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第十七話 醜悪な聖女
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■ジュリア視点■
お姉様が屋敷からいなくなってからしばらく経ったある日、あたしはとある貴族の家に来て、怪我の手当てをしていた。
聞いたところによると、森で狩りをしていたら転んでしまったから、聖女であるあたしを大至急呼んだとのことらしいよ。
……さすがにその程度の怪我なんて、放っておけば良くない? 確かに聖女の力は、ある程度の怪我を治すことが出来るけど、さすがに怪我の重さが軽すぎて話にならないって。
「おお、すっかり良くなった! 全く、お前がもう少し早く来たら、ボクちんがこんなに苦しむことは無かったのに!」
あたしと同じくらいの歳で、醜く太ったチビの貴族が、偉そうにふんぞり返りながら言った。
こいつ、昔から常に偉そうで、自分以外の者を全員見下すような態度を取るから、心の底から大っ嫌いだよ! イライラしすぎて、思わず素が出そう!
「も、申し訳ありません……最優先でお伺いさせていただいたので、お許しを……」
「まあ、ボクちんの心は海より広いから、靴を舐めたら許してやっても――」
「失礼する」
愛想笑いをしながら誤魔化していると、チビデブの父親が部屋に入ってきた。そして、その拳をチビデブの頭にめり込ませた。
「い、いったーい! うわぁぁぁん! パパがぶったー!! おいお前、今すぐ治せー!」
「廊下で聞いていたぞ! 貴様が毎日のように痛がるから、仕方なく聖女殿を呼んだというのに、なんだその態度は!」
ブサイクな顔と同じくらいの大きなタンコブが出来たチビデブは、情けなく泣きながら部屋を後にした。
ぷぷっ……なんて無様なの! 見てて痛快すぎるよ! あと百回くらいゲンコツをされて、たんこぶだらけになっちゃえばよかったのに!
「ではお役目は済んだので、私は失礼いたします……」
「うむ。馬鹿息子のせいで申し訳なかった」
「いえ、お気になさらず」
あたしはチビデブの父親に深々と頭を下げてから、馬車に乗って屋敷に帰った。
はぁ、本当に聖女の仕事って毎日忙しいし、面倒ったらありゃしないわ。それにこの仮面、息苦しいしカッコ悪いから嫌なのよね。
別に聖女の力が他人に知られても、あたしは一向に構わないんだけどね。むしろ、ちやほやされて良い気分になれそう! 今度誰かに言いふらしちゃおうかな? でもお父様に怒られるのは嫌だなぁ。
「あーあ、なんかイライラするなー……そうだ、アレをしよっと」
屋敷の自室に戻ってきたあたしは、何の変哲もない壁を力強く押す。すると、壁の一部がせり上がり、地下へと続く道が現れた。
この先は、お父様やあたしに絶対の忠誠を誓っている使用人しか知らない、あたしの遊び場に繋がっている。ストレスが溜まっている時によく利用するんだよ。
「さってと……やっほ~、元気かなぁ?」
薄暗い地下に行くと、沢山の牢屋があたしを出迎えてくれた。中には、とーっても心が苦しくなるくらい、ボロボロになった人間達が転がっている。
こいつらは、あたしが裏のルートで仕入れた遊び道具だ。使用人に餌を与えるように言っておいて、気が向いた時に遊んでいるの。人身売買をしている違法商人からたまに購入しているんだよ。
「そうだなぁ……今日はあんたで遊んであげようかな」
「ひっ……」
あたしは地下に適当に置いてある鞭を手に取ると、手ごろな男が入っている牢屋の前に立った。
うふふ、こいつはどれくらい耐えてくれるかな? 結構痩せ細っちゃってるから、数分も殴ってたら死んじゃうかも? まあ死んだら死んだで、新しいのを買えばいいや。
「ぐっ……う、うぅ……ごほっ……」
「ん? うるさいなぁ……誰だよそこで変な声出してるの」
舌打ちをしながら声のした方を見ると、若い女が体を丸めながら、うめき声をあげていた。
あれは確か……最近買った女だったはず。何となくお姉様に似てたから、つい衝動買いをしちゃったのよね。
「ちょっとあんた、うるさいんだけど。黙らないと酷いことをするよ?」
「あ、ああ……助けて……」
「ん? これ……」
薄暗くてかなりわかりにくいけど、この気配……瘴気? やだなぁ、買う時には全然気づかなかったよ。あたしってば、うっかり屋さん!
