私のことはお気になさらず

みおな

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仲睦まじく?

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「私は、ヴィル様の婚約者が私であればいいと思っています」

 他の人がヴィル様の隣に立ち、笑顔を向けられると思うと、それを嫌だって思うのよ。

 ヴィル様のお気持ちを無視してまで、婚約者の位置にこだわるつもりはないけど。

 でも、私の気持ちだけは知っていて欲しいわ。

 最初は、確かにケレス様との婚約をどうにかしたくて、お母様にお願いしたことだった。

 ケレス様のタービン公爵家より身分が上で、タービン公爵家が婚約解消にすぐに頷く家だから、グリフォン公爵家との婚約を受け入れたわ。

 でもヴィル様と会って・・・

 好感を持ったのは本当よ。

 私は別に、ケレス様のような容姿の方を嫌いなわけじゃない。

 確かに美男子だと思う。

 婚約した当初は、あの甘ったるい笑顔を向けられることを嬉しく思ったわ。

 でも、その隣にカバヤン伯爵令嬢が常にいるようになって。

 その無神経さに、嫌悪感だけが増えていった。

 ヴィル様は確かにケレス様のような今流行りの容姿ではないけれど、私はケレス様なんかよりヴィル様のような容姿の方が好きなのよね。

 それに何より。

 ヴィル様は、私に対して誠実でいてくれる。

 ケレス様との婚約期間に比べれば、ほんのわずかな期間だけど・・・

 今の私は、心からヴィル様を信頼できる。

 カールから過去のお話を聞いて、余計にヴィル様を好きだと思ったわ。

「そうか」

 ヴィル様はそう言うと、私の隣に腰を下ろしてそのまま私の肩を抱き寄せた。

「!」

 エスコートもして下さるし、婚約者として扱ってくれていたけど・・・

 先ほどのように涙を拭ってくれたり、こんなふうに抱き寄せられるのは初めてだわ。

 ど、どうしたらいいの?

 触れられた肩が熱い。
心臓がドクドクとして、耳元で鳴っている気がするわ。

 筋肉かしら。腕も、頬に触れる胸も固いわ。

 先ほど頬に触れた手も大きかったし。

 って、何を考えてるのかしら。
痴女じゃあるまいし。

「ティア」

「はっ、はい!」

 低い声に名を呼ばれて、慌てて顔を上げた。

 やだ。顔、赤くなっていないわよね?

「・・・」

「ヴィル様?」

 ジッと私の顔を見るヴィル様に、私は自分の顔がどうなっているのか不安になってきた。

 さっき泣いてしまったし、もしかして鼻の頭が赤くなってる?

 薄くしていたお化粧も、取れてしまっているのかも?

 大人なヴィル様の隣にいても恥ずかしくないように、ちゃんとしていたつもりだけど、泣いたりして子供っぽいと思われたのかしら?

「ヴィル様?」

 再び呼びかけると、肩に置かれていた手がそのまま私の顎に触れた。


 



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