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第四十話 二度目のパーティーへ
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復旧作業を始めてから一ヶ月後。だいぶ復旧の目途がついてきたので、私達は村の人に作業を任せて、屋敷で再び過ごすこととなった。
とはいっても、まだ橋が直ったわけでもない。それに、復旧にかかりきりになっていたせいで、ブラハルト様は家長の仕事に追われている。
最近のブラハルト様は、屋敷では書類仕事に追われ、屋敷を開ける日も多くなったわ。
でも、以前ちゃんと休むようにという話をしたからか、適度に休憩として、私とお茶を飲みながら、おしゃべりをしているし、夜もちゃんと寝てくれるから、少しは安心できる。
とにかく、今の私に出来ることは、なるべくブラハルト様の邪魔をしないようにすることと、ブラハルト様の癒しになること。そして、なにか頼まれた時に、すぐに動けるようにしておくことだと思うようにして、ブラハルト様を見守っている。
「失礼します。坊ちゃまに招待状が届いていますよ」
「招待状?」
今日は屋敷で書類仕事をしているブラハルト様の邪魔にならないように、自室で静かに自主勉強をしていると、マリーヌが部屋に入ってきた。
そういえば、アルスター家で生活するようになってから、パーティーは一度しか参加していない。
実家にいる時は、もっと招待状が届いていたのだけど……やっぱり、ブラハルト様を怖い人と勘違いさせる噂のせいで、招待されないのかしら……?
「どこの家からの招待状ですの?」
「アセット家からの招待状だ。どうやら一番下のご息女が婚約したから、それを記念したパーティーに、俺とエルミーユを招待したいとのことだ」
アセット家……子爵の爵位を持つ家で、私の実家であるワーズ家とも関りがある家だ。家長を務めているお方は、少し気が弱い一面もあるが、とても朗らかで優しいお方だと記憶している。
ただ、ワーズ家と関わりがあるということは……参加すれば、家族の誰かに会う可能性は、とても大きい。
「いかがしますか? 別件で忙しいからと伝えて、断りますか?」
「アセット家とは、長く交流がある家だから、なるべく参加したいところだが……しかし……」
腕を組みながら考えるブラハルト様の視線が、私に向いた。
きっと、ブラハルト様は私が家族と会う可能性があることをわかっているから、すぐに参加できると決断できないのだろう。
……私のせいで、ブラハルト様が参加しなかったら、さらに変な悪評が流れてしまいましまとか、両家の仲に亀裂が入るとか、そういうのは絶対に避けたい。
「ご心配には及びませんわ。家族に何を言われたって、何も気にしません」
「…………」
「そんなお顔をされないでくださいませ。これでも、生まれてからずっと家族に虐げられていたのですから、それと比べればたった数時間くらい、なんともありませんわ」
「その数時間で、エルミーユが少しでも傷つくのが嫌なんだ!」
ブラハルト様は勢いよく立ち上がると、私の元にやって来て、力強く抱きしめた。
「愛する人が、最低な人間達に悪口を言われたり、虐げられ、蔑まれたとしても、君は傷ついた心を一切出さず、いつも社交界でしている時のように、凛とした態度を取って、何も気にしていないような素振りを取るのだろう? 俺はそれが嫌なんだ!」
「ブラハルト様……ありがとう存じます。大切にしてくれて、とても嬉しいですわ。でも……」
そこで一旦言葉を区切ってから、私は真剣な表情を浮かべる顔を上げて、ブラハルト様を見つめる。
「私も、ブラハルト様を大切にしたいのです。もし参加を断って、悪評が流れたら、またあなたは傷つくでしょう。それに、不参加にしたせいで、もし両家の関係が悪くなったら、それを何とかするために、あなたはまた無理をするでしょう?」
「そ、それは……そんなことはない!」
「もう、その間が全てを物語っているではありませんか。とにかく、私は大丈夫ですから」
ブラハルト様を安心させるために、背中に手を回して優しく撫でながら、諭すように自分の気持ちを伝えると、ブラハルト様は、小さな声でわかったと返事をした。
「それで、パーティーはいつなのでしょうか?」
「来週のようだ。それまでに、出来るだけ仕事を終わらせてしまわないとな」
「坊ちゃま、無理は禁物ですからね」
「わかってるさ。ちゃんと適度に休憩しないと、エルミーユに一晩中怒られてしまうからね」
「わ、私はそんなことしません!」
もう、心配して注意することはあっても、怒ったりなんてしない。しかも、一晩中だなんて、もっとありえない。
そんなことをするくらいなら、優しく伝えてわかってもらった後に、二人で楽しくおしゃべりしたり、その……ブラハルト様と……こほん、なんでもないわ。
とはいっても、まだ橋が直ったわけでもない。それに、復旧にかかりきりになっていたせいで、ブラハルト様は家長の仕事に追われている。
最近のブラハルト様は、屋敷では書類仕事に追われ、屋敷を開ける日も多くなったわ。
でも、以前ちゃんと休むようにという話をしたからか、適度に休憩として、私とお茶を飲みながら、おしゃべりをしているし、夜もちゃんと寝てくれるから、少しは安心できる。
とにかく、今の私に出来ることは、なるべくブラハルト様の邪魔をしないようにすることと、ブラハルト様の癒しになること。そして、なにか頼まれた時に、すぐに動けるようにしておくことだと思うようにして、ブラハルト様を見守っている。
「失礼します。坊ちゃまに招待状が届いていますよ」
「招待状?」
今日は屋敷で書類仕事をしているブラハルト様の邪魔にならないように、自室で静かに自主勉強をしていると、マリーヌが部屋に入ってきた。
そういえば、アルスター家で生活するようになってから、パーティーは一度しか参加していない。
実家にいる時は、もっと招待状が届いていたのだけど……やっぱり、ブラハルト様を怖い人と勘違いさせる噂のせいで、招待されないのかしら……?
