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第三章
突然の提案
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とりあえずこの世界に1000年ごとに人間が送り込まれてくる理由はわかったし、それが今後も続くんだなってのはわかったけど、僕が聞きたいことは別にある。
「他に聞きたいことはないか?我でもこたえられる範囲にはなるがな。」
「あの、元の世界への未練はないんですけど、元の世界での僕は死んだことになったのですか?それとも行方不明?」
「おそらくは行方が分からないということになっているだろうが、我も其方の世界を知っているわけではない。先ほども言ったようにどの世界のどういう人間がくるかはわからないのだ。わかっているのはその者が魔素保有量が高いが魔素を得ていないこと。そしてその世界においてもはや他者とのつながりが限りなく薄いというだけだ。」
「なるほど・・・」
じゃあ元の世界の僕の立場がどうなったかはわからずじまいか。まぁそれはそれでしょうがない。もう忘れるしかないだろう。世界竜が知らないんじゃどうやってもわからないだろうし。
「もう一つ聞きたい。結局こんな話をするためにわざわざ呼んだということなのか?」
「いや、真の目的は違う。この世界に来た人間は魔素保有量が高いだけでなく、器としてとても優秀なのだ。魔素がない、もしくは限りなく薄い世界から来るために魔素を得ていない。だから魔素をずっと受け続けてきた他者と交わると影響を色濃く受ける。」
「体だが変わるのはそういうことなんだ・・・」
「そうだ。そしてここの住人は器として優秀だと本能で感じ取りどうしようもなく欲してしまう。同じように人間も魔素を得たばかりだとより実感的な魔素がほしくなり、一度精に交じった魔素をもらえばさらに住人からの精を欲するようになる。」
・・・それは僕とガロが初めてあれをした大きな理由ってことだよね。今もガロのことが好きなのはただガロの魔素を体がほしがってるだけだと言われてるようで、少し悲しい気持ちになる。
「そんなことはない!俺は・・・キオを愛している。この気持ちに偽りはない。そんな本能で欲してるとかそういうんじゃねぇんだ。」
「ガロ・・・」
さっきまでのガロの冷静な表情が一瞬で失われた。それほどに僕との仲をそういう風に言われたくないと思ってくれるようになったことに、素直にうれしい。でもきっかけであることはきっと変わらない。
「我が話したのは其方らのきっかけにすぎぬ。すでにキオ、其方はほかの者に精を貰いたいと思わなくなっている。ガロ、そなたもキオがどうであれつながりを絶つつもりがないこともわかる。だがそうして人間の姿に戻れば器として優秀だと周りに発し、いつどこで何者に狙われるかわからぬというのも事実だ。」
「っ!それは、俺が必ず守るつもりだ。」
「だが先ほどの侵入者との戦いで身に染みただろう。必ずしもとは言えぬことを。」
ガロは世界竜の言葉に返せなかった。視界のちらつきとかをなくすようなほんの少しだけど世界竜が力を貸してくれて、僕が魔法を打って命中したあの魔法がなければ勝てなかったということなんだろう。
「わかっている。もっと俺も特訓しなくてはいけない。」
「そういう話ではない。我の力でキオの肉体を固定する。器としてではなく、完全にこの世界の住人として固定すればもはやキオは人間でなくなり其方と同じ狼種となる。これこそがここに呼びつけた理由だ。」
「つまり、僕が完全に狼種になるってこと?それでベラルのようなのには狙われないってこと?」
「あれはまた目的が少し違ったようだが、まぁそういうことだ。」
それはすごくありがたい話だ。だって正直この人間の体に戻っても何のメリットもない。別に人間であることにこだわりもない。むしろ人間に戻るんじゃと心配させなくて済むからガロと一緒にいやすくなるだろうしずっといい。
