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第四十五話 こんな頭でも
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「さて、全員が無事だった喜びに浸っていたいが……そうも言っていられない。一体何があったのか、情報をすり合わせよう」
「そうですわね。まずは、マリーヌを呼びましょう」
「ああ」
翌日の早朝。ブラハルト様はそう言うと、私を椅子に座らせてから、自分も対面側に座った。
このベルは、使用人を呼びたい時に鳴らすものなのよ。
「失礼しま……え、エルミーユ様!? もう起きて大丈夫なのですか!?」
「はい。ご心配をおかけして申し訳ございませんでしたわ」
「すまない、マリーヌを呼んできてもらっていいか? あのパーティーの日のことの話がしたいんだ」
「か、かしこまりました」
部屋に来てくれた若い女性の使用人は、すぐに冷静さを取り戻すと、急いで部屋を後にした。
それから間もなく、ドタドタと大きな足音が聞こえてきた。
「マリーヌです」
「あ、ああ。どうぞ」
ブラハルト様がノックの主への返事をすると、マリーヌが血相を変えて飛んできた。
そして、私の姿を見るや否や、私の方にやってくると、そのまま遠慮なく抱きついてきた。
ブラハルト様のとは違い、とてつもない包容力があるマリーヌのハグは、ちょっぴり息苦しかったけど、それ以上に安心感を与えてくれる。
「エルミーユ様、本当に良かった……こんなに元気になって、本当に良かったです!」
「ご心配をおかけして、申し訳ございませんでした。マリーヌはお腹、大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です! それで、あの時の事を話しあうと?」
「ああ互いに知っていることを共有しよう」
マリーヌはその言葉に対して深く頷くと、空いている椅子に浅く腰を下ろした。
「では……私からお話しします。急な腹痛で、エルミーユ様と離れたら、トイレで突然眠くなってしまい、そこで少し眠ってしまいました。それで起きて戻ったら、エルミーユ様はいなくなり、坊ちゃまも見つからない。会場の人間も、もう帰ったんじゃないかとか、置いてかれたんだと、人を馬鹿にして笑うクズばかりでした!」
よほどお怒りなのだろう。マリーヌは、鬼の様な形相を浮かべていた。
「どうして急に腹痛になったり、眠くなったりしたのでしょうか?」
「あくまで可能性ですが、会場でもらったシャンパンに、何か入っていたのかもしれません」
そうだ、マリーヌはあの日、会場で振舞われていたシャンパンを貰って飲んでいた。あのタイミングなら、腹痛や睡魔を促す薬を飲ませるのは容易いだろう。
「その後、しばらく探し回ってたら、会場で坊ちゃまと合流しました。何やらボーっとしていたので、とりあえず先に帰りの馬車に乗せました」
「その節は申し訳ない。ほとんど覚えていないんだ……微かに覚えているのは、女性と部屋に入ったこと……そんな状態で、目を覚ましたら見知らぬ部屋で、服も乱れていてな……ボーッとしながら部屋を出たら、通りがかった使用人に見つけられて、会場に戻ったんだ」
この話が、昨晩ブラハルト様が仰っていた、曖昧な記憶のことだろうけど……服が乱れたって……それって、まさかそういうこと……?
でも、ブラハルト様は潔白だって言い張っているし、私もそれを信じる……つもりだけど、やっぱり少し怖い。
「私と同じように、なにか薬を盛られたのかもしれませんね」
「恐らくそうだろう。眠くなるのと、記憶が曖昧になる類の薬だと思う。そういう薬があると聞いたことがあるんだ」
「…………」
「エルミーユ、大丈夫。俺は何もしていないと、胸を張って言える。俺には、君だけしか見えない。それは、昨日伝えただろう?」
「ブラハルト様……ありがとう存じます」
不安に思っていると、ブラハルト様が優しか微笑んでくれた。
そうよ、昨晩はあれだけ愛を確かめ合ったブラハルト様が、私を裏切るはずがないわ。
「坊ちゃまを馬車に乗せた後、急いでエルミーユ様を探し回ったんです。ですが、中々見つからず……気づいた時には、外はもう真っ暗……なりふり構わず探したら、とある部屋のベッドで、服装が乱れた状態で寝かされているエルミーユ様を見つけました。その後、馬車まで連れて行って、急いで帰宅した次第です」
私も、ブラハルト様と似たような感じの状況だったのね。
私とブラハルト様は同じような薬で、マリーヌは少し違う効果の薬だというのが気になるけど、とにかく三人とも無事でよかった。
……良かったけど、一体犯人は何が目的だったのかしら?
