そこは獣人たちの世界

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第二章

爆属性の開花

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そのへこみにみんな降りていくので僕も降りると、エレプスさんが壁の水晶にふれた。そうするとギルドのように障壁が出来上がった。

「え、障壁?」

「あぁそうさ。爆属性、いや、爆発属性は危険な魔法でもあるからね。当然使うなら障壁は必須さ。」

「じゃあ周りの壁は?あれは障壁を作れないから使っているのかと。」

「なるほど、でも障壁はきちんとした手続きをすればギルドから借りれるよ。壁は爆発属性を使っていますよっていう趣味!あと万が一障壁を壊すような魔法になってしまった時に周りに広がらないようにね。」

つまり爆属性ならあの障壁が壊れるような魔法が使えるってこと?だとしたら爆発魔法ってすさまじいんじゃ・・・

「ヒビ一つ入れたことないだろ。オレだってあの障壁を壊すのは無理だと思ってる。」

「カレントも余計な話をするな。エレプス、壁は完全に趣味だろ。」

「ガロもカレントもわかってないな。絶対とは言えないだろ?それだけ爆発魔法にはロマンがある!」

「はぁ、だから余計な話はいい。キオに爆属性を見せてやってくれないか?」

「うん?見せるのでいいのかい?なら今使える最高傑作を!」

「普通のでいい!いやむしろできればバレットくらいがいい。」

最高傑作ってなんだろう、ちょっと気になる。派手なんだろうか。でもガロの言う通り麦芽覚えるならバレットくらいがちょうどいいよね。

「ガロ?バレットなんて見せてもしょうがないんじゃないか?」

「カレント、キオにはバレットを見せるのが一番いいんだ。」

「うん、僕もできればバレットを見せてほしいです。」

「フーン、何か訳ありってことね。まぁ最高傑作じゃ教えるのには向いてないもんね。それじゃあよく見てるといいよ。ボムバレット!」

エレプスさんが指を鳴らすと、何十個ものちいさい赤黒い魔法の塊が一瞬であらわれて、かべにむかってとんでいき、バンボンボン!とけたたましい音を鳴らしながら爆発していった。

「すごい・・・!でもすいません、もう一度、できればゆっくりと見せてくれませんか?」

「うん?まぁいいけど。発動をゆっくり?それとも壁に当たるのを?」

「発動をです。」

「いいよ、それじゃあ手の先をよく見ていて。」

さっきは指を鳴らしていたけど、今度は手を突き出してくれた。見ているところを集中しやすいようにだろう。火のような赤い粒が一つでき、火よりも濃い赤黒さに変化する。なるほど、火の上位といわれてるからね。それか僕にわかりやすいようにそうしてくれたのか。そして放たれるとあっという間に壁に当たり、ドン!とさっきよりもけたたましい音で破裂した。

「やってみます。」

「え?ま、まぁできそうなのならやってみるといいかもね。火を覚えているのなら早そうだし。」

目を閉じてイメージを集中する。火をより強く。そしてアニメとかテレビで見たあの爆発をイメージしつつ、手の突きだし、その先にと魔素を集める。いける!

「ボムバレット!」

浮き出したのは赤黒いけど米粒ほどもない小さな粒。とにかくそれを壁にぶつけてみようと打ち出すと、ふよふよとゆっくり壁に向かっていく。なんで勢いが出ないんだろう?そう思いながらもなんとか壁にはぶつけることができたけど、ポンと悲しい音を立てて破裂した。

「うぅ、ぜんぜんダメでした。」

「何言ってるんだい!?完全に爆発属性だったじゃないか!ほんとに今まで使えなかったのかい?」

「え、はい。」

「見るだけでここまでか。ガロが隠したがるのもわかる。」

「いや、俺も半信半疑だったが、ほんとに見るだけでできちまうんだな。」

えっと、どうやらエレプスさんも水竜も、指示したガロでさえもちょっと驚いてる?あんなしょぼい魔法だったけど、どうやらあのしょぼさでもすごいらしい。

「よし、わかったよ!じゃあ芸術の域の爆発になるまで何度もやってみようじゃないか!」

「はぁ、まぁそうなるよな。俺はカレントと少し上にいる。面倒は頼んだ。」

「まぁ上を使うくらいは許可するよ。ただ私室のほうは使わないでくれよ。」

「えっ!?ガロ、一緒にいてくれないの!?」

「エレプスがいるだろ?俺だって置いていきたくはないが、話があるんだ。」

「そ、そう、わかった。」

話すことがあるって言われたら僕だってわがままは言えない。多分僕のことに関する話なんじゃないかな?ただエレプスさんと二人きりは、少し不安。

「ガロ、ちょっとかわいそうじゃねぇか?」

「いいから、行くぞ。」

水竜が今度はガロに引っ張られるように降りてきた階段を上って行ってしまった。ちょっと肩を落としていると後ろからポンと肩に手を乗せられる。

「愛されてるね、君。ガロのあんな姿初めて見たよ。いい傾向だから、ガロのこと、頼むよ?」

「え?あ、はい。」

さっきまでの興奮状態とは違うエレプスさんにことさら優しい顔をされて困惑する。ガロを頼むなんて言われても僕が面倒見てもらってるんだけどなぁ。

「そのためにも!爆属性を戦闘レベルまで昇華させてあげようじゃないか!そう、芸術の域まで!」

「う・・・」

訂正、さっきの優しい顔は幻覚だったようです。それからしばらくガロと水竜が戻ってくるまで、爆属性をもっと美しく破裂させろだの、もっと激しくぶつからせろだの、難しいことを言われながら練習させられた。
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