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第二章
目覚めて早々
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目を覚ますと見知らぬ天井とほのかに匂う磯の香。そしてなんだかやたらめったら体が重い。動かないってわけじゃないけど違和感がある。なんだろう?
「やっと起きたかキオ。今の状況が理解できるか?」
「ん、ガロ、おはよう?」
「おはようじゃねぇよ。夕方だぞ。」
「う、ごめん。ガロは大丈夫?」
ちょっと怒られつつもガロがいることに少し安心した。そしてリヴァイアサンに海にたたきつけられていたのを思い出す。頭真っ白になってそこからの記憶がほとんどないんだけど。
「何の話だ?」
「え、だってガロ、リヴァイアサンに海にたたきつけられてたじゃん。」
「あんくらいでどうにかなるかよ。あのくらいで動揺してるようじゃ俺のパートナー失格だぞ?」
「うっ、でもガロが吹っ飛ばされるなんて思ってもいなかったし。」
「いや、リヴァイアサンクラスにほぼ無傷だったのはドラドとカレントがいたおかげだ。本来はもっと苦戦すべき相手なんだぞ?」
「それは・・・」
なんとなくは分かってたつもりでも、ちゃんとわかってなかったから頭真っ白になっちゃったんだよね。はぁ、ガロについていくならそういうところもしっかりしたいとだよね。
「まぁいい。それより体のほうは大丈夫か?宿に着た後でよかったが体が元に戻ってるぞ。カレントとドラドに見られずにすんだのは運がよかっただけかもな。」
「戻ってる?あ、僕の体、戻ってるのか。」
言われてようやく気が付いた。体が人間に戻っている。どうやら水竜とドラドさんには見られてないらしい。何をしちゃったのかは全く覚えてないけど、二人に人間だとばれちゃっていたかもしれなかったわけだ。
まぁ8属性全部使えることも知ってるし、人間だとばらしてもいいような気もするけど、外で人間に戻るとどれだけの人に見られるかわかったもんじゃないから、そういう事態は避けないとだよね。
「のんきだな、全く。ドラドから聞いたがトランス状態に陥ったようだな。」
「トランス状態?」
「魔素を集中させてるときに何らかのことで急に集中力を著しく欠くと起きる現象だな。体内魔素を爆発的に放出してしまうんだ。大体の場合が魔素を扱いきれなくなって安定性を失い、暴走する。」
「えっと、それで僕はどうなっちゃったの?魔素を暴走させちゃった?」
「いや、奇跡的に魔法として打ち出して暴走はしなかった。ただキオの持つ魔素保有量のほとんどを出し尽くして気絶してたけどな。」
「そっか、なんというか、ごめん・・・」
謝ったってしょうがないけど、他の言葉が見つからなかった。反省はしないといけないのは確かだし。
「異常が起こったのは、いや、異常というのかもわからないが、ニンゲンに戻ったくらいで他は問題なさそうならいいんだ。だがきちんと調べたわけじゃない。魔法とかは使えるか?体は動くか?」
「体は動くよ。でも狼種の体の時と違ってなんかすごく重い。こりゃもう戻りたくないかも。後魔法だっけ?ちょっとまってね、あれ?」
とりあえず魔素を感知したり集めたりとかしようと思ったけど、魔素の感覚が全くない。どこにもない。これもしかしてトランス状態の後遺症!?
「お、おい、まさか、魔法が使えないのか?」
「そ、そうかもしれない。あ、でも、人間だから?狼種になってから魔法は使ったし。」
「あー、どうなんだろうな?じゃあとりあえず、狼種に戻るか?」
「え?あ、うん、えっと、そうする?」
「なんでキオも疑問形なんだ。安心しろ、この宿はそういうのもしていい宿だ。」
そういってぐいぐいと詰め寄ってくる。そして上の麻の服の裾に手を入れてくる。もうガロの目つきが獲物を見る目つきになってるんだけど。
「ちょ、それはいいけど、お風呂は?」
「狭いのが部屋についてるが後でいいだろ。なんというか、久々のニンゲンのキオの肌がいい。」
「んん、が、ガロ・・・」
服の中に入ってきた人の手の形と似てるけどびっしりと長い毛の生えたもさもさの手が僕のおなかを撫でまわしてくる。少しくすぐったいような、ちょっと気持ちいいような変な感じ。こんなだったっけ?撫でられる感触って。
あぁ、そうか、僕のほうが毛がなくなって肌が露出したから、撫でられる感触も違うんだ。だいぶ長い間、狼種の姿でガロとしてたからもうこっちの感覚を忘れちゃってたんだ。
「本格的に始めるぞ?」
「う、うん。じゃあ脱ぐよ。一旦どいて?」
「いや、俺が脱がしてやるよ。」
悪い顔でにやつくと、僕の上の服をするりと脱がせ、さらにズボンにも手をかけて、抵抗する間もなく脱がされる。一糸まとわぬ本当の生まれたままの姿にさせられて、思わず股間部を手で隠す。
「ちょ、早い!?」
「なんで隠すんだよ?ほら、俺は気にせず見せられるぜ。」
ガロもあっという間に服を脱ぎ捨てて、その全裸を寝ている僕にまじまじと見せてくる。特に腰を突き出して、コブの手前まですでに収納袋から出ているそこを強調するように。
