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第二十九話 最後の夜?
今日もレオ様の家でお世話になっている私は、勉強に使っている魔法薬学の参考書とノートから、暗くなった外へと視線を向けた。
なんだかんだで今日もお世話になってしまったけど、あまり甘えるのも良くないわよね。帰ったら何を言われるかわからないけど、そろそろ家に帰った方が良いかもしれない。
「今まで一人で何とかなってたんだから、きっと大丈夫よね。そうと決まれば、レオ様にちゃんとお話しないといけないわね……あっ」
レオ様とお話をするために立ち上がった拍子に、クローバーの栞がひらりと床に落ちた。
「危ない危ない……気づかないで踏んでたら、落ち込むところだったわ」
栞を拾ってから、それを胸元に持っていく。この栞があるからこそ、あの子との約束と、魔法薬学を勉強する証明になっている。
「アメリア、いるかい?」
「レオ様? どうぞ」
「失礼するよ」
ノックと共に聞こえてきたレオ様の声に、栞を机に置きながら返事を返すと、ゆっくりと扉が開いた。きっとこの前のことを気にしているのだろう。
「どうかされましたか?」
「いや、寝る前に顔を見たいと思ってね」
「そうでしたか。私も丁度、レオ様にお話したいことがあって」
「俺に?」
「私、そろそろ家に帰ろうと思うんです」
話を切り出すと、レオ様は呆気に取られたような顔をしていた。それから間もなく、私の元へと歩み寄ると、勢いよく私の手を取った。
「急にどうしたんだ!? もしかして、何か気に障るようなことをしてしまったのか!?」
「そういうわけではありません。皆様のご厚意で、何日かここでお世話になっていますが、ずっとというわけにはいきません。最近はシャーロット達も大人しいので、帰っても大丈夫かと思って」
「大丈夫なものか! 君もあの机を見ただろう!」
「あんなの、子供でも出来る嫌がらせにすぎません」
普通の人の感性はわからないけど、私にとってあの程度の嫌がらせは、嫌がらせに入らない。それくらい、長い間嫌がらせを受けているからね。
「しかし……」
「私は大丈夫です」
「……こうなったアメリアは、意外と頑固だよね……わかった。君にも何か思うところがあって、そう決めたんだよね」
「ありがとうございます」
渋々ではあったけど、レオ様は溜息を吐きながら了承をしてくれた。
頑固と言われようとも、この意見は通さないと、更に迷惑をかけてしまう可能性がある。あ、でも……勝手に決めて恩知らずって思われないかしら……?
「……一つ約束してほしい。もし帰ってなにか酷いことをされたら、遠慮しないで俺に言ってほしい。俺が何も出来ないところで、アメリアが苦しんでいるのは嫌なんだ」
「わかりました」
ここで大丈夫だと伝えるのは簡単だけど、レオ様に少しでも安心してもらいたいと思った私は、素直に頷いて見せた。
「ところで、夜も勉強を?」
「はい」
「夜も勉強するなんて、アメリアは凄いね」
「もう体に染みついてしまってるので。逆にちゃんと勉強をしてないと、ソワソワする体になってしまいました」
習慣って、結構怖いものよ。最初の頃は両親に言われてやっていたけど、今では言われずとも体が動くようになり、やらないと落ち着かなくなるくらいには、勉強が日常となっているの。
「そうだ。今日で一応最後の日だし、少し夜更かしに付き合ってくれないかな?」
「いいですよ。でも、何をするんですか?」
「ちょっとお喋りさ。すまない、最高の紅茶を用意してもらえるかな?」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
一緒に来ていた使用人にお願いをしてから、レオ様は再び私の方へと向き直した。
「今片付けるので、少しだけ待っててください」
「急がなくていいからね。おや、まだその栞を使っているんだね」
「もちろんです。これは私の命より大切なものですから。いつも持ち歩いているんです」
「前にそう言っていたね。話を聞いていた感じだと、結構古いものだよね? よく破れたりせずに済んだね」
「少しでも汚れたり破れたら、すぐに修復しているので」
「それは魔法で?」
「まさか。私に魔法の才能なんてありませんよ」
自分で言っておきながら、自分の魔法の才能の無さが恨めしく思えて来てしまった。これがもうちょっとでもあれば、家のために頑張れたのだけどね。
「そうか……なんにせよ、大切なものを大事にしていると知ったら、それを渡した彼はきっと喜ぶだろうね」
「そうですね。今もどこかで元気にしているでしょうか……」
「き、きっと元気さ! 俺が保証する!」
「もう、なんでレオ様が保証できるんですか? ふふっ」
力強く胸を叩くレオ様は、とても自信満々で、本当に彼が元気なんじゃないかって思えるほどのパワーがあった。
それがなんだか面白くて、そして安心が出来て……自然と笑みが零れていた。
「……さっきから、虫が一匹飛んでる気がするんだけど、気のせいかな?」
「あー……気のせいじゃないです。ずっと一匹ブンブンと……」
