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第十四話 暖かい食事
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ブラハルト様にお礼と謝罪の言葉を伝えてから、私はマリーヌに手伝ってもらって着替えた後、昼食をいただくことになった。
昨晩も食事の用意をしてくれていたみたいだし、おそらく今日の朝食だって用意してくれていただろう。
それなのに、私がこんな体たらくだから……きっと無駄になってしまったわよね……はぁ、本当に情けない。
「なるべく消化が良くて、栄養も取れるように、野菜をトロトロに煮込んだスープと、柔らかめのパンを用意させました。お口に合えばいいのですが」
「あ、ありがとうございます……ごくりっ」
食事を一緒にするブラハルト様の言葉がほとんど耳に入らないくらい、目の前の食事に釘付けになりながら、喉を小さく鳴らす。
家にいる時は、こんなおいしそうな食事なんて、お客様を食事に招いた時に、その席に出席した時くらいしか食べられない。
それも、がつがつ食べたら見栄えが悪いから、ほとんど手を付けるなときつく言われていたせいで、食べられた量もたかが知れている。
それ以外では、ほとんど具の入っていないスープや、ガチガチに硬くなったパンや、小さくて食べる所がほとんどない魚くらいしか、食べさせてもらえてなかった。
「では、いただくとしようか」
「は、はい」
私は、恐る恐るスープを口にすると、野菜の優しい甘みが溶け込んだスープの旨味が、口の中いっぱいに広がった。
「す、すごい……こんなおいしいスープ、初めてですわ」
「お気に召していただけたなら何よりです」
「こちらのパンも、とてもフワフワで……」
普通に食べても、スープにつけて食べてもおいしいパンを食べられるなんて、本当に幸せだ。
本当に、幸せ……。
「エルミーユ嬢? どうかされましたか?」
「えっ?」
食べるのに夢中になっていた私は、自分の頬に一筋の雫が流れていることに、全く気付かなかった。
食事をしているだけで泣いてしまうなんて、変に思われてしまうかもしれない。早く誤魔化さないと。
「なんでもございません。ちょっと目にゴミが入ってしまったみたいで」
「……本当ですか?」
「ええ、本当ですわ。えーっと……そうだ、この後の私の仕事は何でしょうか? 掃除ですか? 洗濯ですか?」
「仕事……?」
「……あっ……」
泣いてしまったことを誤魔化そうとして、余計に墓穴を掘ってしまった。
普通の令嬢は、掃除も洗濯も基本的には使用人任せだ。それなのに、急にこんなことを言うのは、変に思われてしまう。
さすがにこれは酷すぎる……家を出て気が抜けているんだわ。もっと気を引き締めないと。
「昨日から、とても良い待遇なので、何かの形で返そうと思い立ったので……あはは」
「そのお気持ちは大変嬉しいですが、そのような仕事は使用人が行うので、大丈夫ですよ」
「そ、そうですわよね」
使用人が掃除も洗濯もするのは、貴族にとって当たり前のことのはずなのだが、私にとっては不思議な感覚だ。
もちろん、自分が変だという自覚はある。
「では、私は何をすればいいでしょうか?」
「今のところは、特にこれといってお願いしたいことは無いですね。強いてあげるなら、この家の環境に慣れてもらうことでしょうか?」
それは、仕事と言えるものではないと思うけど……ブラハルト様がそうしろと仰るなら、そうするしかないだろう。
「とりあえず、まだ疲れが残っているでしょうから、今日は部屋でゆっくりしてください」
「わかりました」
今後のことを決めた後、私はゆっくりと食事を済ました。
そこまでは良かったのだけど、食べ終わってブラハルト様が去った後、やることがなくなってしまった。
「あの、マリーヌ」
「なんでしょうか?」
「やっぱり何か私にできることはありませんか? なにもしないでゆっくりするのは、申し訳なくて」
「休むことも仕事の内ですよ」
「それは、そうかもしれませんけど……」
今日も私のお世話を担当してくれているマリーヌは、苦笑しながら答える。
私が気にしないような言い方をしてくれるのは嬉しいけど、何もしないでボーっとしているのは、どうしても申し訳なく思ってしまうのよね……。
「そうですねぇ……でしたら、屋敷の中を案内しましょう。坊ちゃまも、慣れてほしいと言ってましたしね」
