11 / 53
第十一話 豪快な昼食
「やあ、アメリア!」
「…………」
同日の昼休み。私はこっそりと、でも急いでいつもの教室へとやってきたのに、到着から数分ほどで、笑顔のレオ様がやってきた。
「まったく、俺を置いていくなんて酷いじゃないか!」
「他の方から沢山お誘いを受けてたので、邪魔をしてはいけないと思って」
「あれ、初日は随分と理解されてるなと思ったのに、今度は急に理解されなくなってしまったな。朝も言ったけど、俺はアメリア以外の人なんかどうでもいいんだよ」
少し呆れ気味に息を吐きながら、いつものように私の対面に腰を降ろす。
確かに言っていたのは覚えているけど、それが本気で言ってるとは思ってなかった。てっきり、あの場を切り抜けるために言ったとばかり……。
「私と一緒にいても、良いことは無いですよ」
「それはどうしてだい?」
「私はクラスで浮いている存在で、いつも一人です。そんな私と一緒にいたら、周りからレオ様まで変な目で見られてしまいます」
端的にわかりやすく説明をしたつもりだったが、レオ様は私の言葉の意味を理解してないのか、怪訝な顔をしながら、首を傾げた。
「一人だったアメリアと一緒にいるのを悪いと思われる筋合いは無いし、他人にどう見られても俺は気にしないから問題ないね」
「は、はあ……そうですか」
「俺はアメリアと一緒にいたいからいる。それに、一人ぼっちというのは、とても寂しいものだって俺は知っている。だからアメリアに心の底から嫌われない限りは、一緒にいるつもりだよ」
「レオ様……」
微笑むレオ様のことを、ジッと見つめる。
なんだろう、心の奥底がじんわりと熱を熱を持っているかのような、この感覚……頬も少し熱い気がするわ。
「さてと、そろそろ昼食を食べないと休み時間が終わってしまうね」
「そ、そうですね」
レオ様は持ってきた鞄から、大きな弁当箱を取り出す。中に入っていたのは……巨大な骨付きのお肉だった。それも一つだけ。
なんていうか……言い方はあれだけど、ただお肉を丸焼きにしただけの料理って感じで……侯爵子息様が食べるような料理には見えない。
「そんなにジッと見て、どうかしたのかな? 俺の顔に何かついてる?」
「いえ、そういうわけでは」
「わかった、この肉を食べてみたいんだね! いやーアメリアにはこの肉の美味さが見ただけでわかるなんてね! よければ一口食べるかい?」
「お気持ちだけいただきます。私にもちゃんと昼食はあるので」
私はそう答えながら、持ってきた鞄から昼食を取り出す。それは、布に包まれたパンだ。
でも、そのパンはガチガチに固くて食べにくいうえ、誰かに踏まれたのか、ぺっちゃんこになっている。ご丁寧に、包んでいた布に足跡までついている始末だ。
これは私が自分でしているわけではない。おそらく、私が知らない間に誰かがパンを踏みつけたのだろう。こういう経験は今まで何度もしているから、特に驚いたりはしないけどね。
「え、えっと? 随分と個性的なパンだね……? 俺が知らないだけで、最近のパンは踏まれるのが流行ってるとか?」
「そんな流行りはありませんよ。その……持ってくる時に誤って落として、踏みつけてしまったんです」
「……誤って、ね……それで、他に食べるものは?」
「ありませんよ」
「無い!? そ、そんなパンを一つだけで済ませるのかい!?」
驚くのも無理はない。でも、私にとってはこれが普通だ。昼食なんて家で用意されてるわけがないし、元々食に強い欲求が無いから、自分で作ってまで昼食を充実させたいと思わないのよ。
「そんなんじゃ、次の授業を乗り越えられないよ!」
「大丈夫ですよ。それに、レオ様だってお肉しかないじゃないですか」
「俺は良いけど、アメリアはダメだ! もし君が倒れたらと思うと、俺は……! ほら、好きなだけ肉を食べるといい!」
レオ様は力任せにお肉の一部を千切ると、私に差し出した。
あまりお肉って好きじゃないのだが、差し出されたからには頂かないと失礼に当たる。そう思ってゆっくりと口に運んだ。
「どうだい?」
「思った以上に野性味がないですね。お肉の油も上品で……美味しいです。お肉ってあまり得意じゃなかったのに……」
「そうだろうそうだろう! 以前、これを食べてるのを見た人に、海賊の飯とか言われたんだよ? 酷い連中だと思わないか?」