「どこの家からの招待状ですの?」
「アセット家からの招待状だ。どうやら一番下のご息女が婚約したから、それを記念したパーティーに、俺とエルミーユを招待したいとのことだ」
アセット家……子爵の爵位を持つ家で、私の実家であるワーズ家とも関りがある家だ。家長を務めているお方は、少し気が弱い一面もあるが、とても朗らかで優しいお方だと記憶している。
ただ、ワーズ家と関わりがあるということは……参加すれば、家族の誰かに会う可能性は、とても大きい。
「いかがしますか? 別件で忙しいからと伝えて、断りますか?」
「アセット家とは、長く交流がある家だから、なるべく参加したいところだが……しかし……」
腕を組みながら考えるブラハルト様の視線が、私に向いた。
きっと、ブラハルト様は私が家族と会う可能性があることをわかっているから、すぐに参加できると決断できないのだろう。
……私のせいで、ブラハルト様が参加しなかったら、さらに変な悪評が流れてしまいましまとか、両家の仲に亀裂が入るとか、そういうのは絶対に避けたい。
「ご心配には及びませんわ。家族に何を言われたって、何も気にしません」
「…………」
「そんなお顔をされないでくださいませ。これでも、生まれてからずっと家族に虐げられていたのですから、それと比べればたった数時間くらい、なんともありませんわ」
「その数時間で、エルミーユが少しでも傷つくのが嫌なんだ!」
ブラハルト様は勢いよく立ち上がると、私の元にやって来て、力強く抱きしめた。
「愛する人が、最低な人間達に悪口を言われたり、虐げられ、蔑まれたとしても、君は傷ついた心を一切出さず、いつも社交界でしている時のように、凛とした態度を取って、何も気にしていないような素振りを取るのだろう? 俺はそれが嫌なんだ!」
「ブラハルト様……ありがとう存じます。大切にしてくれて、とても嬉しいですわ。でも……」
そこで一旦言葉を区切ってから、私は真剣な表情を浮かべる顔を上げて、ブラハルト様を見つめる。
「私も、ブラハルト様を大切にしたいのです。もし参加を断って、悪評が流れたら、またあなたは傷つくでしょう。それに、不参加にしたせいで、もし両家の関係が悪くなったら、それを何とかするために、あなたはまた無理をするでしょう?」
「そ、それは……そんなことはない!」
「もう、その間が全てを物語っているではありませんか。とにかく、私は大丈夫ですから」
ブラハルト様を安心させるために、背中に手を回して優しく撫でながら、諭すように自分の気持ちを伝えると、ブラハルト様は、小さな声でわかったと返事をした。
「それで、パーティーはいつなのでしょうか?」
「来週のようだ。それまでに、出来るだけ仕事を終わらせてしまわないとな」
「坊ちゃま、無理は禁物ですからね」
「わかってるさ。ちゃんと適度に休憩しないと、エルミーユに一晩中怒られてしまうからね」
「わ、私はそんなことしません!」
もう、心配して注意することはあっても、怒ったりなんてしない。しかも、一晩中だなんて、もっとありえない。
そんなことをするくらいなら、優しく伝えてわかってもらった後に、二人で楽しくおしゃべりしたり、その……ブラハルト様と……こほん、なんでもないわ。
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