「エルミーユ、当時のことを何か覚えてないか?」
「……覚えています。何があったかとか、私を襲ったお方とか、私をあそこまで誘導したお方も」
「えぇ!? でも、坊ちゃまは、薬のせいで前後の記憶はほとんど飛んでましたよね!?」
「私には、この頭がありますわ。恐らくですけど、私の記憶力は薬で抑えられる程、弱くはないのかと」
ずっといらない頭だと思っていたけど、まさかこんな形で役に立つとは、思ってもなかったわ。
「それで、何があったんだ? それと、相手は知っている人間なのか? 無理に思い出さなくていいから、わかる範囲で教えてくれると助かる」
「はい。アセット家の使用人に、突然ブラハルト様に呼ばれてると言われておびき寄せられて、屋敷のとある部屋に向かいました。そこで、とある男性に襲われて、布のような物を口に押し付けられて、意識を失いました。その直前に、そのお方の顔を確認しております。そうだ、誰か似顔絵を描けますか? 私が特徴をお伝えするので、描いてほしいのです」
「任せろ。実は絵は結構得意でね」
「そうだったのですか? では、お願いいたしますわ」
ブラハルト様が絵の道具を一式揃えたのを見てから、私は男の特徴をわかりやすく伝える。
すると、ブラハルト様はどんどんと筆を進めていって……襲ってきた人と、部屋まで誘導した人の顔を完璧に描いた。
「こんな感じか?」
「はい、この方々です! それと、襲ってきたお方はイリチェ村でも見かけました! 橋が崩落した後、なぜか一人だけ悲しんでいなかったお方と同じです!」
「なんだって!?」
「イリチェ村でお見かけした時とは、格好は違っていましたが、あの顔立ちと、顔に刻まれた小さな傷は、よく覚えていますわ」
今思い出しても、あの橋のところで何もせず見つめていた彼の目は、不気味そのものだった。はっきり言うと、関わり合いたくないような部類の人だ。
「まさか、このお方に襲われるなんて、思ってもいませんでしたわ。早くブラハルト様に不審な人物がいたと相談しておけば、こんなことにはならずに済んだかもしれなかったのに……」
「気に病むことはない。大切なのは、これからどうすることを考えることだ」
落ち込む私に、ブラハルト様は再び微笑みを向けてくれた。
たったそれだけの行動なのに、私に安心感と勇気を与えてくれる。まるで魔法みたいな微笑みだ。
「さて、一体その人物は何者で、どうして橋を破壊し、俺達にこんな卑劣な真似をしたんだ……?」
「わかりません。ですが、相手は私のことをよく知らないかもしれません。でなければ、私が全てを覚えてしまう頭があることを警戒して、何か手を打ってくるかと」
見たもの全てを記憶が出来るこの頭を知っていれば、顔や特徴を見せるなんて、一番やってはいけないことだもの。
それを怠ったということは、私の頭のことを知らないくらい、私と縁がないお方だと言える。
「なるほど……ふむ……駄目だな。情報が少なすぎる。考えてもわからない以上、別の切り口から攻めよう」
「坊ちゃま、何か案があるんですか?」
「ああ。あの不審者は、会場の警備をすり抜けた。いくつもの家を招待していたからか、かなりの見張りを用意していたのに、潜入を許すとは考えにくい」
「まさか、犯人はアセット家と内通しているのでは?」
「それが一番あり得る。実際に、エルミーユを誘い出したのは、アセット家の使用人だからな。あの優しくて穏やかなアセット子爵が、そんな悪事に手を出すとは考えにくいが……アセット家に向かい、情報を聞き出そう」
行動指針が決まれば、そこからは早かった。
ブラハルト様は、大至急でアセット家と会う約束を取り付けてしまった。
これで、何か良い情報が手に入ると良いのだけど……。
「そうですわね。まずは、マリーヌを呼びましょう」
「ああ」
翌日の早朝。ブラハルト様はそう言うと、私を椅子に座らせてから、自分も対面側に座った。
このベルは、使用人を呼びたい時に鳴らすものなのよ。