思わずごくりと唾をのむ。あぁ、これだけは変わらない。あれがほしいと思ってしまう。どうしても目を奪われてしまう。こればかりはニンゲンに戻っても変わらなかった。まぁ僕がガロに夢中だということはわかりきってることか。
「やっと起きたかキオ。今の状況が理解できるか?」
「ん、ガロ、おはよう?」
「おはようじゃねぇよ。夕方だぞ。」
「う、ごめん。ガロは大丈夫?」
ちょっと怒られつつもガロがいることに少し安心した。そしてリヴァイアサンに海にたたきつけられていたのを思い出す。頭真っ白になってそこからの記憶がほとんどないんだけど。
「何の話だ?」
「え、だってガロ、リヴァイアサンに海にたたきつけられてたじゃん。」
「あんくらいでどうにかなるかよ。あのくらいで動揺してるようじゃ俺のパートナー失格だぞ?」
「うっ、でもガロが吹っ飛ばされるなんて思ってもいなかったし。」
「いや、リヴァイアサンクラスにほぼ無傷だったのはドラドとカレントがいたおかげだ。本来はもっと苦戦すべき相手なんだぞ?」
「それは・・・」
なんとなくは分かってたつもりでも、ちゃんとわかってなかったから頭真っ白になっちゃったんだよね。はぁ、ガロについていくならそういうところもしっかりしたいとだよね。
「まぁいい。それより体のほうは大丈夫か?宿に着た後でよかったが体が元に戻ってるぞ。カレントとドラドに見られずにすんだのは運がよかっただけかもな。」
「戻ってる?あ、僕の体、戻ってるのか。」
言われてようやく気が付いた。体が人間に戻っている。どうやら水竜とドラドさんには見られてないらしい。何をしちゃったのかは全く覚えてないけど、二人に人間だとばれちゃっていたかもしれなかったわけだ。
まぁ8属性全部使えることも知ってるし、人間だとばらしてもいいような気もするけど、外で人間に戻るとどれだけの人に見られるかわかったもんじゃないから、そういう事態は避けないとだよね。
「のんきだな、全く。ドラドから聞いたがトランス状態に陥ったようだな。」
「トランス状態?」
「魔素を集中させてるときに何らかのことで急に集中力を著しく欠くと起きる現象だな。体内魔素を爆発的に放出してしまうんだ。大体の場合が魔素を扱いきれなくなって安定性を失い、暴走する。」
「えっと、それで僕はどうなっちゃったの?魔素を暴走させちゃった?」
「いや、奇跡的に魔法として打ち出して暴走はしなかった。ただキオの持つ魔素保有量のほとんどを出し尽くして気絶してたけどな。」
「そっか、なんというか、ごめん・・・」
謝ったってしょうがないけど、他の言葉が見つからなかった。反省はしないといけないのは確かだし。
「異常が起こったのは、いや、異常というのかもわからないが、ニンゲンに戻ったくらいで他は問題なさそうならいいんだ。だがきちんと調べたわけじゃない。魔法とかは使えるか?体は動くか?」
「体は動くよ。でも狼種の体の時と違ってなんかすごく重い。こりゃもう戻りたくないかも。後魔法だっけ?ちょっとまってね、あれ?」
とりあえず魔素を感知したり集めたりとかしようと思ったけど、魔素の感覚が全くない。どこにもない。これもしかしてトランス状態の後遺症!?
「お、おい、まさか、魔法が使えないのか?」
「そ、そうかもしれない。あ、でも、人間だから?狼種になってから魔法は使ったし。」
「あー、どうなんだろうな?じゃあとりあえず、狼種に戻るか?」
「え?あ、うん、えっと、そうする?」
「なんでキオも疑問形なんだ。安心しろ、この宿はそういうのもしていい宿だ。」
そういってぐいぐいと詰め寄ってくる。そして上の麻の服の裾に手を入れてくる。もうガロの目つきが獲物を見る目つきになってるんだけど。
「ちょ、それはいいけど、お風呂は?」
「狭いのが部屋についてるが後でいいだろ。なんというか、久々のニンゲンのキオの肌がいい。」
「んん、が、ガロ・・・」
服の中に入ってきた人の手の形と似てるけどびっしりと長い毛の生えたもさもさの手が僕のおなかを撫でまわしてくる。少しくすぐったいような、ちょっと気持ちいいような変な感じ。こんなだったっけ?撫でられる感触って。
あぁ、そうか、僕のほうが毛がなくなって肌が露出したから、撫でられる感触も違うんだ。だいぶ長い間、狼種の姿でガロとしてたからもうこっちの感覚を忘れちゃってたんだ。
「本格的に始めるぞ?」
「う、うん。じゃあ脱ぐよ。一旦どいて?」
「いや、俺が脱がしてやるよ。」
悪い顔でにやつくと、僕の上の服をするりと脱がせ、さらにズボンにも手をかけて、抵抗する間もなく脱がされる。一糸まとわぬ本当の生まれたままの姿にさせられて、思わず股間部を手で隠す。
「ちょ、早い!?」
「なんで隠すんだよ?ほら、俺は気にせず見せられるぜ。」
ガロもあっという間に服を脱ぎ捨てて、その全裸を寝ている僕にまじまじと見せてくる。特に腰を突き出して、コブの手前まですでに収納袋から出ているそこを強調するように。
思わずごくりと唾をのむ。あぁ、これだけは変わらない。あれがほしいと思ってしまう。どうしても目を奪われてしまう。こればかりはニンゲンに戻っても変わらなかった。まぁ僕がガロに夢中だということはわかりきってることか。
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