それは仕方がないことのような気がするわね。こんな大きなお肉に豪快にかぶりついていたら、そう思ってしまう人も出てくるだろう。
「でもそれが好きな食べ物ならいいじゃないですか。レオ様は誰かに迷惑をかけたりせず、一人で美味しい物を食べているだけに過ぎない……悪く言われる筋合いはありません」
「アメリア……うう……」
「え、どうしたんですか?」
急に顔を俯かせてしまったレオ様。体が小刻みに震えているし、目からも大粒の涙が溢れている。
「レオ様、どうかされたのですか!? 私、何か変なことを……!?」
「いや、君の言葉が嬉しくてね……えへへ……ぐすっ」
笑いながら泣いて、そしてお肉も食べて……レオ様は器用な方なのね。私にはそんな器用なことはできそうもないわ。
「ほら、これで涙を拭いてください」
「うん、ありがとう。それじゃあお礼に……それっ!!」
「もぐっ!?」
不意打ち気味に、私の口の中に、先程のお肉が強引に侵入してきた。お肉の柔らかさとジューシーさが口の中で蕩け合い、最高のハーモニーを奏でている。やっぱり何回食べても美味しいわ。
「不意打ち肉の味はいかがかな?」
「もちろん美味しいですけど……急に落ち込んだり、お肉を突っ込んだり……脅かさないでください」
「はは、ごめんごめん。それじゃあ今度こそちゃんと昼食を食べようか。これがアメリアの分ね。あ、フォークとナイフはあるから安心してね」
なんだか知らないうちに、このお肉を私も食べることになってしまったようだ。まあ、このお肉なら食べられそうだし、レオ様も楽しそうだしいいかな。
問題は……小食の私が、この肉のブロックを食べきれるかどうか。せっかくの好意を無下にするわけにもいかないし……が、頑張ってみましょう!
****
「アメリア、大丈夫かい?」
「……うっぷ……」
レオ様が心配する中、私は大きく膨れ上がったお腹をさすっていた。
途中から完全に無理をしてしまったけど、なんとかレオ様が分けてくれた分のお肉を完食できた。
とても美味しかったけど、食べ過ぎてお腹がはち切れそうだわ……こ、こんな状態で午後の授業を受けられるかしら……?
「そんなに無理して食べなくてもよかったんだよ?」
「い、いえ……せっかくレオ様が自分の昼食を分けてくれたのに……残すわけには……」
「……アメリアは、本当に優しいね」
……レオ様は私を優しいと言うけど、そんなことは無いと思う。人間として、最低限のことをしているだけにすぎないというのに。
「そうだ、よければ明日から俺がアメリアの昼食を持ってこようか!」
「え? 急にどうしたんですか?」
「だって、俺達のような育ち盛りが、あんなパン一個で済ませるなんて、体に良くないじゃないか」
「そうかもしれませんけど……レオ様にいらない負担をかけてしまいます」
「そんなの気にしなくていいよ! まあ、作るのはうちのコックだから、俺が偉そうに言える立場じゃないけどね」
あははっと自嘲気味に笑うレオ様は、更に言葉を続ける。
「俺はさ、アメリアのことが心配なんだよ」
「……友達だからですか?」
「友達……そ、そうだね」
友達というのは、そういう心配もしてくれるものなのね。今まで経験が無かったから知らなかったけど……その優しさのおかげか、胸の奥が暖かくなるのを感じた。
「お気持ちは大変嬉しいです。ですが、やはり無償で提供していただくというのは……」
「アメリアは真面目だなぁ。それじゃあ交換条件として、俺に勉強を教えてくれないかな?」
「勉強、ですか」
「前も話したけど、俺は勉強が苦手でね。せっかくアドミラル学園に入れたのに、成績が悪くて退学なんてなったら、笑い話にもならないからね」
それは確かにその通りだ。私も復習になるし、恩返しにもなるし、良い提案かもしれない。
「私もそんなに得意ではありませんが……わかりました」
「ありがとう! ふふっ……よしっ」
「……?」
レオ様は、何故か握り拳を作って喜んでいた。それは、まるで欲しかった物を買ってもらい、喜びを噛みしめている子供の様だった。
……よっぽど勉強で不安に思うところがかしら……? この学園に入れているのだから、そんなに不安に思うことは無いと思うのは、私だけだろうか?