「失礼しま……え、エルミーユ様!? もう起きて大丈夫なのですか!?」
「はい。ご心配をおかけして申し訳ございませんでしたわ」
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「マリーヌです」
「あ、ああ。どうぞ」
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そして、私の姿を見るや否や、私の方にやってくると、そのまま遠慮なく抱きついてきた。
ブラハルト様のとは違い、とてつもない包容力があるマリーヌのハグは、ちょっぴり息苦しかったけど、それ以上に安心感を与えてくれる。
「エルミーユ様、本当に良かった……こんなに元気になって、本当に良かったです!」
「ご心配をおかけして、申し訳ございませんでした。マリーヌはお腹、大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です! それで、あの時の事を話しあうと?」
「ああ互いに知っていることを共有しよう」
マリーヌはその言葉に対して深く頷くと、空いている椅子に浅く腰を下ろした。
「では……私からお話しします。急な腹痛で、エルミーユ様と離れたら、トイレで突然眠くなってしまい、そこで少し眠ってしまいました。それで起きて戻ったら、エルミーユ様はいなくなり、坊ちゃまも見つからない。会場の人間も、もう帰ったんじゃないかとか、置いてかれたんだと、人を馬鹿にして笑うクズばかりでした!」
よほどお怒りなのだろう。マリーヌは、鬼の様な形相を浮かべていた。
「どうして急に腹痛になったり、眠くなったりしたのでしょうか?」
「あくまで可能性ですが、会場でもらったシャンパンに、何か入っていたのかもしれません」
そうだ、マリーヌはあの日、会場で振舞われていたシャンパンを貰って飲んでいた。あのタイミングなら、腹痛や睡魔を促す薬を飲ませるのは容易いだろう。
「その後、しばらく探し回ってたら、会場で坊ちゃまと合流しました。何やらボーっとしていたので、とりあえず先に帰りの馬車に乗せました」
「その節は申し訳ない。ほとんど覚えていないんだ……微かに覚えているのは、女性と部屋に入ったこと……そんな状態で、目を覚ましたら見知らぬ部屋で、服も乱れていてな……ボーッとしながら部屋を出たら、通りがかった使用人に見つけられて、会場に戻ったんだ」
この話が、昨晩ブラハルト様が仰っていた、曖昧な記憶のことだろうけど……服が乱れたって……それって、まさかそういうこと……?
でも、ブラハルト様は潔白だって言い張っているし、私もそれを信じる……つもりだけど、やっぱり少し怖い。
「私と同じように、なにか薬を盛られたのかもしれませんね」
「恐らくそうだろう。眠くなるのと、記憶が曖昧になる類の薬だと思う。そういう薬があると聞いたことがあるんだ」
「…………」
「エルミーユ、大丈夫。俺は何もしていないと、胸を張って言える。俺には、君だけしか見えない。それは、昨日伝えただろう?」
「ブラハルト様……ありがとう存じます」
不安に思っていると、ブラハルト様が優しか微笑んでくれた。
そうよ、昨晩はあれだけ愛を確かめ合ったブラハルト様が、私を裏切るはずがないわ。
「坊ちゃまを馬車に乗せた後、急いでエルミーユ様を探し回ったんです。ですが、中々見つからず……気づいた時には、外はもう真っ暗……なりふり構わず探したら、とある部屋のベッドで、服装が乱れた状態で寝かされているエルミーユ様を見つけました。その後、馬車まで連れて行って、急いで帰宅した次第です」
私も、ブラハルト様と似たような感じの状況だったのね。
私とブラハルト様は同じような薬で、マリーヌは少し違う効果の薬だというのが気になるけど、とにかく三人とも無事でよかった。
……良かったけど、一体犯人は何が目的だったのかしら?
