そこは獣人たちの世界

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第二章

王都で野菜を買い込む

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店に入っていく人の波に軽く飲まれながらガロについて僕も入っていく。ざっと見ると陳列の間が広い。人もそれなりに多い。往復してゆっくり一列見て、次の列に行く感じだなこりゃ。
そしてセリーヌの町と同じようにちゃんととってのある買い物かごがつんであるんだけど、かごがかなり大きい。これだけ大きいとカートがほしいけどないんだよね、ちょっと残念。設計図渡したら作られたりしないかな?さて見ようとかごをとろうとしたら大きなかごを2つガロが持ってくれた。

「じっくり見たいだろ?俺が持っておく。」

「ありがとう。ガロはここには入ったことあるの?」

「いや、王都の食料店はこれが初めてだ。そもそも食料店はセリーヌの町で過ごすときに買いためるくらいにしかはいらないからな。」

「そうなんだ、じゃあなおさらよく見なくていいの?」

「そもそも飯作ってくれるのはキオだろ?作りたいもののための食材を買えばいい。」

「でもお金払ってくれてるのがガロだし、ガロが食べたいのでもいいんだけど。」

「ならからあげだな。」

「・・・バランス悪くなるからいろいろ買うね。」

とりあえず入ってすぐの野菜類はいろいろ買い込むこのあたりは葉物コーナーでセリーヌの町のように同じのが大量に並んでる。でも生産地の町の名前が書いてある。あ、セリーヌの町産のレタスもキャベツもあるんだ。せっかくだしセリーヌ産のがあるやつはそれを買うかな。
他にも白菜、ほうれん草、チンゲン菜、水菜、野沢菜、小松菜といろいろある。産地によって葉っぱの大きさとか茎の太さとか違い、値段もまちまちだ。とりあえずその中でも安いのを手に取っていく。そうするとベジタの町産のものばかりになっていく。レタスキャベツもセリーヌの町のより形が大きく安いようだ。

「このベジタの町って、もしかして野菜が多いの?」

「あぁ、野菜の産出が最も多いな。」

もしかしてベジタってベジタブルから来てる?いや、まさかね。葉物の続きでネギも見ると長ネギだけじゃなく太いネギや葉ネギなんかもある。でも長ネギはセリーヌにもあったけど同じ形っぽいのはベジタ産のだ。たぶん輸入ものなんだろう。
玉ねぎはセリーヌ産のがあるのでそっちを買う。さらにニラにニンニクと買い、棍野菜と果菜類のほうにと足を運ぶ。ニンジン、ダイコン、ゴボウ、トマト、ナス、カボチャ、ピーマン、キュウリ、さらに奥に花野菜のミョウガ、ブロッコリー、カリフラワー、ほんとなんでもあるな。
野菜はとりあえず全種類をそれなりに入れていく。6列が野菜コーナーで、すでに大きなかご1つがいっぱい、二つ目も半分埋まってるんだけど、よかったんだろうか?

「やっぱり買い込むな。レタスとキャベツはまだあるから買わなくてもよかった気がするが。」

「あ、そっか、つい入れちゃった。戻した方がいいかな?」

「いや、俺のポーチになら余裕で入りきる。別にこのままでいいだろ。次はお待ちかねの果物だぞ。」

結構重いはずなのに軽々と野菜いっぱいの大きなかごを持ち上げて見せてくれる。さらに次の列の果物コーナーを指さされてそっちにも意識が行っちゃう。まぁガロがいいって言ってるし、甘えちゃおうか。
果物は1列の片側半分がリンゴだった。いろんな町のがある。なにこれ、どれ選べばいいの?しかも色が赤だけじゃなく、黄色っぽいの緑っぽいのとかある。悩んだ挙句、結局セリーヌの町のリンゴを少し買い足すことにした。
さらにイチゴコーナー、これも4分の1くらいを占めてる。粒もすっごい小さいのとかある。セリーヌの町産のがあるのでそれにしておこう。列の残りにはオレンジとブドウが並ぶ。どうやらリンゴでほとんどのところが争ってるみたいだ。

「リンゴ、あんなにいろんな種類があるんだな。探せば甘いのとかもあったかもしれないぞ?」

「まぁいいよ。使い慣れてるのが一番だし。でもブドウとオレンジはセリーヌにも売ってたけど、セリーヌ産のはないんだね。」

「そしたらヌット産のを買うといい。いろんな種類の果物を作っているところだ。桃もそこから少しだけ融通されてるのを買っていたはずだ。」

「ブドウとオレンジもそこから買ってるの?同じような色してるし。」

「あぁ、そうだな。その二つは量産体制ができているそうだが、他の果物はまだまだ王都に流す分ばかりらしいぞ。」

つまりほとんどの町のブドウとオレンジがヌット産ってことか。対抗してるのは、ブドウはヴァーイーンという町のようで、マスカットも作っているようだ。隣にそんなに量があるわけじゃないけど並べてある。の
「ヴァーイーンはワインつくりの町だ。ほぼ意地でブドウ生産をしているが、意外とうまく行っちまったという特例の町だな。」

「な、なるほど。」

ブドウはマスカットも併せてヴァーイーンのを買ってみる。オレンジは他に3つの町のがあるが、どれも実が小さくて正直そそられないのでおとなしくヌット産のをかう。
向かい側にはサクランボ、ザクロ、柿、ブルーベリーにブラックベリーとラズベリー、カシスにキウイ、珍しいところでハスカップなんてのも売ってたけど、さすがにハスカップは数がすごく少ないし値段も高く、あまり手を付けられてなかった。これもヌット産か。
というかこっちの列は種類がこんなにあるのに全部ヌット産だ。ちょっとだけ違う町のも棚の上隅に置かれてるけど、粒が小さかったり色がちょっとくすんでたりで値段が圧倒的に安いけど買う気にはならない。とりあえずハスカップ以外は買わせてもらうことにした。さすがに使い方がわからないや。

「あぁいうちょっと見栄えの悪いのも置いてるのか。まぁ仕入れたがはやりダメだったものばかりなんだろうな。」

「やっぱそういう感じかなぁ。さて最後の列は?」

最後の列は豆類だった。一番に目についたのはセリーヌの町で見たインゲン豆、3つの町が作ってるようだけど、一番近いのはこのビーピース産のかな。そういえば豆に手を付けてなかったや。これは買うのは保留。
さて、豆といえばあれはあるのか?まずこっち側に並ぶのはインゲンの次は赤インゲン、白インゲンそしてえんどう豆、そら豆、うずら豆、とら豆、そしてあった!大豆!

「あった!大豆があった!ならしょうゆもある?」

「なんだかわからないが目的のがあったんだな。豆は買ってなかったが、それは買っておくか?」

「うん、一応買っておくよ。」

向かい側はハーブ類になっていた。ミョウガはハーブ系じゃないんだな。まぁいいや。大葉とミントをちょっとだけ買って一階は終了。でもすでに買い物かごパンパン。

「えっと、これで一回お会計して、もう出ちゃう?」

「安心しろ、階層ごとに会計できるようになっている。王都はマジックポーチ持ちも多いからな。」

「あ、なるほど。」

ガロが指さすはいってきた方の壁には会計用の受付がずらりと並んでる。袋に詰めて持って帰る人も多いけど、ガロの持ってるようなポーチに入れてるガタイのいいひともちらほら見える。
ガロと一緒に会計に進む。一つ持つよといったんだけど渡してもらえず、次はの買いは肉と魚だぞとそそのかされつつ、結局お会計を済ませてポーチに全部しまい込んでくれた。
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