。」
「まさか、キオ君の世界のことすべてがわかるのか!?」
「すべて、というほどかはわかりませんけど、調べれば大抵のことは出てきますね・・・」
あぁ、まぁそうだよね。エリさんのことで人間を知っているとしてもエリさんはスマホを持ってこれてるとは思えない。たとえ持ってこれてたとしても捕まったらしいし、奪われてるだろう。
「残念だがキオ以外は使えないものだ。写した画面以外は見せれないのはさっき見ただろ?」
「あぁ、先ほどは確かにただ黒く光っているだけだった。あれじゃキオ君以外に操作できたとしても意味がないな。」
「俺が触れたときにはどこをどう押したり触れたりしても光すらせず、真っ黒なままだった。」
「私たちのほうで操作をできない魔道具ならば、キオ君に見せてもらうことしかできませんね。」
「あぁ、だがこの構造を鍛冶職人どもに見せてやらないとな?」
「・・・正気ですか?見たところ途切れていますよね?まだ続きがあるのでしょう?」
「えぇ、続きがあります。」
僕がそういうとセリスさんはあからさまに嫌な顔をした。さっきの魔法を使うんだろうけど、さっきは乗り気だったのに今度は嫌なのかな?
「あれはセリスには消耗が激しいからな。だがこれだけのためにまた呼ぶわけにもいかないだろ?魔素増強剤を使うしかないな。」
「そうですね。あれは苦いので使いたくはないのですが。」
「お、おい、大丈夫なのか?増強剤なんて使って。」
「えぇ、大丈夫ですよ。できるだけ安全に改良したものですから。」
「それなら安心だ。」
魔素増強剤なんてあるんだと僕も使ってみたいなんて軽く考えてたけど、今の会話的に安全じゃないものもあるってことだよね?怖い薬かどうか見わけなんて僕につけられるとは思えない。あ、スマホを使えばわかるかな?
「それではとってきますので少々お待ちを。」
そういうとさっと立ち上がってすごい早歩きで執務室のほうへ。そしてすぐに小瓶を3つ持ってきた。ついでに胸元に刺さってたはずのさっき写した紙がなくなっていた。どっちかっていうとそれを置きに行きたかったっぽい?
「よしやるぞ。いいかいキオ君?」
「どうぞ。」
そこからはさっきと同じように僕が出したスクショを紙に映していく。2枚終わったところでセリスさんが小瓶を手に取って苦々しい顔をしながら飲み込んでいた。魔素の消費が多いって言ってたけどディバンさんは平気そうな顔してるな。多分だけど、相当魔素保有量多いんだろう。
3枚目とさらに説明文のところも写されて、さらに時刻の概念の説明まで出すように言われて休憩をはさみつつ結局8枚を写して終了した。これで時計が広まって時刻の概念が広まったらうれしいな。
セリスさんは終わった後に二本目を見ていたけど、結局飲んだのはあの一回だけだったな。かなり魔素保有量が回復するのか?それとも増えたりまでするのかな?飲みたくはなさそうだったから頑張っただけかもしれないけど。
「大丈夫かセリス?」
「えぇ、何とか。一応もう二本までなら一日の許容量ですが、飲まないに越したことはないので。」
「下がってていいぞ。あとは解散させるだけだ。」
「いえ、それならば最後までいますよ。」
「あー、セリスさんもかなり来ているみたいだから俺たちは帰らせてもらう。いいなキオ?」
「うん、では失礼します。」
ガロだけじゃなくディバンさんももう解散といってたし、結局ちょっとほしそうにはしてたけど強引にスマホをせがまれたりはしなかったからよかった。軽くお辞儀をしてグランドマスターの部屋から退出させてもらった。
「キオ、帰ったらちょっと話がある。」
「え?うん、わかった。」
ガロの顔がいつも以上に険しく見えた。それほど何事もなく終わったつもりだったけど、なんか問題だったかな。不安な気持ちでお話ししたりも出来ず、周りの喧噪が小さく聞こえるような錯覚を感じながら王都の家まで歩いた。
とにかくこれを見せれないと口では説明できるとは到底思えない。僕のスマホは音量のボタンと電源のボタンしかないシンプルなものだけど、音量を下げるボタンと電源ボタンの同時押しでスクリーンショットが取れたはずだ。