「エルミーユ、当時のことを何か覚えてないか?」
「……覚えています。何があったかとか、私を襲ったお方とか、私をあそこまで誘導したお方も」
「えぇ!? でも、坊ちゃまは、薬のせいで前後の記憶はほとんど飛んでましたよね!?」
「私には、この頭がありますわ。恐らくですけど、私の記憶力は薬で抑えられる程、弱くはないのかと」
ずっといらない頭だと思っていたけど、まさかこんな形で役に立つとは、思ってもなかったわ。
「それで、何があったんだ? それと、相手は知っている人間なのか? 無理に思い出さなくていいから、わかる範囲で教えてくれると助かる」
「はい。アセット家の使用人に、突然ブラハルト様に呼ばれてると言われておびき寄せられて、屋敷のとある部屋に向かいました。そこで、とある男性に襲われて、布のような物を口に押し付けられて、意識を失いました。その直前に、そのお方の顔を確認しております。そうだ、誰か似顔絵を描けますか? 私が特徴をお伝えするので、描いてほしいのです」
「任せろ。実は絵は結構得意でね」
「そうだったのですか? では、お願いいたしますわ」
ブラハルト様が絵の道具を一式揃えたのを見てから、私は男の特徴をわかりやすく伝える。
すると、ブラハルト様はどんどんと筆を進めていって……襲ってきた人と、部屋まで誘導した人の顔を完璧に描いた。
「こんな感じか?」
「はい、この方々です! それと、襲ってきたお方はイリチェ村でも見かけました! 橋が崩落した後、なぜか一人だけ悲しんでいなかったお方と同じです!」
「なんだって!?」
「イリチェ村でお見かけした時とは、格好は違っていましたが、あの顔立ちと、顔に刻まれた小さな傷は、よく覚えていますわ」
今思い出しても、あの橋のところで何もせず見つめていた彼の目は、不気味そのものだった。はっきり言うと、関わり合いたくないような部類の人だ。
「まさか、このお方に襲われるなんて、思ってもいませんでしたわ。早くブラハルト様に不審な人物がいたと相談しておけば、こんなことにはならずに済んだかもしれなかったのに……」
「気に病むことはない。大切なのは、これからどうすることを考えることだ」
落ち込む私に、ブラハルト様は再び微笑みを向けてくれた。
たったそれだけの行動なのに、私に安心感と勇気を与えてくれる。まるで魔法みたいな微笑みだ。
「さて、一体その人物は何者で、どうして橋を破壊し、俺達にこんな卑劣な真似をしたんだ……?」
「わかりません。ですが、相手は私のことをよく知らないかもしれません。でなければ、私が全てを覚えてしまう頭があることを警戒して、何か手を打ってくるかと」
見たもの全てを記憶が出来るこの頭を知っていれば、顔や特徴を見せるなんて、一番やってはいけないことだもの。
それを怠ったということは、私の頭のことを知らないくらい、私と縁がないお方だと言える。
「なるほど……ふむ……駄目だな。情報が少なすぎる。考えてもわからない以上、別の切り口から攻めよう」
「坊ちゃま、何か案があるんですか?」
「ああ。あの不審者は、会場の警備をすり抜けた。いくつもの家を招待していたからか、かなりの見張りを用意していたのに、潜入を許すとは考えにくい」
「まさか、犯人はアセット家と内通しているのでは?」
「それが一番あり得る。実際に、エルミーユを誘い出したのは、アセット家の使用人だからな。あの優しくて穏やかなアセット子爵が、そんな悪事に手を出すとは考えにくいが……アセット家に向かい、情報を聞き出そう」
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