「それは名案ですわ。お願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかりました。この屋敷にお仕えして早三十年の私に、どうぞお任せください!」
「まあ、とても頼もしいですわ」
大きく胸を張るマリーヌと共に、私は屋敷の中を見て回る。
案内と言っても、部屋の間取りが違うだけで、部屋の種類は実家の屋敷とあまり変わらないみたい。これなら、すぐに慣れることが出来そうだわ。
「色々見て回りましたが、覚えられそうですか?」
「ええ、問題ございません。食堂、応接室、更衣室、脱衣所、大浴場、お手洗い、キッチン、使用人の居住スペース……他にも色々見せてもらいましたが、全部覚えられました」
「全部ですか? さすがエルミーユ様ですね」
「お褒めに預かり光栄ですわ。そうだ、後ほどで構いませんので、屋敷で働く方々の名前を教えていただけないでしょうか? 案内の中で見かけたお方の顔は全部覚えましたが、名前がわからなくて」
「使用人まで覚えたのですか!? す、凄い記憶力ですね……」
「ええ、まあ……」
まさか、見ただけで全部が覚えられるだなんて、伝えても信じてもらえないだろう。
怖がらせたくないし、怖がられたくないから、今のところは言うつもりはないけどね。
「では、最後にここを紹介したら、部屋に戻りましょうか」
最後に連れて来てもらった場所は、大きな書庫だった。入った瞬間にインクの独特な匂いが、私の鼻をくすぐった。
ワーズ家にも書庫はあったけど、ここの書庫の半分程度の本しかない。それくらい、アルスター家の書庫にある本の数は多かった。
「生前の奥様……坊ちゃまのお母様が、とても読書がお好きなお方でしてね。私も奥様に感化されて、読書に夢中になっていた時期があったんですよ。これとか全巻制覇するくらいは読みました」
そう言うと、マリーヌは本棚から一冊の本を取り出すと、私に見せてくれた。
それはいいのだけど……私、文字が読めないのよね……どうしよう。また誤魔化さないと。
「へ、へぇ~……おもしろそうですね。これはどのような物語なのですか?」
「おや、エルミーユ様は名探偵ディティをご存じありませんか? とても有名な推理小説なのですよ」
「あ、ディティなら知っていますわ。これがそうなのですね」
ディティの話は、コレットがお義母様が話しているのを聞いたことがあるから、内容は少し知っている。
屋敷の内装や使用人を覚えたり、本の内容を覚えたり、こういう時だけは役に立つのよね、私の記憶力。
「あと、バベルの冒険なんかも面白かったですよ。確かこの辺に……ありましたが……」
次の本を取りに行ったら、どうやらお目当ての本が高いところにあって、届かない見たいだ。
マリーヌは小柄なお方だから、上の方は厳しいわよね……私なら取れるかしら?
「私が取りますよ」
「では、バベルの冒険の一巻を取ってくれますか?」
すぐに本を取ろうとしたが……どれがバベルの冒険なのか、全然わからない。だって、文字が読めないのだから、どれがそうなのかわかるはずがないもの。
「……えっと、どれでしょうか……?」
「……? 一番上の段の、右から四番目です。背表紙に、バベルの冒険と書かれているでしょう?」
「上の段……右から……赤い背表紙の本ですね。よいしょっと……」
私は、ぐ~っと背伸びをすることで、目的の本を取ることが出来た。
取れてよかったけど……せ、背中が痛い……伸ばし過ぎちゃったかもしれないわ……。
「大丈夫ですか?」
「はい……昨日から、情けない姿ばかりお見せして……貴族の令嬢として、情けない限りです」
「ここはあなたの家なのだから、そんな気を使わなくていいのですよ?」
「っ……!」
マリーヌに、笑顔で頭を撫でてもらったら、なんだかお母様が私を撫でてくれたことを思い出してしまい、思わず涙が溢れそうになった。
我慢しなさい、私。これ以上は本当に心配をかけてしまう。
「オススメなんで、是非読んで感想を聞かせてくださいね」
「は、はい」
「では、私はそろそろ別の仕事があるので、これで失礼します」
マリーヌは、その小柄でふくよかな体とは思えないくらい、足早に部屋を後にした。
それを見送ってから、私は自室……になる予定の部屋に戻ってくると、貸してもらった本を前にして、大きく溜息を漏らした。
「私、文字読めないのに……これ、どうしましょう……」
せっかくマリーヌが貸してくれた本なのだから、ちゃんと読みたい。
でも…… 既にタイトルの時点で読めない……。