「それなら確かに貴族や王族連中にも目を付けられにくくなるだろう。だがニンゲンである知識やキオの魔道具などはどうなる?魔法への影響は?」
「問題ない。我が行うのは狼種として固定することのみ。むしろ魔素を放出しきり人間にと戻る方が魔素影響的に問題がある。魔素保有量の成長的には急激に成長しやすいともいえるが、これ以上急激に保有量が増えれば不安定な魔素が多く生まれ魔法の使えない状態になる恐れもある。」
「なるほど、ニンゲンに戻ると一度魔素が空になる。そこに魔素をつぎ込めば魔素保有量は確かに急激に上がるんだろうが、そりゃ不安定になるな。魔素保有量が上がらなくなる不安は?」
「ない。其方と同じように魔素保有量は増え続ける。急激な成長がないというだけだ。」
「そうか、分かった。俺はそれでいい。キオはどうする?」
ガロと世界竜の話を聞いてたけど、ガロの心配は僕の成長が止まるんじゃないかってことだったようだ。とりあえず成長は止まらないようだし、ガロがいいなら当然僕だっていい。
「うん、僕も人間の姿に未練もあんまないし、ガロがいいならいいよ。」
「そうか、その姿は、もう見れなくなるんだな。キオ本来の姿だったんだが。」
「見納めとなる。問題ないか?」
「かまわない。」
「そうか、ではまぐわい狼種の姿となれ。それで固定しよう。」
「・・・え?」「・・・は?」
僕とガロの声が重なった。この世界竜今なんと申しましたか?つまり、行為しろってこと?
「と、突然何を言い出すんだ。」
「ここでしろとは我も言わぬ。羞恥心があるだろ?何やら休憩する場所がそのままのようだからな。霧をを消すので一度戻り、まぐわってくるとよい。」
「え、いやいやいや、来るとよいって言っても・・・」
「狼種の姿になってもらわねば我でも狼種の姿で固定はできぬ。それともここでするか?」
「・・・いや、テントに戻る。霧を消してくれ。」
「承知した。落ち着く場所ではないだろうが、人間のその姿をたっぷり味わってくるとよい。」
ガロは観念したように霧を消すように頼んだら、余計な一言を付けて霧を払ってくれた。ちょうどテントが見える。ゆっくり歩いてきたのもあるだろうけど、そんな遠くない。なんか変な気分になりながらガロと一緒にテントにと戻った。
「他に聞きたいことはないか?我でもこたえられる範囲にはなるがな。」
「あの、元の世界への未練はないんですけど、元の世界での僕は死んだことになったのですか?それとも行方不明?」
「おそらくは行方が分からないということになっているだろうが、我も其方の世界を知っているわけではない。先ほども言ったようにどの世界のどういう人間がくるかはわからないのだ。わかっているのはその者が魔素保有量が高いが魔素を得ていないこと。そしてその世界においてもはや他者とのつながりが限りなく薄いというだけだ。」
「なるほど・・・」
じゃあ元の世界の僕の立場がどうなったかはわからずじまいか。まぁそれはそれでしょうがない。もう忘れるしかないだろう。世界竜が知らないんじゃどうやってもわからないだろうし。
「もう一つ聞きたい。結局こんな話をするためにわざわざ呼んだということなのか?」
「いや、真の目的は違う。この世界に来た人間は魔素保有量が高いだけでなく、器としてとても優秀なのだ。魔素がない、もしくは限りなく薄い世界から来るために魔素を得ていない。だから魔素をずっと受け続けてきた他者と交わると影響を色濃く受ける。」
「体だが変わるのはそういうことなんだ・・・」
「そうだ。そしてここの住人は器として優秀だと本能で感じ取りどうしようもなく欲してしまう。同じように人間も魔素を得たばかりだとより実感的な魔素がほしくなり、一度精に交じった魔素をもらえばさらに住人からの精を欲するようになる。」
・・・それは僕とガロが初めてあれをした大きな理由ってことだよね。今もガロのことが好きなのはただガロの魔素を体がほしがってるだけだと言われてるようで、少し悲しい気持ちになる。
「そんなことはない!俺は・・・キオを愛している。この気持ちに偽りはない。そんな本能で欲してるとかそういうんじゃねぇんだ。」