「それじゃあ、今度の休日に教えてもらっていいかな?」
「休日ですか」
「あ、もしかして何か予定でも?」
「いえ、特には。貴族の身ではありますが、社交界やお茶会などには出席する必要が無いので」
「そうなのかい? 俺も社交界なんて出たことないから、仲間だね」
「え、出たことないんですか?」
「ああ。まあ色々事情があってね」
貴族で社交界に出ないなんて珍しいわ。私は、昔はそういった類のものにも出席していたけど、今の扱いを受けるようになってから、行かなくてもいいようにされていた。私としては気が楽だからいいんだけどね。
「では次の休日に……どこでやりましょうか? 私はいつも、図書館で勉強をしているのですが……」
「うーん、図書館だと少し喋りにくいよね?」
「そうですね」
「よし、それじゃあ俺の方でいい所を見つけてみるよ! デートだっていえば、協力してくれるだろうし!」
「え、デート!? そんなんじゃ……!」
レオ様を呼び止める前に、彼は勢いよく教室を出て行ってしまった――
「…………」
同日の昼休み。私はこっそりと、でも急いでいつもの教室へとやってきたのに、到着から数分ほどで、笑顔のレオ様がやってきた。
「まったく、俺を置いていくなんて酷いじゃないか!」
「他の方から沢山お誘いを受けてたので、邪魔をしてはいけないと思って」
「あれ、初日は随分と理解されてるなと思ったのに、今度は急に理解されなくなってしまったな。朝も言ったけど、俺はアメリア以外の人なんかどうでもいいんだよ」
少し呆れ気味に息を吐きながら、いつものように私の対面に腰を降ろす。
確かに言っていたのは覚えているけど、それが本気で言ってるとは思ってなかった。てっきり、あの場を切り抜けるために言ったとばかり……。
「私と一緒にいても、良いことは無いですよ」
「それはどうしてだい?」
「私はクラスで浮いている存在で、いつも一人です。そんな私と一緒にいたら、周りからレオ様まで変な目で見られてしまいます」
端的にわかりやすく説明をしたつもりだったが、レオ様は私の言葉の意味を理解してないのか、怪訝な顔をしながら、首を傾げた。
「一人だったアメリアと一緒にいるのを悪いと思われる筋合いは無いし、他人にどう見られても俺は気にしないから問題ないね」
「は、はあ……そうですか」
「俺はアメリアと一緒にいたいからいる。それに、一人ぼっちというのは、とても寂しいものだって俺は知っている。だからアメリアに心の底から嫌われない限りは、一緒にいるつもりだよ」
「レオ様……」
微笑むレオ様のことを、ジッと見つめる。
なんだろう、心の奥底がじんわりと熱を熱を持っているかのような、この感覚……頬も少し熱い気がするわ。
「さてと、そろそろ昼食を食べないと休み時間が終わってしまうね」
「そ、そうですね」
レオ様は持ってきた鞄から、大きな弁当箱を取り出す。中に入っていたのは……巨大な骨付きのお肉だった。それも一つだけ。
なんていうか……言い方はあれだけど、ただお肉を丸焼きにしただけの料理って感じで……侯爵子息様が食べるような料理には見えない。
「そんなにジッと見て、どうかしたのかな? 俺の顔に何かついてる?」
「いえ、そういうわけでは」
「わかった、この肉を食べてみたいんだね! いやーアメリアにはこの肉の美味さが見ただけでわかるなんてね! よければ一口食べるかい?」
「お気持ちだけいただきます。私にもちゃんと昼食はあるので」
私はそう答えながら、持ってきた鞄から昼食を取り出す。それは、布に包まれたパンだ。
