逆行令嬢は何度でも繰り返す〜もう貴方との未来はいらない〜

みおな

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断罪の時《イザヴェリ公爵視点》

 王妃殿下と、かつての側近であったウォーレス・ネプト伯爵が国王陛下・・・いや、元国王というべきか、彼を刺すのを離れた位置から眺めていた。

 彼らには、マミアが調べてきた詳細を知らせた。
 王妃殿下の従妹であるアーチェ・ライセル男爵令嬢が、国王陛下に何をされたのか。何故湖に身を投げたのか。今フィリップ殿下が何をするためにガラティア王国に向かっているのか。
 その全てを、彼らには知らせた。

 従妹が亡くなってから、公務以外はずっと部屋にこもりきりの王妃殿下が、そのやつれた顔に似合わない、怒りの表情を浮かべた。

 領地に引きこもっていたウォーレス・ネプト伯爵にも手紙を出し、全てを語った。
彼は、怒りのあまりに体を震わせていた。

 彼らの出した結論は、自らの手で国王を葬るということだった。

 ネプト伯爵の手には、男爵令嬢に贈るはずだったネプト伯爵家の伯爵夫人が引き継ぐ家宝のナイフがあった。

 彼はそれで国王を葬りたい、そう願った。

 それは、彼らは自分たちの行うことの責任を逃れるつもりはないということだ。

 王妃殿下は、王家を滅ぼす決断をされたようだった。

 後継であるフィリップ殿下が真っ当に育っていたなら、我がイザヴェリ公爵家に後ろ楯になってもらい、いずれ即位させるつもりだったようだが、彼が国王の傀儡になっていることで、それを諦めたようだ。

 フィリップ殿下の処遇は、ガラティア王国に一任された。
 他国に不法入国しようとしているのだ。それだけで、処罰される。

 フィリップ殿下は、まだ何かをしたわけではない。それにまだ11歳だ。
 処刑まではと思うが、全てはガラティア王国にお任せしている。私がどうこう言える立場ではない。

 そう言うと、王妃殿下は生かしておいて良からぬ者たちに担ぎ上げられたりするよりはと処刑もやむなしとおっしゃられた。

 自分がお腹を痛めて産んだ、たった1人の息子だ。
 決して死を望みたいわけではないだろう。だが、殿下は王妃として決断された。

 ならば、私がどうこう言うべきではない。私に出来ることは、彼らの幕引きが滞りなくできるように手を尽くすことだけだ。

 全ては、あの国王陛下の行いが招いたことだ。
 私が宰相になるのがあと数年早ければ、あのような事態を防げたかもしれない。
 少なくとも、男爵令嬢の死因を不明だなどと結論つけることはなかったはずだ。

 復讐を終えたはずの王妃殿下とネプト伯爵の顔は、決して晴れやかなものではなかった。

 それでも、彼らは後悔しないだろう。この先に待っているものが破滅だとしても。


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