実は、さっきから小さい虫が一匹部屋に入り込んだみたいで、忙しなく飛び回ってるの。
周りを飛ばれてて嫌なのは確かなんだけど、動きが早いから捕まえられないのよね。こんなところで、どんくさいのを見せなくてもいいのに。
「お茶をするのに邪魔な虫は……こうだ!」
レオ様は指の骨をバキバキと鳴らしてから、飛んでる虫に向かって拳を突き出す。そして、虫に当たる直前に掌を広げて、虫を潰すように握った。
「よし、捕まえた」
「あ、あまり見せないでくださいね」
「わかってるって……む?」
「どうかしましたか? あれ、ここにいた虫は?」
「わからない。いつの間にか消えてしまっていた。確かに捕まえたはずだが……そもそも今のは虫だったのか……?」
虫じゃなかったら、なんなのかしら? それ以外の物が想像できないわね。
「用心しておくに越したことはないか」
「お待たせしました。準備が整いました」
「ああ、ありがとう。さあ、気を取り直してお茶でもしようか」
「はい。せっかくですし、バルコニーで月でも眺めながらどうでしょうか?」
「いいね、採用!」
私はレオ様と一緒に、優しい月明かりの元、ゆっくりと真っ白な椅子に腰を降ろす。すると、さきほどの使用人が、紅茶を淹れてくれた。
「アップルティーです。お二人の好みと伺ってますので」
「おお、これは嬉しいな! ありがとう」
「ありがとうございます」
感謝の意を伝えると、彼女はやや照れくさそうに頬を染めながら、部屋を後にした。ちょっと可愛かったわ……。
「ふう、美味しい」
「そうだね。うちの紅茶はとても美味しい。さっきも言ったけど、なにかあったら連絡をしてね」
「わかりました」
「さて、暗い話はおしまいっと! そうそう、この前の男女別の魔法実習の時にね――」
最初はちょっとだけ話が重くなったけど、それ以降は終始楽しくお喋りをした。ただ喋っているだけだというのに、時間はあっという間に過ぎていった。
当然、私の睡魔も凄いことになっていて……いつの間にか、頭がフラフラし始めていた。
「アメリア、そろそろ寝ようか」
「そうですね……もう目が開きません……」
ダウン寸前の私の体を、ひょいっと持ち上げるレオ様。完全にお姫様抱っこになっている。
ま、またこれかぁ……でも、レオ様にされるなら別にいいかな……。
「よっと……痛い所は無かった?」
「だい、じょーぶです……ぐう……」
ベッドに寝かされた私は、そのまま目を閉じる。
あぁ。これはもう間もなく夢の世界に旅立ってしまうわね。
本当は、もっと一緒にお喋りをしていたかったのだけど、またの機会に――ん?
なにか柔らかいものが、ほっぺに当たったような……気のせいかしら? でも今はどうでもいいかな……とにかく、ねむ……い……。
「もしかして、あれが弱点?」
「シャーロット、知らなったんですの?」
「あれの存在は知ってたけど……汚くて興味が無かったのよ。それがまさか重要な品だったなんて! 明日、あの栞を何とかバレずに奪い取るわよ!」
「それなら良い方法がありますわ。栞一枚程度、さくっと持ってきて差し上げますわ!」
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「危ない危ない……気づかないで踏んでたら、落ち込むところだったわ」
栞を拾ってから、それを胸元に持っていく。この栞があるからこそ、あの子との約束と、魔法薬学を勉強する証明になっている。
「アメリア、いるかい?」
「レオ様? どうぞ」
「失礼するよ」
ノックと共に聞こえてきたレオ様の声に、栞を机に置きながら返事を返すと、ゆっくりと扉が開いた。きっとこの前のことを気にしているのだろう。
「どうかされましたか?」
「いや、寝る前に顔を見たいと思ってね」
「そうでしたか。私も丁度、レオ様にお話したいことがあって」
「俺に?」
「私、そろそろ家に帰ろうと思うんです」
話を切り出すと、レオ様は呆気に取られたような顔をしていた。それから間もなく、私の元へと歩み寄ると、勢いよく私の手を取った。
「急にどうしたんだ!? もしかして、何か気に障るようなことをしてしまったのか!?」
「そういうわけではありません。皆様のご厚意で、何日かここでお世話になっていますが、ずっとというわけにはいきません。最近はシャーロット達も大人しいので、帰っても大丈夫かと思って」
「大丈夫なものか! 君もあの机を見ただろう!」
「あんなの、子供でも出来る嫌がらせにすぎません」
普通の人の感性はわからないけど、私にとってあの程度の嫌がらせは、嫌がらせに入らない。それくらい、長い間嫌がらせを受けているからね。
「しかし……」
「私は大丈夫です」
「……こうなったアメリアは、意外と頑固だよね……わかった。君にも何か思うところがあって、そう決めたんだよね」
「ありがとうございます」
渋々ではあったけど、レオ様は溜息を吐きながら了承をしてくれた。
頑固と言われようとも、この意見は通さないと、更に迷惑をかけてしまう可能性がある。あ、でも……勝手に決めて恩知らずって思われないかしら……?
