そこは獣人たちの世界

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第三章

最上階での出会い

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めちゃくちゃ疲れてたし、魔素もかなり消耗してて眠かったけど、何とか眠らずに動けるくらいにまで回復した。寝たら絶対次の日の昼くらいまで寝てた。一応スマホを確認したらあと10分というところだけどまだ今日のうちに頂上に行ける。
とりあえず本当に頂上にガロがいるのかの確認、そしてあのガディアってリス種の主の驚くだろう顔を見てやりたい。さすがにセリスさんもガディアも言ってたしガロはいるんだろうけど。
重い体を動かしつつ階段を登る。この階段、今までこんなにつらかったっけ?いや、実際今までより高いし、なんか赤い絨毯しいてあるし。疲労感に追い打ちをかけるような階段を登りきると、金と銀がちりばめられた、まさに贅の極み富の象徴といえるような趣味の悪い部屋に到着する。その部屋に座る3人のうち、二人は見たことある顔だった。

「ガロ!それに、ディバンさん!?」

「キオ、見てたぞ。まさか本当に上り切っちまうとはな。」

「キオ君、君はその、タイミングが悪かったな。」

「タイミングが、悪い?見ていた?」

ディバンさんの言葉もよくわからなかったけど、見ていたってどういうこと?と思ったら、3人が囲むテーブルを黄色、いや金色のような鱗肌をもつ鰐種の人が突く。そこには僕が通って来た火の部屋が水晶版の上に移っていた。さらにつつけば雷の部屋や氷の部屋も、つまり、これで見てたってことか。

「まっさか、うちのガディアがやられるとは思わなかったぜ?戦い方が受ける一方だったとはいえ、なぁ?」

「はい。ゴウ様、どんな技でも防ぎきる自信がありましたが、あのダークガンの威力はすごいものでした。」

ゴウ様と呼ばれた背後にガディアは執事服を着て立っている。さっきまで普通の白い麻Tシャツと青い綿のズボンだったのに、いつの間に着替えたんだ?いや、結構僕休んでたし着替える余裕くらいはあったか。

「そうだよキオ君!いつの間に闇まで覚えたんだ?俺様が得ている情報では基本の8属性だけだったはずだ。」

「え?えっと、マーシャルさんの闇纏いを見て、今日できるようになったというか、あれが初めて使ったというか。」

「ほう?つまり練習もなく実戦に使ったということか?」

「うっ、が、ガロ。」

ガロに会えてうれしいはずなのに、明らかに怒ってて近寄りがたい雰囲気だ。抱き着いたりしたいくらいだったのにむしろ後ろに下がりたいくらいの気分だ。使う属性はちゃんと実戦レベルになるよう特訓しろと言われてたもんなぁ。

「横に来い。」

「え、えっと。」

「座れ。疲れてるだろ?さっきも言ったが、よく頑張った。えらいぞ。」

「え、あ、うん。」

もう怒ってない?というかむしろ疲れてる顔してるのはなんで?ちょっと疑問に思いつつもここ4日間ずっと会いたかったガロの横に座れて満足なので良し。あ、この金色のソファー思ってるよりもすわり心地がいい。

「それにしてもキオ君が来たのはセリスの指示だろ?まったく、俺様が片付けてくると言ったのに。後できつく言っておくから怒らないでくれよ?」

「えっと、そういえばディバンさんはなぜここに?」

「そっりゃおめぇ、うちが呼んだからな。同じSS同士、呼んだら着てもらわにゃこまるわ。」

「同じSS?」

「キオ、この方は6人のSSランクの一人、ゴウさんだ。」

「え?SSランクって5人って言わなかった?」

確か聞いてた話では5人だったはずだ。なんで急に6人目が出てくるの?まさか話を聞いた日以降にSSランクになったとか?

「表向きは5人ということになっているって話だ。ゴウは貴族として王族関係の依頼を管理する一番危険な仕事をしているからな。ゴウが冒険者だと知ってるやつのほうが少ないくらいだ。」

「冒険者で、貴族、なんですか。」

「一応うちは貴族ってことになってるからなぁ、だれにもいうんじゃねぇぞ?付き合いで奴隷も買ったしなぁ。」

「はい、お買い上げいただきました。」

なるほど、貴族ってのは嘘じゃないし、ガロより実力が上ってのもSSランクなら納得だ。でもこんな人がいるなら第7人目のSSランクの人とか出てきそうだな。

「あの、ディバンさん、ほんとに6人だけ、なんですか?」

「今のとこはな。今後上がるやつがいないとも限らねぇが。」

「まずないでしょうね。あなた方のような実績を積まないといけませんから。」

主要都市のギルドマスター、王族関係の管理、一人だけ放浪者がいるらしいけど、その人だって何かしらの偉業をした人なんだろうし、到底詰めるとは思えない実績だよね。

「それよりもや!キオ君だったっけか?君の力すごいなぁ、まさかガディア以外に8属性、いやそれ以上の属性を持ってるのか。そんなのがいるとはな。」

「キオ君は特別だからなぁ。」

「あの、ゴウさんにも話さないとダメ、なのですか?」

「まぁスマホ、だっけ?あれも見られているし、貴族や王族へのけん制としてゴウとのつながりは必要だぞ?」

「あぁ、なんか時折見てた魔道具があったな?見たことない形やったけど、それが関係あるんか?」

うっ、そういえば塔を見られてたなら堂々とつかってたスマホは見られてるか。そして僕がどうして特別なのか、話す必要があるようだ。ここは僕から切り出すべきなんだろう。

「はい、僕はその、もともと人間なのです。今は狼種の姿ですけど、場合によっては戻ります。」

「ニンゲン!?っはぁ、なるほどなぁ。それならあぁ言う加護を受けてるのも納得や。」

え、反応それだけ?いや、まぁ、人間なところ見せてみろとかそういう無茶振りされたら困るけど、受け入れが早い。

「あの、キオがニンゲンだというのに対して、それだけですか?」

「まぁなぁ、加護と魔素保有量もそうだが、何よりあれや、料理の仕方がやばい。うちもこれでも料理好きで料理のこといろいろ調べてガディアに作らせてるんだがな、あんな風には作れん。」

料理が好きと言いつつ自分でやるんじゃなくガディアにやらせるんだ。一応奴隷だし、当然ちゃ当然なのかな?でも槍を教えたりとかしたみたいだしインフィリアで見た奴隷のような扱いではないみたいだけど。

「おぉ、そういえば見てたな!あれは美味そうだった、ここで作ってみてはくれないか?」

「えっ!?」

「おぉそりゃえぇ!ガディア、キッチンスペースに案内しぃや。」

「はい。わかりました。キオ君、ついてきてくれ。」

「え、えぇ?が、ガロ?」

「はぁ、キオは疲れてるんだがな。しょうがない俺も手伝おう。」

ガロに頼ったけど手伝ってくれるってだけで断れはしなかった。ディバンさんの無茶振りにゴウさんが答えた形で決まってしまったけど、まぁご飯作るくらいならしょうがない頑張るか。
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