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第五話 思い浮かんだあのお方
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散々泣いて少しだけスッキリした私は、腫れた目を擦りながら、クラリスから少しだけ離れた。
こんなに泣いたのはいつぶりかしら……お母様が亡くなった時以来? あの時も凄く悲しくて、お母様にすがりながら泣き続けていたわ。
「ありがとうクラリス、もう大丈夫」
「なら良かったです。では私は、少々急用が出来たので失礼します」
「く、クラリス? どこに行くの?」
あまりにも怖い形相を浮かべるクラリスの手を取って止めるが、そんなことはお構いなしに、私の部屋を出て行こうとした。
「旦那様とジュリアお嬢様に、抗議をしに行ってまいります」
「何を言っているの。ただの侍女でしかないあなたが抗議だなんて!」
「私はどうなろうと関係ございません。リーゼお嬢様を利用していたなんて、絶対に許せません!」
青筋を立ててまで怒ってくれるくらい、私のことを想ってくれるのはとても嬉しいけど、それでも抗議なんて見逃すことは出来ない。
だって、私のためだと知られたら、お父様はきっとクラリスに酷い処分を与えるだろう。それに、ジュリアの本性を知ってしまった今、私のわからないところでクラリスに酷いことをするのは、想像に難くない。
「私にとって、クラリスは家族も同然なのよ。そんなあなたが不利になるようなことを、止めないわけにはいかないの」
「リーゼお嬢様……」
「お願い、私のことを少しでも想ってくれるなら……私の傍にいて」
「……それがリーゼお嬢様のお望みなら」
「ありがとう、クラリス」
渋々ではあったが、クラリスは首を縦に振ってくれた。
はぁ……止められて本当に良かったわ。これで処分でもされてクラリスまでいなくなったら、私は孤独に耐えられなくなっていただろう。
「ではリーゼお嬢様、私から一つご提案があるのですが」
「なにかしら?」
「もうこんな家は出て行かれてはいかがですか?」
「そうね、それは良い案……はい?」
クラリスの言うことだから、特に疑いもせずに受け入れそうになってしまったが、よくよく考えたら、とんでもないことを言っていることに気が付いた。
「家を出て行くって、急にどうして?」
「旦那様とジュリアお嬢様は、リーゼお嬢様を利用されておりました。きっとこれからも、あなたの優しさにつけこんで、利用してくるのは容易に想像できます」
言いたいことは理解できるけど、仮にそれを受け入れたとして、どこに行けばいいのかしら? 自分で言うのもなんだけど、私のことを助けてくれるほど、よく思っている方なんて、クラリスの他には……。
「……あっ」
自分の交友の少なさに打ちひしがれる中、一人の男性のお顔が頭に浮かんだ。いつも笑顔で、少々過剰と言えるくらい私に話しかけてくる、彼のお顔が。
「アルベール様なら……話を聞いてくださるかもしれない」
「ええ、私も同じことを考えておりました」
「でも、こんな話をいきなり持ち出したら、ご迷惑じゃないかしら? それに、信じてくれるかもわからないし……聖女の仕事もあるのよ?」
「彼に限って、そんなことは天地がひっくり返るのと同じくらいありえません。あと、聖女の仕事はジュリアお嬢様でも出来ます」
「それはそうだけど……それにしても、凄い自信ね」
「伊達にリーゼお嬢様のお隣で、彼のことを見ておりませんので」
自信満々に言うクラリスに、私はあはは……と乾いた笑いを返した。
「この家のことなんて、もう気にする必要はありませんよ。とにかく、私の方でアルベール様に面会をする準備をしておきます。リーゼお嬢様は、先にお休みになられてください。お眠りになられるまで、お傍におりますので」
「ひ、一人で寝られるわよ。もう子供じゃないのよ?」
「あんなことがあった後に、お一人になんてさせられません」
抵抗も虚しく、寝間着に着替えさせられてから、ベッドに寝かされた私は、眠るまでクラリスに一緒にいてもらった。
子供みたいで恥ずかしいのは事実だけど、一人でいるのが寂しくて辛いのも事実だったから……本当に、クラリスには感謝しかないわ。