「あんた、瘴気に侵されてんじゃん。このままだとそう遠くないうちに死ぬよ」
「死ぬ……? いやぁ……お母さん、助けてよぉ……」
「…………」
絶望に打ちひしがれながら涙を流す姿を見ていたら、とあることを思いついたあたしは、鞭を持ったまま牢屋の鍵を開けた。
「あたし、聖女なんだ。だからあんたの瘴気を治せる。本当は面倒だからやりたくないんだけど、買った責任もあるし、特別に助けてあげる」
「ほ、本当に……!?」
「うん。そこで大人しくしてて」
あたしは空いている手に、聖女の力を使った時に出てくる光を生み出し、その手をこいつの頭にかざす。
あたし聖女の力は、お姉様と違って優秀だ。この程度の瘴気なら、寝ながらでも出来る。
……だけど。
「っ……!」
かざした手を思い切り振り上げ、そのまま頭を殴りつけた。
遊び道具として買った相手に、素直に治してもらえると思ってるなんて、どれだけおめでたい頭をしてるんだろう?
「誰があんたなんかを助けるかっての! 瘴気を他のおもちゃにうつされると面倒だから、さっさと死んじゃえ!」
「きゃあ!」
手に持った鞭を使って、目の前の女をいたぶっていく。
ふふっ、打たれた時の悲鳴とか、段々と腫れていく姿を見るのはとっても面白い! もっと明るければ更に楽しめそうだけど、その辺はグッと我慢だね。
「……ふー……ふー……!!」
「何その目? 何か文句でも――」
文句でもあるのと言おうとした瞬間、おもちゃの分際であたしの手に噛みついて来た。それも、結構遠慮なしに。
「いったぁ!? こいつ、おもちゃの分際であたしにたてつくなんて!」
すぐに振り払って地面に叩きつけてから、何度も何度も鞭を打つ。
いつもなら、このバチンッという音が心地よく聞こえるのだけど、今は噛まれた怒りでそれを感じる余裕が無い。
「あー痛かった。お肌に傷が残ったらどうしてくれるんだっての」
「…………」
「おい、何寝てんだよ……あれ、やりすぎちゃったか……ざまぁみろっての」
おもちゃが一個減っちゃったけど、それも仕方ないよね。ご主人様に従えないおもちゃなんて、いーらないっと。
「処理は後で使用人にやらせておこうっと。一応あたしの傷も治しておいた方がいいかな……まあいいか、力を使うの面倒だし。ちょっと跡になってるけど、放っておけば治るか」
もしかしたら、こいつの瘴気があたしにうつったかもしれないけど、その時はあたしの力で治せばいいし、問題無いよね。
「あんた達、こいつみたいになりたくなかったら、あたしの言うことには絶対に従った方がいいよ! あははっ!!」
また反撃されると面倒だから、他のおもちゃ達に釘を刺してから、あたしは地下牢を後にした。
あーあ、明日からの仕事も面倒くさいなぁ。仕事の時だけ、お姉様が帰って来て代わりに仕事をしてくれればいいのに!
お姉様が屋敷からいなくなってからしばらく経ったある日、あたしはとある貴族の家に来て、怪我の手当てをしていた。
聞いたところによると、森で狩りをしていたら転んでしまったから、聖女であるあたしを大至急呼んだとのことらしいよ。
……さすがにその程度の怪我なんて、放っておけば良くない? 確かに聖女の力は、ある程度の怪我を治すことが出来るけど、さすがに怪我の重さが軽すぎて話にならないって。
「おお、すっかり良くなった! 全く、お前がもう少し早く来たら、ボクちんがこんなに苦しむことは無かったのに!」
あたしと同じくらいの歳で、醜く太ったチビの貴族が、偉そうにふんぞり返りながら言った。
こいつ、昔から常に偉そうで、自分以外の者を全員見下すような態度を取るから、心の底から大っ嫌いだよ! イライラしすぎて、思わず素が出そう!
「も、申し訳ありません……最優先でお伺いさせていただいたので、お許しを……」
「まあ、ボクちんの心は海より広いから、靴を舐めたら許してやっても――」
「失礼する」
愛想笑いをしながら誤魔化していると、チビデブの父親が部屋に入ってきた。そして、その拳をチビデブの頭にめり込ませた。
「い、いったーい! うわぁぁぁん! パパがぶったー!! おいお前、今すぐ治せー!」
「廊下で聞いていたぞ! 貴様が毎日のように痛がるから、仕方なく聖女殿を呼んだというのに、なんだその態度は!」
ブサイクな顔と同じくらいの大きなタンコブが出来たチビデブは、情けなく泣きながら部屋を後にした。
ぷぷっ……なんて無様なの! 見てて痛快すぎるよ! あと百回くらいゲンコツをされて、たんこぶだらけになっちゃえばよかったのに!