「ガロ・・・」
さっきまでのガロの冷静な表情が一瞬で失われた。それほどに僕との仲をそういう風に言われたくないと思ってくれるようになったことに、素直にうれしい。でもきっかけであることはきっと変わらない。
「我が話したのは其方らのきっかけにすぎぬ。すでにキオ、其方はほかの者に精を貰いたいと思わなくなっている。ガロ、そなたもキオがどうであれつながりを絶つつもりがないこともわかる。だがそうして人間の姿に戻れば器として優秀だと周りに発し、いつどこで何者に狙われるかわからぬというのも事実だ。」
「っ!それは、俺が必ず守るつもりだ。」
「だが先ほどの侵入者との戦いで身に染みただろう。必ずしもとは言えぬことを。」
ガロは世界竜の言葉に返せなかった。視界のちらつきとかをなくすようなほんの少しだけど世界竜が力を貸してくれて、僕が魔法を打って命中したあの魔法がなければ勝てなかったということなんだろう。
「わかっている。もっと俺も特訓しなくてはいけない。」
「そういう話ではない。我の力でキオの肉体を固定する。器としてではなく、完全にこの世界の住人として固定すればもはやキオは人間でなくなり其方と同じ狼種となる。これこそがここに呼びつけた理由だ。」
「つまり、僕が完全に狼種になるってこと?それでベラルのようなのには狙われないってこと?」
「あれはまた目的が少し違ったようだが、まぁそういうことだ。」
それはすごくありがたい話だ。だって正直この人間の体に戻っても何のメリットもない。別に人間であることにこだわりもない。むしろ人間に戻るんじゃと心配させなくて済むからガロと一緒にいやすくなるだろうしずっといい。
「それなら確かに貴族や王族連中にも目を付けられにくくなるだろう。だがニンゲンである知識やキオの魔道具などはどうなる?魔法への影響は?」
「問題ない。我が行うのは狼種として固定することのみ。むしろ魔素を放出しきり人間にと戻る方が魔素影響的に問題がある。魔素保有量の成長的には急激に成長しやすいともいえるが、これ以上急激に保有量が増えれば不安定な魔素が多く生まれ魔法の使えない状態になる恐れもある。」
「なるほど、ニンゲンに戻ると一度魔素が空になる。そこに魔素をつぎ込めば魔素保有量は確かに急激に上がるんだろうが、そりゃ不安定になるな。魔素保有量が上がらなくなる不安は?」
「ない。其方と同じように魔素保有量は増え続ける。急激な成長がないというだけだ。」
「そうか、分かった。俺はそれでいい。キオはどうする?」
ガロと世界竜の話を聞いてたけど、ガロの心配は僕の成長が止まるんじゃないかってことだったようだ。とりあえず成長は止まらないようだし、ガロがいいなら当然僕だっていい。
「うん、僕も人間の姿に未練もあんまないし、ガロがいいならいいよ。」
「そうか、その姿は、もう見れなくなるんだな。キオ本来の姿だったんだが。」
「見納めとなる。問題ないか?」
「かまわない。」
「そうか、ではまぐわい狼種の姿となれ。それで固定しよう。」
「・・・え?」「・・・は?」
僕とガロの声が重なった。この世界竜今なんと申しましたか?つまり、行為しろってこと?
「と、突然何を言い出すんだ。」
「ここでしろとは我も言わぬ。羞恥心があるだろ?何やら休憩する場所がそのままのようだからな。霧をを消すので一度戻り、まぐわってくるとよい。」
「え、いやいやいや、来るとよいって言っても・・・」
「狼種の姿になってもらわねば我でも狼種の姿で固定はできぬ。それともここでするか?」
「・・・いや、テントに戻る。霧を消してくれ。」
「承知した。落ち着く場所ではないだろうが、人間のその姿をたっぷり味わってくるとよい。」
ガロは観念したように霧を消すように頼んだら、余計な一言を付けて霧を払ってくれた。ちょうどテントが見える。ゆっくり歩いてきたのもあるだろうけど、そんな遠くない。なんか変な気分になりながらガロと一緒にテントにと戻った。
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