「……ありがとう、クラリス……」
****
翌日の早朝、クラリスがアルベール様の元に使者を送ってくれたおかげで、お会いする予定を組むことが出来た。
……それは良かったのだけど、なんと使者を送ったその日のお昼過ぎに、返事が返ってきた。
その内容とは、時間を作ったからすぐにでも来て構わないという内容だったわ。それを知った私とクラリスは、物凄い速度で準備を済ませ、馬車に乗りこんだ。
ちなみに、クラリスは私の侍女として一緒に来てくれるだけではなく、御者もしてくれている。クラリスの馬の扱いはとても優しくて、暴れ馬ですら手懐けてしまうのよ。
「何と言いますか……アルベール様は、いつもお時間に余裕があるお方なのでしょうか?」
「それは考えにくいんじゃないかしら……侯爵家の家長なのよ?」
「存じております。ですが、こんなにも早くお返事が来るのは、リーゼお嬢様も想定外でしたよね?」
「そ、そうね。早くても、お会いできるのは数週間後にはなると思っていたわ」
馬車に備え付けられてある、御者と話すための小窓を使ってクラリスと言葉を交わす。
家長だからとか、侯爵家だからとか関係なく、貴族は基本的に忙しい方が多い。私も貴族の一人として社交界に出たり、お茶会に出たりしながら、私の持っている特別な力を使う仕事もしている。
……え、今日は唐突なことにも対応できてるんだから、そんなに忙しくない? た、たまたま運よく被っただけよ。
「リーゼお嬢様、見えてきましたわ。あれがアルベール様が家長を務める家……サヴァイア家です」
「あれがそうなのね」
馬車の大窓から顔を出して行く先を見ると、そこには自然豊かな場所に建つ、大きなお屋敷があった。
アルベール様とのお付き合いは長いけど、住む国が違うというのもあってか、互いに屋敷まで足を運んだことがない。今日お話する内容も相まって、さっきから緊張しっぱなしだ。
「到着いたしました。お足元にお気をつけて」
「ありがとう、クラリス」
クラリスの手を借りてサヴァイア家の屋敷の玄関前で降りると、バンっと大きな音をたてながら、玄関が開いた。
そして、そこにあったのは――
『ようこそいらっしゃいました、リーゼ様、クラリス様』
もの凄い人数の使用人による、盛大なお出迎えだった……。
こんなに泣いたのはいつぶりかしら……お母様が亡くなった時以来? あの時も凄く悲しくて、お母様にすがりながら泣き続けていたわ。
「ありがとうクラリス、もう大丈夫」
「なら良かったです。では私は、少々急用が出来たので失礼します」
「く、クラリス? どこに行くの?」
あまりにも怖い形相を浮かべるクラリスの手を取って止めるが、そんなことはお構いなしに、私の部屋を出て行こうとした。
「旦那様とジュリアお嬢様に、抗議をしに行ってまいります」
「何を言っているの。ただの侍女でしかないあなたが抗議だなんて!」
「私はどうなろうと関係ございません。リーゼお嬢様を利用していたなんて、絶対に許せません!」
青筋を立ててまで怒ってくれるくらい、私のことを想ってくれるのはとても嬉しいけど、それでも抗議なんて見逃すことは出来ない。
だって、私のためだと知られたら、お父様はきっとクラリスに酷い処分を与えるだろう。それに、ジュリアの本性を知ってしまった今、私のわからないところでクラリスに酷いことをするのは、想像に難くない。
「私にとって、クラリスは家族も同然なのよ。そんなあなたが不利になるようなことを、止めないわけにはいかないの」
「リーゼお嬢様……」
「お願い、私のことを少しでも想ってくれるなら……私の傍にいて」
「……それがリーゼお嬢様のお望みなら」
「ありがとう、クラリス」
渋々ではあったが、クラリスは首を縦に振ってくれた。
はぁ……止められて本当に良かったわ。これで処分でもされてクラリスまでいなくなったら、私は孤独に耐えられなくなっていただろう。
「ではリーゼお嬢様、私から一つご提案があるのですが」
「なにかしら?」
「もうこんな家は出て行かれてはいかがですか?」
「そうね、それは良い案……はい?」
クラリスの言うことだから、特に疑いもせずに受け入れそうになってしまったが、よくよく考えたら、とんでもないことを言っていることに気が付いた。
「家を出て行くって、急にどうして?」