でも、そのパンはガチガチに固くて食べにくいうえ、誰かに踏まれたのか、ぺっちゃんこになっている。ご丁寧に、包んでいた布に足跡までついている始末だ。
これは私が自分でしているわけではない。おそらく、私が知らない間に誰かがパンを踏みつけたのだろう。こういう経験は今まで何度もしているから、特に驚いたりはしないけどね。
「え、えっと? 随分と個性的なパンだね……? 俺が知らないだけで、最近のパンは踏まれるのが流行ってるとか?」
「そんな流行りはありませんよ。その……持ってくる時に誤って落として、踏みつけてしまったんです」
「……誤って、ね……それで、他に食べるものは?」
「ありませんよ」
「無い!? そ、そんなパンを一つだけで済ませるのかい!?」
驚くのも無理はない。でも、私にとってはこれが普通だ。昼食なんて家で用意されてるわけがないし、元々食に強い欲求が無いから、自分で作ってまで昼食を充実させたいと思わないのよ。
「そんなんじゃ、次の授業を乗り越えられないよ!」
「大丈夫ですよ。それに、レオ様だってお肉しかないじゃないですか」
「俺は良いけど、アメリアはダメだ! もし君が倒れたらと思うと、俺は……! ほら、好きなだけ肉を食べるといい!」
レオ様は力任せにお肉の一部を千切ると、私に差し出した。
あまりお肉って好きじゃないのだが、差し出されたからには頂かないと失礼に当たる。そう思ってゆっくりと口に運んだ。
「どうだい?」
「思った以上に野性味がないですね。お肉の油も上品で……美味しいです。お肉ってあまり得意じゃなかったのに……」
「そうだろうそうだろう! 以前、これを食べてるのを見た人に、海賊の飯とか言われたんだよ? 酷い連中だと思わないか?」
それは仕方がないことのような気がするわね。こんな大きなお肉に豪快にかぶりついていたら、そう思ってしまう人も出てくるだろう。
「でもそれが好きな食べ物ならいいじゃないですか。レオ様は誰かに迷惑をかけたりせず、一人で美味しい物を食べているだけに過ぎない……悪く言われる筋合いはありません」
「アメリア……うう……」
「え、どうしたんですか?」
急に顔を俯かせてしまったレオ様。体が小刻みに震えているし、目からも大粒の涙が溢れている。
「レオ様、どうかされたのですか!? 私、何か変なことを……!?」
「いや、君の言葉が嬉しくてね……えへへ……ぐすっ」
笑いながら泣いて、そしてお肉も食べて……レオ様は器用な方なのね。私にはそんな器用なことはできそうもないわ。
「ほら、これで涙を拭いてください」
「うん、ありがとう。それじゃあお礼に……それっ!!」
「もぐっ!?」
不意打ち気味に、私の口の中に、先程のお肉が強引に侵入してきた。お肉の柔らかさとジューシーさが口の中で蕩け合い、最高のハーモニーを奏でている。やっぱり何回食べても美味しいわ。
「不意打ち肉の味はいかがかな?」
「もちろん美味しいですけど……急に落ち込んだり、お肉を突っ込んだり……脅かさないでください」
「はは、ごめんごめん。それじゃあ今度こそちゃんと昼食を食べようか。これがアメリアの分ね。あ、フォークとナイフはあるから安心してね」
なんだか知らないうちに、このお肉を私も食べることになってしまったようだ。まあ、このお肉なら食べられそうだし、レオ様も楽しそうだしいいかな。
問題は……小食の私が、この肉のブロックを食べきれるかどうか。せっかくの好意を無下にするわけにもいかないし……が、頑張ってみましょう!