マリーヌには申し訳ないけど、素直に謝るしかないわよね。はぁ……マリーヌ、悲しむかしら……あの場で文字が読めないって伝えておけばよかった……。
昨晩も食事の用意をしてくれていたみたいだし、おそらく今日の朝食だって用意してくれていただろう。
それなのに、私がこんな体たらくだから……きっと無駄になってしまったわよね……はぁ、本当に情けない。
「なるべく消化が良くて、栄養も取れるように、野菜をトロトロに煮込んだスープと、柔らかめのパンを用意させました。お口に合えばいいのですが」
「あ、ありがとうございます……ごくりっ」
食事を一緒にするブラハルト様の言葉がほとんど耳に入らないくらい、目の前の食事に釘付けになりながら、喉を小さく鳴らす。
家にいる時は、こんなおいしそうな食事なんて、お客様を食事に招いた時に、その席に出席した時くらいしか食べられない。
それも、がつがつ食べたら見栄えが悪いから、ほとんど手を付けるなときつく言われていたせいで、食べられた量もたかが知れている。
それ以外では、ほとんど具の入っていないスープや、ガチガチに硬くなったパンや、小さくて食べる所がほとんどない魚くらいしか、食べさせてもらえてなかった。
「では、いただくとしようか」
「は、はい」
私は、恐る恐るスープを口にすると、野菜の優しい甘みが溶け込んだスープの旨味が、口の中いっぱいに広がった。
「す、すごい……こんなおいしいスープ、初めてですわ」
「お気に召していただけたなら何よりです」
「こちらのパンも、とてもフワフワで……」
普通に食べても、スープにつけて食べてもおいしいパンを食べられるなんて、本当に幸せだ。
本当に、幸せ……。
「エルミーユ嬢? どうかされましたか?」
「えっ?」
食べるのに夢中になっていた私は、自分の頬に一筋の雫が流れていることに、全く気付かなかった。
食事をしているだけで泣いてしまうなんて、変に思われてしまうかもしれない。早く誤魔化さないと。
「なんでもございません。ちょっと目にゴミが入ってしまったみたいで」
「……本当ですか?」
「ええ、本当ですわ。えーっと……そうだ、この後の私の仕事は何でしょうか? 掃除ですか? 洗濯ですか?」
「仕事……?」
「……あっ……」
泣いてしまったことを誤魔化そうとして、余計に墓穴を掘ってしまった。
普通の令嬢は、掃除も洗濯も基本的には使用人任せだ。それなのに、急にこんなことを言うのは、変に思われてしまう。
さすがにこれは酷すぎる……家を出て気が抜けているんだわ。もっと気を引き締めないと。
「昨日から、とても良い待遇なので、何かの形で返そうと思い立ったので……あはは」
「そのお気持ちは大変嬉しいですが、そのような仕事は使用人が行うので、大丈夫ですよ」
「そ、そうですわよね」
使用人が掃除も洗濯もするのは、貴族にとって当たり前のことのはずなのだが、私にとっては不思議な感覚だ。
もちろん、自分が変だという自覚はある。
「では、私は何をすればいいでしょうか?」
「今のところは、特にこれといってお願いしたいことは無いですね。強いてあげるなら、この家の環境に慣れてもらうことでしょうか?」
それは、仕事と言えるものではないと思うけど……ブラハルト様がそうしろと仰るなら、そうするしかないだろう。
「とりあえず、まだ疲れが残っているでしょうから、今日は部屋でゆっくりしてください」
「わかりました」
今後のことを決めた後、私はゆっくりと食事を済ました。
そこまでは良かったのだけど、食べ終わってブラハルト様が去った後、やることがなくなってしまった。
「あの、マリーヌ」
「なんでしょうか?」
「やっぱり何か私にできることはありませんか? なにもしないでゆっくりするのは、申し訳なくて」
「休むことも仕事の内ですよ」
「それは、そうかもしれませんけど……」
今日も私のお世話を担当してくれているマリーヌは、苦笑しながら答える。
私が気にしないような言い方をしてくれるのは嬉しいけど、何もしないでボーっとしているのは、どうしても申し訳なく思ってしまうのよね……。
「そうですねぇ……でしたら、屋敷の中を案内しましょう。坊ちゃまも、慣れてほしいと言ってましたしね」
「それは名案ですわ。お願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかりました。この屋敷にお仕えして早三十年の私に、どうぞお任せください!」
「まあ、とても頼もしいですわ」
大きく胸を張るマリーヌと共に、私は屋敷の中を見て回る。