「旦那様とジュリアお嬢様は、リーゼお嬢様を利用されておりました。きっとこれからも、あなたの優しさにつけこんで、利用してくるのは容易に想像できます」
言いたいことは理解できるけど、仮にそれを受け入れたとして、どこに行けばいいのかしら? 自分で言うのもなんだけど、私のことを助けてくれるほど、よく思っている方なんて、クラリスの他には……。
「……あっ」
自分の交友の少なさに打ちひしがれる中、一人の男性のお顔が頭に浮かんだ。いつも笑顔で、少々過剰と言えるくらい私に話しかけてくる、彼のお顔が。
「アルベール様なら……話を聞いてくださるかもしれない」
「ええ、私も同じことを考えておりました」
「でも、こんな話をいきなり持ち出したら、ご迷惑じゃないかしら? それに、信じてくれるかもわからないし……聖女の仕事もあるのよ?」
「彼に限って、そんなことは天地がひっくり返るのと同じくらいありえません。あと、聖女の仕事はジュリアお嬢様でも出来ます」
「それはそうだけど……それにしても、凄い自信ね」
「伊達にリーゼお嬢様のお隣で、彼のことを見ておりませんので」
自信満々に言うクラリスに、私はあはは……と乾いた笑いを返した。
「この家のことなんて、もう気にする必要はありませんよ。とにかく、私の方でアルベール様に面会をする準備をしておきます。リーゼお嬢様は、先にお休みになられてください。お眠りになられるまで、お傍におりますので」
「ひ、一人で寝られるわよ。もう子供じゃないのよ?」
「あんなことがあった後に、お一人になんてさせられません」
抵抗も虚しく、寝間着に着替えさせられてから、ベッドに寝かされた私は、眠るまでクラリスに一緒にいてもらった。
子供みたいで恥ずかしいのは事実だけど、一人でいるのが寂しくて辛いのも事実だったから……本当に、クラリスには感謝しかないわ。
「……ありがとう、クラリス……」
****
翌日の早朝、クラリスがアルベール様の元に使者を送ってくれたおかげで、お会いする予定を組むことが出来た。
……それは良かったのだけど、なんと使者を送ったその日のお昼過ぎに、返事が返ってきた。
その内容とは、時間を作ったからすぐにでも来て構わないという内容だったわ。それを知った私とクラリスは、物凄い速度で準備を済ませ、馬車に乗りこんだ。
ちなみに、クラリスは私の侍女として一緒に来てくれるだけではなく、御者もしてくれている。クラリスの馬の扱いはとても優しくて、暴れ馬ですら手懐けてしまうのよ。
「何と言いますか……アルベール様は、いつもお時間に余裕があるお方なのでしょうか?」
「それは考えにくいんじゃないかしら……侯爵家の家長なのよ?」
「存じております。ですが、こんなにも早くお返事が来るのは、リーゼお嬢様も想定外でしたよね?」
「そ、そうね。早くても、お会いできるのは数週間後にはなると思っていたわ」
馬車に備え付けられてある、御者と話すための小窓を使ってクラリスと言葉を交わす。
家長だからとか、侯爵家だからとか関係なく、貴族は基本的に忙しい方が多い。私も貴族の一人として社交界に出たり、お茶会に出たりしながら、私の持っている特別な力を使う仕事もしている。
……え、今日は唐突なことにも対応できてるんだから、そんなに忙しくない? た、たまたま運よく被っただけよ。
「リーゼお嬢様、見えてきましたわ。あれがアルベール様が家長を務める家……サヴァイア家です」
「あれがそうなのね」
馬車の大窓から顔を出して行く先を見ると、そこには自然豊かな場所に建つ、大きなお屋敷があった。
アルベール様とのお付き合いは長いけど、住む国が違うというのもあってか、互いに屋敷まで足を運んだことがない。今日お話する内容も相まって、さっきから緊張しっぱなしだ。
「到着いたしました。お足元にお気をつけて」
「ありがとう、クラリス」
クラリスの手を借りてサヴァイア家の屋敷の玄関前で降りると、バンっと大きな音をたてながら、玄関が開いた。
そして、そこにあったのは――
『ようこそいらっしゃいました、リーゼ様、クラリス様』
もの凄い人数の使用人による、盛大なお出迎えだった……。
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