****
「アメリア、大丈夫かい?」
「……うっぷ……」
レオ様が心配する中、私は大きく膨れ上がったお腹をさすっていた。
途中から完全に無理をしてしまったけど、なんとかレオ様が分けてくれた分のお肉を完食できた。
とても美味しかったけど、食べ過ぎてお腹がはち切れそうだわ……こ、こんな状態で午後の授業を受けられるかしら……?
「そんなに無理して食べなくてもよかったんだよ?」
「い、いえ……せっかくレオ様が自分の昼食を分けてくれたのに……残すわけには……」
「……アメリアは、本当に優しいね」
……レオ様は私を優しいと言うけど、そんなことは無いと思う。人間として、最低限のことをしているだけにすぎないというのに。
「そうだ、よければ明日から俺がアメリアの昼食を持ってこようか!」
「え? 急にどうしたんですか?」
「だって、俺達のような育ち盛りが、あんなパン一個で済ませるなんて、体に良くないじゃないか」
「そうかもしれませんけど……レオ様にいらない負担をかけてしまいます」
「そんなの気にしなくていいよ! まあ、作るのはうちのコックだから、俺が偉そうに言える立場じゃないけどね」
あははっと自嘲気味に笑うレオ様は、更に言葉を続ける。
「俺はさ、アメリアのことが心配なんだよ」
「……友達だからですか?」
「友達……そ、そうだね」
友達というのは、そういう心配もしてくれるものなのね。今まで経験が無かったから知らなかったけど……その優しさのおかげか、胸の奥が暖かくなるのを感じた。
「お気持ちは大変嬉しいです。ですが、やはり無償で提供していただくというのは……」
「アメリアは真面目だなぁ。それじゃあ交換条件として、俺に勉強を教えてくれないかな?」
「勉強、ですか」
「前も話したけど、俺は勉強が苦手でね。せっかくアドミラル学園に入れたのに、成績が悪くて退学なんてなったら、笑い話にもならないからね」
それは確かにその通りだ。私も復習になるし、恩返しにもなるし、良い提案かもしれない。
「私もそんなに得意ではありませんが……わかりました」
「ありがとう! ふふっ……よしっ」
「……?」
レオ様は、何故か握り拳を作って喜んでいた。それは、まるで欲しかった物を買ってもらい、喜びを噛みしめている子供の様だった。
……よっぽど勉強で不安に思うところがかしら……? この学園に入れているのだから、そんなに不安に思うことは無いと思うのは、私だけだろうか?