試してみると、ちゃんとスクリーンショットが取れた。でも文字と画像の関係で3回くらいに分けないと全部見せれないな。あ、その前にこれが見れるのかどうかだな。とったスクショの画面は何も触らなければといって切り替わらない。まずはガロに確認してもらおう。
「ガロ、これは見れる?」
「っ!なんだこれは!?設計図、か?これがとけいとかいうやつか。」
「あ、見れるの?文字は読める?」
「あぁ、ちゃんと読めるぞ。こんなことができたのか。」
「さっき思いついた感じだけどね。」
「どれ、見せてみろ!」
ディバンさんが早く早くという感じで身を乗り出そうとしてきたので抑えるセリスさんもちょっと大変そうだ。手早くディバンさんたちのほうにも向けて見せてあげる。
「っ!これは、すごいですね。その魔道具はこういう設計図も映し出せるのですか?」
「えっと、そうですね。」
「まさか、キオ君の世界のことすべてがわかるのか!?」
「すべて、というほどかはわかりませんけど、調べれば大抵のことは出てきますね・・・」
あぁ、まぁそうだよね。エリさんのことで人間を知っているとしてもエリさんはスマホを持ってこれてるとは思えない。たとえ持ってこれてたとしても捕まったらしいし、奪われてるだろう。
「残念だがキオ以外は使えないものだ。写した画面以外は見せれないのはさっき見ただろ?」
「あぁ、先ほどは確かにただ黒く光っているだけだった。あれじゃキオ君以外に操作できたとしても意味がないな。」
「俺が触れたときにはどこをどう押したり触れたりしても光すらせず、真っ黒なままだった。」
「私たちのほうで操作をできない魔道具ならば、キオ君に見せてもらうことしかできませんね。」
「あぁ、だがこの構造を鍛冶職人どもに見せてやらないとな?」
「・・・正気ですか?見たところ途切れていますよね?まだ続きがあるのでしょう?」
「えぇ、続きがあります。」
僕がそういうとセリスさんはあからさまに嫌な顔をした。さっきの魔法を使うんだろうけど、さっきは乗り気だったのに今度は嫌なのかな?
「あれはセリスには消耗が激しいからな。だがこれだけのためにまた呼ぶわけにもいかないだろ?魔素増強剤を使うしかないな。」
「そうですね。あれは苦いので使いたくはないのですが。」
「お、おい、大丈夫なのか?増強剤なんて使って。」
「えぇ、大丈夫ですよ。できるだけ安全に改良したものですから。」
「それなら安心だ。」
魔素増強剤なんてあるんだと僕も使ってみたいなんて軽く考えてたけど、今の会話的に安全じゃないものもあるってことだよね?怖い薬かどうか見わけなんて僕につけられるとは思えない。あ、スマホを使えばわかるかな?
「それではとってきますので少々お待ちを。」
そういうとさっと立ち上がってすごい早歩きで執務室のほうへ。そしてすぐに小瓶を3つ持ってきた。ついでに胸元に刺さってたはずのさっき写した紙がなくなっていた。どっちかっていうとそれを置きに行きたかったっぽい?
「よしやるぞ。いいかいキオ君?」
「どうぞ。」
そこからはさっきと同じように僕が出したスクショを紙に映していく。2枚終わったところでセリスさんが小瓶を手に取って苦々しい顔をしながら飲み込んでいた。魔素の消費が多いって言ってたけどディバンさんは平気そうな顔してるな。多分だけど、相当魔素保有量多いんだろう。
3枚目とさらに説明文のところも写されて、さらに時刻の概念の説明まで出すように言われて休憩をはさみつつ結局8枚を写して終了した。これで時計が広まって時刻の概念が広まったらうれしいな。
セリスさんは終わった後に二本目を見ていたけど、結局飲んだのはあの一回だけだったな。かなり魔素保有量が回復するのか?それとも増えたりまでするのかな?飲みたくはなさそうだったから頑張っただけかもしれないけど。
「大丈夫かセリス?」
「えぇ、何とか。一応もう二本までなら一日の許容量ですが、飲まないに越したことはないので。」
「下がってていいぞ。あとは解散させるだけだ。」
「いえ、それならば最後までいますよ。」
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「え?うん、わかった。」
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