「……一つ約束してほしい。もし帰ってなにか酷いことをされたら、遠慮しないで俺に言ってほしい。俺が何も出来ないところで、アメリアが苦しんでいるのは嫌なんだ」
「わかりました」
ここで大丈夫だと伝えるのは簡単だけど、レオ様に少しでも安心してもらいたいと思った私は、素直に頷いて見せた。
「ところで、夜も勉強を?」
「はい」
「夜も勉強するなんて、アメリアは凄いね」
「もう体に染みついてしまってるので。逆にちゃんと勉強をしてないと、ソワソワする体になってしまいました」
習慣って、結構怖いものよ。最初の頃は両親に言われてやっていたけど、今では言われずとも体が動くようになり、やらないと落ち着かなくなるくらいには、勉強が日常となっているの。
「そうだ。今日で一応最後の日だし、少し夜更かしに付き合ってくれないかな?」
「いいですよ。でも、何をするんですか?」
「ちょっとお喋りさ。すまない、最高の紅茶を用意してもらえるかな?」
「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」
一緒に来ていた使用人にお願いをしてから、レオ様は再び私の方へと向き直した。
「今片付けるので、少しだけ待っててください」
「急がなくていいからね。おや、まだその栞を使っているんだね」
「もちろんです。これは私の命より大切なものですから。いつも持ち歩いているんです」
「前にそう言っていたね。話を聞いていた感じだと、結構古いものだよね? よく破れたりせずに済んだね」
「少しでも汚れたり破れたら、すぐに修復しているので」
「それは魔法で?」
「まさか。私に魔法の才能なんてありませんよ」
自分で言っておきながら、自分の魔法の才能の無さが恨めしく思えて来てしまった。これがもうちょっとでもあれば、家のために頑張れたのだけどね。
「そうか……なんにせよ、大切なものを大事にしていると知ったら、それを渡した彼はきっと喜ぶだろうね」
「そうですね。今もどこかで元気にしているでしょうか……」
「き、きっと元気さ! 俺が保証する!」
「もう、なんでレオ様が保証できるんですか? ふふっ」
力強く胸を叩くレオ様は、とても自信満々で、本当に彼が元気なんじゃないかって思えるほどのパワーがあった。
それがなんだか面白くて、そして安心が出来て……自然と笑みが零れていた。
「……さっきから、虫が一匹飛んでる気がするんだけど、気のせいかな?」
「あー……気のせいじゃないです。ずっと一匹ブンブンと……」
実は、さっきから小さい虫が一匹部屋に入り込んだみたいで、忙しなく飛び回ってるの。
周りを飛ばれてて嫌なのは確かなんだけど、動きが早いから捕まえられないのよね。こんなところで、どんくさいのを見せなくてもいいのに。
「お茶をするのに邪魔な虫は……こうだ!」
レオ様は指の骨をバキバキと鳴らしてから、飛んでる虫に向かって拳を突き出す。そして、虫に当たる直前に掌を広げて、虫を潰すように握った。
「よし、捕まえた」
「あ、あまり見せないでくださいね」
「わかってるって……む?」
「どうかしましたか? あれ、ここにいた虫は?」
「わからない。いつの間にか消えてしまっていた。確かに捕まえたはずだが……そもそも今のは虫だったのか……?」
虫じゃなかったら、なんなのかしら? それ以外の物が想像できないわね。
「用心しておくに越したことはないか」
「お待たせしました。準備が整いました」
「ああ、ありがとう。さあ、気を取り直してお茶でもしようか」
「はい。せっかくですし、バルコニーで月でも眺めながらどうでしょうか?」
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私はレオ様と一緒に、優しい月明かりの元、ゆっくりと真っ白な椅子に腰を降ろす。すると、さきほどの使用人が、紅茶を淹れてくれた。
「アップルティーです。お二人の好みと伺ってますので」
「おお、これは嬉しいな! ありがとう」
「ありがとうございます」
感謝の意を伝えると、彼女はやや照れくさそうに頬を染めながら、部屋を後にした。ちょっと可愛かったわ……。
「ふう、美味しい」
「そうだね。うちの紅茶はとても美味しい。さっきも言ったけど、なにかあったら連絡をしてね」
「わかりました」
「さて、暗い話はおしまいっと! そうそう、この前の男女別の魔法実習の時にね――」
最初はちょっとだけ話が重くなったけど、それ以降は終始楽しくお喋りをした。ただ喋っているだけだというのに、時間はあっという間に過ぎていった。
当然、私の睡魔も凄いことになっていて……いつの間にか、頭がフラフラし始めていた。
「アメリア、そろそろ寝ようか」
「そうですね……もう目が開きません……」
ダウン寸前の私の体を、ひょいっと持ち上げるレオ様。完全にお姫様抱っこになっている。
ま、またこれかぁ……でも、レオ様にされるなら別にいいかな……。
「よっと……痛い所は無かった?」
「だい、じょーぶです……ぐう……」
ベッドに寝かされた私は、そのまま目を閉じる。
あぁ。これはもう間もなく夢の世界に旅立ってしまうわね。
本当は、もっと一緒にお喋りをしていたかったのだけど、またの機会に――ん?
なにか柔らかいものが、ほっぺに当たったような……気のせいかしら? でも今はどうでもいいかな……とにかく、ねむ……い……。
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