「それじゃあ、今度の休日に教えてもらっていいかな?」
「休日ですか」
「あ、もしかして何か予定でも?」
「いえ、特には。貴族の身ではありますが、社交界やお茶会などには出席する必要が無いので」
「そうなのかい? 俺も社交界なんて出たことないから、仲間だね」
「え、出たことないんですか?」
「ああ。まあ色々事情があってね」
貴族で社交界に出ないなんて珍しいわ。私は、昔はそういった類のものにも出席していたけど、今の扱いを受けるようになってから、行かなくてもいいようにされていた。私としては気が楽だからいいんだけどね。
「では次の休日に……どこでやりましょうか? 私はいつも、図書館で勉強をしているのですが……」
「うーん、図書館だと少し喋りにくいよね?」
「そうですね」
「よし、それじゃあ俺の方でいい所を見つけてみるよ! デートだっていえば、協力してくれるだろうし!」
「え、デート!? そんなんじゃ……!」
レオ様を呼び止める前に、彼は勢いよく教室を出て行ってしまった――
あなたにおすすめの小説
「愛があれば十分だ」と私を捨てた婚約者へ――では、その婚約破棄の条件から確認いたしましょう
師走
恋愛
伯爵令嬢リディア・エーヴェルは、貴族たちの婚約や離縁、持参金や相続に関わる条件調整を陰でまとめてきた実務家だった。
だがある夜会で、婚約者である王太子側近ユリウス・グランツから「君は条件ばかりで冷たい。愛があれば契約などいらない」と一方的に婚約破棄されてしまう。
静かに婚約破棄を受理したリディアは、その場で持参金返還、贈与品、名誉回復の文言など必要事項の確認を始めるが、誰もその意味を理解しない。
けれど彼女が婚約から外れた直後から、王都では縁談、婚約、離縁の調整が次々と滞り始める。今まで多くの案件を陰でまとめていたのは、ほかでもないリディアだったのだ。
そんな中、法務局の裁定官補佐セオドア・ヴァレントから、王女ヘレナの婚姻条件を見直してほしいと依頼が舞い込む。
北方大公家との政略結婚。けれど提示された条件は、婚姻ではなく人質の引き渡しに等しいものだった。
「条件は愛の代わりではありません。ですが、愛が壊れたときに人を守ることはできます」
傷つきながらも再び交渉の場に立つリディアは、王女の未来を守るため、そして自分自身の人生を取り戻すため、契約と誠意を武器に王都最大の婚姻交渉へ挑む。
一方、自分を支えていたものの大きさに気づいた元婚約者は、今更になって復縁を望み始めるが――。
小説家になろう様でも掲載中
これまでは悉く妹に幸せを邪魔されていました。今後は違いますよ?
satomi
恋愛
ディラーノ侯爵家の義姉妹の姉・サマンサとユアノ。二人は同じ侯爵家のアーロン=ジェンキンスとの縁談に臨む。もともとはサマンサに来た縁談話だったのだが、姉のモノを悉く奪う義妹ユアノがお父様に「見合いの席に同席したい」と懇願し、何故かディラーノ家からは二人の娘が見合いの席に。
結果、ユアノがアーロンと婚約することになるのだが…
『姉に全部奪われた私、今度は自分の幸せを選びます ~姉の栄光を支える嘘を、私は一枚ずつ剥がす~』
六角
恋愛
復讐はしない。——ただ「嘘」を回収する。 礼儀と帳簿で宮廷の偽りを詰ませる“監査官令嬢”の華麗なる逆転劇。
王家献上宝飾の紛失事件で濡れ衣を着せられ、家族にも婚約者にも捨てられて追放された子爵家次女リリア。 数年後、彼女は王妃直属の「臨時監査官」として、再び宮廷の土を踏む。
そこで待っていたのは、「慈愛の聖女」として崇められる姉セシリアと、彼女に心酔する愚かな貴族たち。しかし、姉の栄光の裏には、横領、洗脳、そして国を揺るがす「偽造魔石」の陰謀が隠されていた。
「復讐? いいえ、これは正当な監査です」
リリアは感情に流されず、帳簿と証拠、そして真実を映す「プリズム」を武器に、姉が築き上げた嘘の城を一枚ずつ剥がしていく。 孤立無援の彼女を支えるのは、氷のように冷徹な宰相補佐レオンハルトと、豪快な近衛騎士団長カミュ。 やがてリリアは、国中を巻き込んだ姉の洗脳計画を打ち砕き、自分自身の幸せと、不器用な宰相補佐からの溺愛を手に入れる——。
妹のことが好き過ぎて婚約破棄をしたいそうですが、後悔しても知りませんよ?