「ではお役目は済んだので、私は失礼いたします……」
「うむ。馬鹿息子のせいで申し訳なかった」
「いえ、お気になさらず」
あたしはチビデブの父親に深々と頭を下げてから、馬車に乗って屋敷に帰った。
はぁ、本当に聖女の仕事って毎日忙しいし、面倒ったらありゃしないわ。それにこの仮面、息苦しいしカッコ悪いから嫌なのよね。
別に聖女の力が他人に知られても、あたしは一向に構わないんだけどね。むしろ、ちやほやされて良い気分になれそう! 今度誰かに言いふらしちゃおうかな? でもお父様に怒られるのは嫌だなぁ。
「あーあ、なんかイライラするなー……そうだ、アレをしよっと」
屋敷の自室に戻ってきたあたしは、何の変哲もない壁を力強く押す。すると、壁の一部がせり上がり、地下へと続く道が現れた。
この先は、お父様やあたしに絶対の忠誠を誓っている使用人しか知らない、あたしの遊び場に繋がっている。ストレスが溜まっている時によく利用するんだよ。
「さってと……やっほ~、元気かなぁ?」
薄暗い地下に行くと、沢山の牢屋があたしを出迎えてくれた。中には、とーっても心が苦しくなるくらい、ボロボロになった人間達が転がっている。
こいつらは、あたしが裏のルートで仕入れた遊び道具だ。使用人に餌を与えるように言っておいて、気が向いた時に遊んでいるの。人身売買をしている違法商人からたまに購入しているんだよ。
「そうだなぁ……今日はあんたで遊んであげようかな」
「ひっ……」
あたしは地下に適当に置いてある鞭を手に取ると、手ごろな男が入っている牢屋の前に立った。
うふふ、こいつはどれくらい耐えてくれるかな? 結構痩せ細っちゃってるから、数分も殴ってたら死んじゃうかも? まあ死んだら死んだで、新しいのを買えばいいや。
「ぐっ……う、うぅ……ごほっ……」
「ん? うるさいなぁ……誰だよそこで変な声出してるの」
舌打ちをしながら声のした方を見ると、若い女が体を丸めながら、うめき声をあげていた。
あれは確か……最近買った女だったはず。何となくお姉様に似てたから、つい衝動買いをしちゃったのよね。
「ちょっとあんた、うるさいんだけど。黙らないと酷いことをするよ?」
「あ、ああ……助けて……」
「ん? これ……」
薄暗くてかなりわかりにくいけど、この気配……瘴気? やだなぁ、買う時には全然気づかなかったよ。あたしってば、うっかり屋さん!
「あんた、瘴気に侵されてんじゃん。このままだとそう遠くないうちに死ぬよ」
「死ぬ……? いやぁ……お母さん、助けてよぉ……」
「…………」
絶望に打ちひしがれながら涙を流す姿を見ていたら、とあることを思いついたあたしは、鞭を持ったまま牢屋の鍵を開けた。
「あたし、聖女なんだ。だからあんたの瘴気を治せる。本当は面倒だからやりたくないんだけど、買った責任もあるし、特別に助けてあげる」
「ほ、本当に……!?」
「うん。そこで大人しくしてて」
あたしは空いている手に、聖女の力を使った時に出てくる光を生み出し、その手をこいつの頭にかざす。
あたし聖女の力は、お姉様と違って優秀だ。この程度の瘴気なら、寝ながらでも出来る。
……だけど。
「っ……!」
かざした手を思い切り振り上げ、そのまま頭を殴りつけた。
遊び道具として買った相手に、素直に治してもらえると思ってるなんて、どれだけおめでたい頭をしてるんだろう?
「誰があんたなんかを助けるかっての! 瘴気を他のおもちゃにうつされると面倒だから、さっさと死んじゃえ!」
「きゃあ!」
手に持った鞭を使って、目の前の女をいたぶっていく。
ふふっ、打たれた時の悲鳴とか、段々と腫れていく姿を見るのはとっても面白い! もっと明るければ更に楽しめそうだけど、その辺はグッと我慢だね。
「……ふー……ふー……!!」
「何その目? 何か文句でも――」
文句でもあるのと言おうとした瞬間、おもちゃの分際であたしの手に噛みついて来た。それも、結構遠慮なしに。
「いったぁ!? こいつ、おもちゃの分際であたしにたてつくなんて!」
すぐに振り払って地面に叩きつけてから、何度も何度も鞭を打つ。
いつもなら、このバチンッという音が心地よく聞こえるのだけど、今は噛まれた怒りでそれを感じる余裕が無い。
「あー痛かった。お肌に傷が残ったらどうしてくれるんだっての」
「…………」
「おい、何寝てんだよ……あれ、やりすぎちゃったか……ざまぁみろっての」
おもちゃが一個減っちゃったけど、それも仕方ないよね。ご主人様に従えないおもちゃなんて、いーらないっと。
「処理は後で使用人にやらせておこうっと。一応あたしの傷も治しておいた方がいいかな……まあいいか、力を使うの面倒だし。ちょっと跡になってるけど、放っておけば治るか」
もしかしたら、こいつの瘴気があたしにうつったかもしれないけど、その時はあたしの力で治せばいいし、問題無いよね。
「あんた達、こいつみたいになりたくなかったら、あたしの言うことには絶対に従った方がいいよ! あははっ!!」
また反撃されると面倒だから、他のおもちゃ達に釘を刺してから、あたしは地下牢を後にした。
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