案内と言っても、部屋の間取りが違うだけで、部屋の種類は実家の屋敷とあまり変わらないみたい。これなら、すぐに慣れることが出来そうだわ。
「色々見て回りましたが、覚えられそうですか?」
「ええ、問題ございません。食堂、応接室、更衣室、脱衣所、大浴場、お手洗い、キッチン、使用人の居住スペース……他にも色々見せてもらいましたが、全部覚えられました」
「全部ですか? さすがエルミーユ様ですね」
「お褒めに預かり光栄ですわ。そうだ、後ほどで構いませんので、屋敷で働く方々の名前を教えていただけないでしょうか? 案内の中で見かけたお方の顔は全部覚えましたが、名前がわからなくて」
「使用人まで覚えたのですか!? す、凄い記憶力ですね……」
「ええ、まあ……」
まさか、見ただけで全部が覚えられるだなんて、伝えても信じてもらえないだろう。
怖がらせたくないし、怖がられたくないから、今のところは言うつもりはないけどね。
「では、最後にここを紹介したら、部屋に戻りましょうか」
最後に連れて来てもらった場所は、大きな書庫だった。入った瞬間にインクの独特な匂いが、私の鼻をくすぐった。
ワーズ家にも書庫はあったけど、ここの書庫の半分程度の本しかない。それくらい、アルスター家の書庫にある本の数は多かった。
「生前の奥様……坊ちゃまのお母様が、とても読書がお好きなお方でしてね。私も奥様に感化されて、読書に夢中になっていた時期があったんですよ。これとか全巻制覇するくらいは読みました」
そう言うと、マリーヌは本棚から一冊の本を取り出すと、私に見せてくれた。
それはいいのだけど……私、文字が読めないのよね……どうしよう。また誤魔化さないと。
「へ、へぇ~……おもしろそうですね。これはどのような物語なのですか?」
「おや、エルミーユ様は名探偵ディティをご存じありませんか? とても有名な推理小説なのですよ」
「あ、ディティなら知っていますわ。これがそうなのですね」
ディティの話は、コレットがお義母様が話しているのを聞いたことがあるから、内容は少し知っている。
屋敷の内装や使用人を覚えたり、本の内容を覚えたり、こういう時だけは役に立つのよね、私の記憶力。
「あと、バベルの冒険なんかも面白かったですよ。確かこの辺に……ありましたが……」
次の本を取りに行ったら、どうやらお目当ての本が高いところにあって、届かない見たいだ。
マリーヌは小柄なお方だから、上の方は厳しいわよね……私なら取れるかしら?
「私が取りますよ」
「では、バベルの冒険の一巻を取ってくれますか?」
すぐに本を取ろうとしたが……どれがバベルの冒険なのか、全然わからない。だって、文字が読めないのだから、どれがそうなのかわかるはずがないもの。
「……えっと、どれでしょうか……?」
「……? 一番上の段の、右から四番目です。背表紙に、バベルの冒険と書かれているでしょう?」
「上の段……右から……赤い背表紙の本ですね。よいしょっと……」
私は、ぐ~っと背伸びをすることで、目的の本を取ることが出来た。
取れてよかったけど……せ、背中が痛い……伸ばし過ぎちゃったかもしれないわ……。
「大丈夫ですか?」
「はい……昨日から、情けない姿ばかりお見せして……貴族の令嬢として、情けない限りです」
「ここはあなたの家なのだから、そんな気を使わなくていいのですよ?」
「っ……!」
マリーヌに、笑顔で頭を撫でてもらったら、なんだかお母様が私を撫でてくれたことを思い出してしまい、思わず涙が溢れそうになった。
我慢しなさい、私。これ以上は本当に心配をかけてしまう。
「オススメなんで、是非読んで感想を聞かせてくださいね」
「は、はい」
「では、私はそろそろ別の仕事があるので、これで失礼します」
マリーヌは、その小柄でふくよかな体とは思えないくらい、足早に部屋を後にした。
それを見送ってから、私は自室……になる予定の部屋に戻ってくると、貸してもらった本を前にして、大きく溜息を漏らした。
「私、文字読めないのに……これ、どうしましょう……」
せっかくマリーヌが貸してくれた本なのだから、ちゃんと読みたい。
でも…… 既にタイトルの時点で読めない……。
マリーヌには申し訳ないけど、素直に謝るしかないわよね。はぁ……マリーヌ、悲しむかしら……あの場で文字が読めないって伝えておけばよかった……。
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