カミツドリ
ファンタジー
侯爵令嬢のフリージアは婚約者である第四王子殿下のボルドーに、彼女の妹のことが好きになったという理由で婚約破棄をされてしまう。
フリージアは逆らうことが出来ずに受け入れる以外に、選択肢はなかった。ただし最後に、「後悔しないでくださいね?」という言葉だけを残して去って行く……。
妹に婚約者を奪われた上に断罪されていたのですが、それが公爵様からの溺愛と逆転劇の始まりでした
水上
恋愛
濡れ衣を着せられ婚約破棄を宣言された裁縫好きの地味令嬢ソフィア。
絶望する彼女を救ったのは、偏屈で有名な公爵のアレックスだった。
「君の嘘は、安物のレースのように穴だらけだね」
彼は圧倒的な知識と論理で、ソフィアを陥れた悪役たちの嘘を次々と暴いていく。
これが、彼からの溺愛と逆転劇の始まりだった……。
婚約者の幼馴染に殺されそうになりました。私は彼女の秘密を知ってしまったようです【完結】
小平ニコ
恋愛
選ばれた貴族の令嬢・令息のみが通うことを許される王立高等貴族院で、私は婚約者のチェスタスと共に楽しい学園生活を謳歌していた。
しかし、ある日突然転入してきたチェスタスの幼馴染――エミリーナによって、私の生活は一変してしまう。それまで、どんな時も私を第一に考えてくれていたチェスタスが、目に見えてエミリーナを優先するようになったのだ。
チェスタスが言うには、『まだ王立高等貴族院の生活に慣れてないエミリーナを気遣ってやりたい』とのことだったが、彼のエミリーナに対する特別扱いは、一週間経っても、二週間経っても続き、私はどこか釈然としない気持ちで日々を過ごすしかなかった。
そんなある日、エミリーナの転入が、不正な方法を使った裏口入学であることを私は知ってしまう。私は間違いを正すため、王立高等貴族院で最も信頼できる若い教師――メイナード先生に、不正の報告をしようとした。
しかし、その行動に気がついたエミリーナは、私を屋上に連れて行き、口封じのために、地面に向かって突き落としたのだった……
捨てられた私は遠くで幸せになります
高坂ナツキ
恋愛
ペルヴィス子爵家の娘であるマリー・ド・ペルヴィスは来る日も来る日もポーションづくりに明け暮れている。
父親であるペルヴィス子爵はマリーの作ったポーションや美容品を王都の貴族に売りつけて大金を稼いでいるからだ。
そんな苦しい生活をしていたマリーは、義家族の企みによって家から追い出されることに。
本当に家から出られるの? だったら、この機会を逃すわけにはいかない!
これは強制的にポーションを作らせられていた少女が、家族から逃げて幸せを探す物語。
8/9~11は7:00と17:00の2回投稿。8/12~26は毎日7:00に投稿。全21話予約投稿済みです。
偽りの家族を辞めます!私は本当に愛する人と生きて行く!
ユウ
恋愛
伯爵令嬢のオリヴィアは平凡な令嬢だった。
社交界の華及ばれる姉と、国内でも随一の魔力を持つ妹を持つ。
対するオリヴィアは魔力は低く、容姿も平々凡々だった。
それでも家族を心から愛する優しい少女だったが、家族は常に姉を最優先にして、蔑ろにされ続けていた。
けれど、長女であり、第一王子殿下の婚約者である姉が特別視されるのは当然だと思っていた。
…ある大事件が起きるまで。
姉がある日突然婚約者に婚約破棄を告げられてしまったことにより、姉のマリアナを守るようになり、婚約者までもマリアナを優先するようになる。
両親や婚約者は傷心の姉の為ならば当然だと言う様に、蔑ろにするも耐え続けるが最中。
姉の婚約者を奪った噂の悪女と出会ってしまう。
しかしその少女は噂のような悪女ではなく…
***
タイトルを変更しました。
指摘を下さった皆さん、ありがとうございます。